AD COMPASS

予測広告注目率

新聞広告はどれくらい読まれているのか?
その反響を調査した「第3回新聞社共同調査」(2000年4月社団法人日本新聞協会広告委員会発表)からえられたデータを、一部掲載します。広告出稿計画を立てる際のご参考に使用ください。

新聞広告の注目率を予測する

広告注目率は広告の段数や内容によって変化します。新聞広告が読者に注目されるかどうかの背後には、いくつかの要因が複雑に交錯しているのです。だから、それぞれの変数を単純に見ているだけでは不充分。変数の互いの関係を把握するために多変量解析という統計のための分析手法を用います。この手法を使うことで、混沌とした構造をシステマティックに整理し単純化できます。

多変量解析の中でも特に、「数量化Ⅰ類」という解析方法は、数量的なデータ(広告注目率)が数量ではない要素(業種、大きさ、掲載面など)によって、どの程度決定されているかを調べるのに適した分析手法です。

日本新聞協会は、この「数量化Ⅰ類」という方法を使って広告注目率の要因分析を行いました。「数量化Ⅰ類」という解析では、結果として扱いたい変数を「基準変数」(または「外的基準」)、その原因とみなす変数を「説明変数」(または「要因」)と呼んでいます。今回の分析では、数量データである【広告注目率】を基準変数に設定し、質的なデータ(=非数量データ)である【業種】、【段数】、【掲載面】などを説明変数に用います。

「レンジ」について

説明変数(【業種】、【段数】、【掲載面】など)ごとの各カテゴリー値の最大値と最小値の差を「レンジ」といいます。「レンジ」の値が大きいほどその要因が基準変数(【広告注目率】)に対して、より大きな影響力(貢献度)があることを意味します。また、各カテゴリー値のプラスとマイナスは、基準変数(【広告注目率】)に対するプラス側あるいはマイナス側への影響を表し、その数値の大小は影響力の大きさを示します。

「重相関係数」について

調査の実測値と予測値の相関関係を重相関係数という数値で表します。最大値は「1」、最小値は「0」。係数が「1」に近ければ近いほど相関が強いと判断でき、予測データに対する信頼度も上がります。分析に用いる説明変数(アイテム)とそのカテゴリーが多いほど重相関係数も高くなる傾向があります。

予測広告注目率について

予測広告注目率表を使って、予測広告注目率を算出することができます。

具体的には、まず予測したいターゲット(性や年代別)を決めてその平均広告注目率(表の一番上の行)を見つけます。そして、その数値に予測したい広告の各要因(【業種】、【段数】、【色刷り】、【掲載面】、【広告内容】、【掲載曜日】)ごとに該当するカテゴリー値を順に加算し、得られた値がその広告の指定したターゲットにおける予測広告注目率ということになります。

たとえば、「全5段」「モノクロ」の「旅行」「商品広告」を「平日」の「スポーツ面」に掲載した場合の予測広告注目率は、次のように計算できます。 まず、ターゲットをしぼらずに全体で計算すると、平均広告注目率26.9に、【業種】=「旅行」:6.0、【段数】=「全5段」:-0.7、【色刷り】=「モノクロ」:-0.9、【掲載面】=「スポーツ面」:0.3、【広告内容】=「商品広告」:0.1、【掲載曜日】=「平日」:-0.1をそれぞれ加算した31.6が、予測広告注目率ということになります。 ターゲットを「女性・40~69歳」にしぼってみると、平均広告注目率30.1に、【業種】=「旅行」:9.6、【段数】=「全5段」:-0.2、【色刷り】=「モノクロ」:-0.6、【掲載面】=「スポーツ面」:-1.3、【広告内容】=「商品広告」:0.3、【掲載曜日】=「平日」:-1.2をそれぞれ加算した36.7が、そのターゲットの予測広告注目率です。

※予測広告注目率表を表示する(PDFが別画面で開きます)