未知の脅威にも対応できる
医療提供体制へ

武田隆久
武田病院グループ 理事長

「24時間365日の救急医療体制」
これは当グループをはじめ、地域で救急医療を担う病院の大看板と言えます。とはいえ、この体制を維持するのは言葉で言うほど簡単なものではありません。医療費を含む社会保障費の抑制、医療人材の不足、新型コロナウイルス感染症への対応などさまざまな課題があり、当グループも皆の努力でなんとか維持している状態です。
それが一瞬で破壊される出来事が、徳島県と大阪府で発生しました。身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」による病院への攻撃です。電子カルテをはじめとする基幹システムが使用不能となり、治療ができなくなってしまったのです。
こうした生命・健康を脅かし、金銭を要求する不法な行為に強い怒りを覚えます。それと同時に、私たち医療者は「サイバー領域においても患者さんを守らなくてはならない」という現実を突き付けられたように感じました。
当グループではこれまで、大規模災害や感染拡大に備えたBCP（事業継続計画）を策定してまいりましたが、これにサイバー防衛も不可欠と考え、専門家の知恵を仰ぎながら取り組みを行っているところです。
未知の脅威、不測の事態にも24時間365日の医療提供体制を堅持できるよう、これまで以上に努力するとともに、皆さまの知恵とさらなるお力添えをお願いしたいと考えています。