聖母女学院
創立100周年を迎えて

赤野孝一
学校法人聖母女学院 理事長

朝、校門で小学生をお迎えしていた時のこと。「おはようございます！」と元気に通り過ぎる子どもの中で、たった一人「ただいま！」とあいさつする男の子がいました。「ん？」私は尋ねました。「なんで今、ただいまって言ったの？」彼はにこにこして答えました。「だって先生。学校には仲良しの友達がいっぱいいるし、褒めてくれたり悪いことしたら叱ってくれたりする先生もいるやん。学校は僕のもう一つの『おうち』やんか」。なるほど！私ははっとさせられました。
今年、聖母女学院は創立100周年を迎えます。改めて学校は子どもたちの「おうち」でありたいと思います。良い友達や先生との出会いを通して、のびのびと自分らしさを出せる「おうち」、自分の良さに気づくことができる「おうち」であってほしいのです。やがて卒業していく子どもたちはいくつもの苦難に直面するでしょう。そんな時、共に楽しく学んだ友達、そして真剣に関わってくれた先生。その記憶の詰まった「おうち」を思い出すことで「あと1歩、頑張ろう！」と自分自身を励ますことができる、そんな学校でありたいと思います。
今年も多くの子どもたちが巣立ちます。さらなる新たな100年。子どもたち一人一人にとって、人生の支えとなる懐かしい「おうち」であり続けたい。そう願っています。