賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

共に変える、共に創る、未来へ

Let’s change our behavior. And create our future.

- 2023元日 賛同企業代表者メッセージ -

澤田昌人

トンネルと天地悠久

澤田昌人
京都精華大学 学長

今でこそSNS(交流サイト)上でニホンミツバチの養蜂の動画が多数紹介され、愛好家も増えてきていますが、40年ほど前、私がこのハチの伝統的養蜂について調べ始めた頃は、限られた地域の趣味人だけが細々とハチを飼っているというありさまでした。それを調べている人はさらに少なく、おそらく私ぐらいしかいなかったと思います。
中古の単車で山々を縫うように走り、あまり関心を持たれそうにない調査を里から里へと続けているうちに、私はだんだん悲観的な気持ちになってきました。「こんなことを続けていて、世間や自分にどんな意味があるのだろうか?」
やりきれない気分で南紀の山中を走っていた時のことでした。山間の道には多くのトンネルがあるのですが、あるトンネルの入り口の上に大きく「天地悠久」と、場違いな言葉が書かれていたのです。
それを見て私はなぜか救われた気持ちになりました。自分がどうあがこうが、天地、宇宙は悠久なのだ。そのことに思い至った私は、自分の小ささと他人の目を気にすることのつまらなさに気づき始めたのでした。
若いということ、学ぶということには、自分の人生に思い悩むことが伴うはずです。その暗いトンネルの出口に「天地悠久」という事実があることを知る。春秋に富む若者たちにそういう経験を与える大学でありたいと思います。

京都精華大学

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