食と農の明日を創造する

瀧井傳一
タキイ種苗株式会社 代表取締役社長

毎日口にする野菜や、暮らしに彩りと癒やしを与える花。私ども種苗会社は、その源であり農業の出発点となる種子を生産しています。
当社のミッションは「タネから始まる無限の創造性を活かし、世界の人々にとって新しい期待と感動にあふれる、健康的で豊かな生活の実現に寄与する」こと。1835年京都での創業以来、国内はもちろん世界180カ国以上で当社の種が使われています。
新しい種＝新品種は、10年先の未来に何が求められ、社会に受け入れられるかを思い描き、伝統的な育種技術と最先端の分子生物学を融合して創造します。私どもは開発した品種で、日々の食生活や食文化の多様性を広げ、新しい花の楽しみ方を創ってきました。
大規模な気候変動に加え、未曽有のパンデミック（世界的大流行）や国際情勢の混乱と変容により、改めて食糧問題がクローズアップされています。また、不確実な時代において、健康的で調和のとれた生き方に対する人々の願望はますます強まっていくことでしょう。
どんな時代でも､自然と向き合いながら野菜や花に関わる多くの人々に付加価値を提供する高品質な新しい種を創造し、安定的に生産して供給し続けることが、種のメーカーである当社の社会的使命であると自負しています。人々の真に豊かで持続可能な社会の実現のため、「なくてはならない会社」の役割を全うすべく、皆さまと共にタキイは前進してまいります。