共創の
国際文化観光都市へ

玉置敏浩
三井不動産株式会社 京都支店長

3年にわたるコロナ禍を経て、出入国制限緩和や国・自治体による国内旅行支援策も相まって京都の観光産業はようやく復活の兆しが見えてきました。一方で、コロナ後の京都観光は、従来の名所旧跡巡りから、文化・伝統産業の体験重視への移行が必要になると各分野で唱えられています。
無人チェックイン機やSNS（交流サイト）・WEB観光ガイドなど、コロナ禍で進行したスマホ頼りで、地元の町衆と非接触の観光だけでは、他の観光地との差別化は困難です。京都観光が進化・発展するためには、観光産業従事者だけでなく地元住民、伝統産業職人、文化人など長年京都の生活文化や伝統文化を支えてきたいわゆる町衆と観光客の交流が必要です。
未来の京都観光は、どこで、何をするかに加えて「誰に出会うか」がキーワードになり、ホテル・旅館が観光客を「競争」して取り合うのではなく、地元の町衆と共に京都観光を「共創」していく姿勢が求められるでしょう。
三井不動産グループの「HOTEL THE MITSUI KYOTO」でも茶道体験、祇園囃子や地元アーティストのロビー演奏会など、人が主役となって京都文化を伝える努力を続けており、今後も京都市民と共創しながら国際文化観光都市への発展に貢献してまいる所存です。