違いを乗り越え、
一体となって前へ

宮嵜久朗
株式会社大丸松坂屋百貨店 執行役員 大丸京都店長

昨年6月、性の多様性について考える「プライド月間」に合わせて、性的マイノリティーへの理解を深める取り組みとして、各種啓発活動、イベントに、当事者の方々、京都市ならびに地域の関係者の皆さまと参画をさせていただきました。抱えておられる苦悩に直接触れる中で、今でも心に残っている言葉は「特別扱いをしてほしいのではなく、普通に接してほしい」というものでした。
「多様性（ダイバーシティー）」という言葉はかなり一般的になってきたと感じます。しかし違いを認識するだけでは不十分で、さらにそれを受け入れ、一体となって新しい価値を創造していく「包摂性（インクルージョン）」へ。「普通に接してほしい」という言葉はそれを訴えていると感じます。
世界の人々が「違い」を乗り越え、それを目指せば世界はきっと良くなる。ルトガー・ブレグマン著「Humankind 希望の歴史―人類が善き未来をつくるための18章」の最後に、その秘訣は「目と目を合わせた対話」であるとの言葉が印象に残っています。日々多くのお客さま、地域の皆さまが訪れる交流の場として、リアル店舗ならではの対話のきっかけづくりをすることで、微力ながらもより良き社会の実現のお役に立ちたいと思いを新たにしております。