賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム 未来を思い描く

思い描く、未来へ

drawing the future of tomorrow

- 2020元日 賛同企業代表者メッセージ -

田中典彦

「転識得智」
五徳美人で大笑い

田中典彦
佛教大学 学長

明けましておめでとうございます。令和最初のお正月をいかがお過ごしでしょうか。
さて、私の子どもの頃のお正月といえば、よく兄弟で福笑いをやったものです。すると、いつの間にか父も母も加わってきて、家族で大笑いをした思い出があります。父の番が来たとき、いつものように講釈が始まりました。「これはな、おたふくといってな、変な顔をしているようだけど五徳美人ともいわれているのだよ」。おたふくの目は、すずかけの目といって細目をしていて、仏の目のように、半分外を見、半分内を見ること、つまり世界の事実と己とを常にしっかりと見ることが大事だと教えている。大きな耳はよく聞くこと、低い鼻は高慢や驕りのないこと、おちょぼ口は余計なことは言わないこと、そして頬っぺたの膨らんだふくよかな顔はみんなに笑いをくれることなのだそうです。五つの美点(五徳)でもって人に幸せに生きる在り方を示そうとしたものだというのです。実にうまく伝承したものです。遊びの中に人の生きる道を伝えようとしたものであることが分かります。年の初めに五徳美人で家族や友人と大笑いもいいでしょう。これぞ令和の心です。
佛教大学は「転識得智」(学んだ知識を生きる力へ)の教育目標でもって「智慧」を磨いていただける大学を目指しています。

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