京都新聞「教養図書案内」

白水社

だれか、来る

ヨン・フォッセ　著　／　河合純枝　訳

2,530円（税込）

「彼」と「彼女」がたどり着いたのは、フィヨルドを臨む古びた家だった――2023年ノーベル文学賞を受賞したノルウェーの劇作家、ヨン・フォッセの代表作『だれか、来る』とエッセイ『魚の大きな目』を収録。初の邦訳単行本。

白水社

楽園

アブドゥルラザク・グルナ　著　／　粟飯原文子　訳

3,520円（税込）

舞台は20世紀初頭、現在のタンザニアの架空の町。主人公ユスフの12歳から18歳までの成長の過程が辿られ、東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期が、少年の目から語られる。2021年ノーベル文学賞受賞作家、初期の代表作を初の邦訳で。

原書房

ホビットの料理帳

ロバート・トゥーズリー・アンダーソン　著　／　川添節子　訳

2,640円（税込）

ホビットのごちそう料理から、エルフのパン、友に捧ぐ料理まで――。世界中で愛されるファンタジー『ホビットの冒険』『指輪物語』に登場する料理や、トールキンが描いたミドルアース＝中つ国の世界観にぴったりのレシピを紹介。

原書房

[図説]世界の水の神話伝説百科

ヴェロニカ・ストラング　著　／　角敦子　訳

5,280円（税込）

ヤマタノオロチ、メドゥサ、ナーガ、女媧など古今東西の水の神を網羅した決定版。水は神、精霊、守護者などさまざまな形で表現されてきた。敬愛され、恐れられてもきた人と水との関わりに迫る。

平凡社

レーニン・セレクション

ウラジーミル・レーニン　著　／　和田春樹　編訳

1,980円（税込）

2024年はウラジーミル・レーニンの没後100年を迎える。1922年、世界初の社会主義国家・ソ連を樹立したレーニン。その思想を俯瞰するべく、全作品の中から重要な箇所を抜き出した選集。

平凡社

[増補]近代の呪い

渡辺京二　著

1,760円（税込）

『逝きし世の面影』の著者が近代を総括し、生きづらさの根源を問う魂の講義録。旧版刊行時にスタジオジブリの機関紙「熱風」に掲載されたインタビュー「近代のめぐみ」を収録。

吉川弘文館

平城京の役人たちと暮らし

小笠原好彦　著

2,530円（税込）

奈良時代の都・平城京は、政治の舞台の平城宮を中心に10数万もの人々が暮らす場であった。有能な役人を養成する大学や後宮に勤める女性官人の姿や、役人の勤務評価や休暇の実態などはいかなるものだったのか。税金や物資の流通、治安警備、軍隊や騎馬、酒造り、祭祀、疫病流行などのトピックから都に暮らした人々の日常をいきいきと再現する。

吉川弘文館

おみくじの歴史
―神仏のお告げはなぜ詩歌なのか―

平野多恵　著

2,090円（税込）

初詣で運勢を占うおみくじ。日本の社寺の風俗として定着しているが、いつから存在し、誰がつくり、なぜ和歌や漢詩が書いてあるのかなど、謎は多い。そのルーツを追いながら、日本人がどのようにしておみくじと関わってきたのかを探り、長く人々を惹きつけてきた魅力に迫る。歴史を知り神仏のお告げと向き合い解釈すれば、おみくじはもっと面白い。

朝倉書店

一歩進んだ物理の理解1
―力学・熱・波―

真貝寿明、林正人、鳥居隆　著

2,970円（税込）

花火の軌跡や工事現場のくい打ち、ジェットコースター、ふうせん、水飲み鳥、楽器、虹、蜃気楼・・・など身のまわりの現象を物理法則を使って理解。高校から大学初年度レベルの物理学を問題形式で学ぶシリーズ。第1巻では力学、熱力学、波動を扱う。必要な数学も丁寧に補足。全3巻。

朝倉書店

日本列島地質総覧
―地史・地質環境・資源・災害―

加藤碵一、脇田浩二、斎藤眞、高木哲一、水野清秀、宮崎一博　編

19,800円（税込）

日本列島の地史・地質環境・災害・資源を総覧。日本の地質を深く知るための最新の知見を解説。パートカラー。〔内容〕日本列島とは？／地帯構造区分／人・社会と関わる地質環境・災害・資源／新生代テクトニクスと地史（新第三紀・第四紀）／基盤テクトニクスと地史（古生代・中生代・古第三紀）／他

国書刊行会

比島民譚集
―フィリピンの島々に伝わる話―

火野葦平　著　／　川上澄生　画

2,970円（税込）

可笑しくて悲しく、少し残酷。戦争作家、火野葦平がフィリピン従軍中、「比島の民情を知るため」仕事の合間を縫って民話を採集し翻訳した、近いけれど遠い島々に伝わる奇妙な話。1945年に刊行されたものを復刊。挿画は萩原朔太郎『猫町』の表紙画で知られる川上澄生。

国書刊行会

衣巻省三作品集街のスタイル

衣巻省三　著　／　山本善行　編

3,850円（税込）

盟友の稲垣足穂とともに幻想味のある作風が高く評価されたモダニズム作家・詩人、衣巻省三。これまで幻の作家とされてきたが、マイナーポエットの雄として古本通から注目が集まる。モダンで清冽な叙情とある種の悪戯心に溢れた詩や、作風の広い中短編など、古本ソムリエ・山本善行氏の撰による、90年ぶりのオリジナル作品集。