社会起業への挑戦

仲谷善雄
学校法人立命館 総長

元日から総長としての2期目が始まりました。「社会起業累計500件」、これが2期目の大きな目標です。1期目では、SDGs（持続可能な開発目標）への積極的な取り組みを打ち出し、社会課題の解決を目指す起業家を支援するために起業・事業化推進室を立ち上げました。学園内の資源を統合し、小中高大院を通じて、社会課題の解決を目指す人材を発掘・育成する取り組みの中から、大学生や院生はもとより、付属校生の起業家が生まれています。立命館発の起業数はここ数年で大きく増え、学生・生徒の意識も変わってきました。
しかし持続可能な社会の実現には、さらに多くの人たちによる自由な挑戦が必要です。特に研究をベースとした起業は、技術や科学的知見に基づいた成果をいち早く社会に実装する取り組みであり、社会に大きなインパクトを与える有効な手段だと考えています。今では世界をリードする大企業も、最初は誰かの小さな意思、小さな挑戦から始まっています。大きな変革期が到来している今こそ、社会にはもっと大胆な挑戦が必要なのです。
大学発の起業数は国立大学が上位を占め、私立は伸び悩んでいます。「挑戦をもっと自由に」をビジョンに掲げる私立総合学園だからこそ、「社会起業累計500件」の達成を通じて、未来を生きる若者たちと一緒に時代の新しい動きを創っていきたいと思います。