共に変える、共に創る、未来へ
Let’s change our behavior. And create our future.
- 2023元日 文化人メッセージ -
人を動かすのは感情、
心を動かすのは情熱が集まる場所
福島あゆみ
ダンサー
私がブレイキンを始めたのは18年前。当時はラジカセと身体一つ、深夜の駅で練習をする日々でした。
ブレイキンが2024年パリ五輪の正式種目に決定し、取り巻く環境が大きく変わったと感じています。スポーツとして認知され、競技としてブレイキンを知った人も多いのではないでしょうか。
この18年間、ブレイキンを続けている理由は、自分を成⾧させてくれるから。幅広い層の人が同じ場所に集まり、話し、刺激を受ける環境には、新しい気づきがあふれていて、それこそが 「大人の学び直し」だと感じています。そして、ブレイキンを通して出会った世界各地の人とのつながりや、文化の違いを感じた経験は私の人生をとても豊かにしてくれています。
コロナ禍以前、1年の半分以上は海外を飛び回っていました。大会に出場、ワークショップの講師、審査員として参加するなど、世界各国のダンサーとの新しい出会いやその国の文化に触れ、学びある毎日がコロナ禍で一変してしまいました。
ずっと立ち止まっているのか、今できることを考え行動するのか、姉と考え、ブレイキンを通して世界に元気を届けたいと思い「プロジェクト元気便」を始動させることにしました。「プロジェクト元気便」とは、ブレイクダンサー (B-boy, B-girl)たちが周りの人へ幸せをつなぎ、世界中に元気を届けるプロジェクト。「優しさを繋ぐことで起こる幸せの連鎖」をテーマに自分の周りの人や家族に一つ喜んでもらえることをして、その様子をビデオに撮ります。その名も「GENKIBIN VIDEO」、このプロジェクトへの参加資格です。
コロナの影響で各国の行き来が難しい中、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を通して、無料オンラインレッスンとディスカッションをボリビアをはじめ南米12カ国、スペイン、日本で開催することができました。
映像を通して、誰かとつながることは心が健康になり、毎日が一層元気になれると改めて実感しました。一人じゃ元気になれない!!
そして、みんなから届いた「GENKIBIN VIDEO」は、その人、その国によってさまざまなかたちがありました。家族のために何かをする、ご飯を友達に運ぶ、住む所を提供するなど、人によって感じる喜びや幸せには本当にいろんなかたちがあるのです。
ブレイキンにはパワーやエネルギーが充満しています。人を動かすのは感情、心を動かすのは情熱が集まる場所。今後もブレイキンを通していろんな人に前進する力を伝えていきたいです。
◉ふくしま・あゆみ
京都市生まれ。「自分の殻を破る」をテーマに、自分の⾧所を最大限に生かすことを追求している。留学先のカナダでダンスを始め、国内外で現役活動、審査員、ワークショップ講師の活動を行なっている。2021年、ブレイクダンス世界選手権優勝など数々の優勝経験を持ち、現在世界中で最も支持されているB-girlの一人。22年京都府スポーツ賞特別栄誉賞受賞。