賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム 未来を思い描く

経済面コラム
【未来に求められる人材とは】

drawing the future of tomorrow

彦野大輔

常に自身を「UPDATE」する

彦野大輔
日本たばこ産業株式会社 北関西支社長

新型コロナウイルスの影響で以前のような、人に会い、どこかへ出かけ、食事をするといった生活が遠い昔のような感覚になりつつあります。今では極力出歩かず、家で過ごすなどの「新しい生活様式」が求められており、そうした環境の変化に戸惑いを隠せません。
このような社会環境、ビジネス環境どちらも想定できない程の変化が起こり得る未来を見据えて、今われわれに必要なことは、常に自身を鼓舞し続け、自身を「UPDATE」することだと考えています。
これまでよく語られた「成長」という言葉は、今を土台に伸びてゆくイメージですが、今後は目まぐるしい環境の変化により、過去に培ってきたことが意味を成さなくなる可能性もあります。そうした境遇の中でも、社会で生きていく意味を明確に持ち、自身を奮い立たせ、常に自身を「UPDATE」して新しい環境に適応することで新たな道が切り開けると思っています。
JTを取り巻く環境も日々変化を続けていますが、社会の変化を受け入れ、私を含めそれぞれが自分自身を「UPDATE」し、たばこを吸う方・吸われない方双方が心地よく共存できる社会の実現に向け活動してまいります。

髙坂節三

漢字と道徳

髙坂節三
公益財団法人日本漢字能力検定協会代表理事 会長兼理事長

在宅の日が続いている。「散歩と読書」が日課となった。朝夕近くの公園を散歩する。夕方の公園は子どもたちでいっぱいである。砂場でお山を作りトンネルを作っている幼児、ボール遊びに興じる子ども、その周りでお母さん方はスマホに熱中している。
翌朝早く散歩する。砂場には小さなバケツやスコップが放置され、周りの草叢(くさむら)の中にボールが顔をのぞかせている。戦時中の集団疎開をしていた頃を思い出す。日本は豊かになり、「物を粗末にしない」とか「後片付けをする」という言葉はなくなったのだろうか。
年末の「今年の漢字」でお世話になっている清水寺の森貫主は、「勿体(もったい)ない」とは、「体をなくすこと勿(なか)れ」で、「体」とは「物」であり、物には形と命がある。物を粗末にしたら、そこに生きている命がもったいない、とおっしゃっている。
また、「しつけ」は日本で作られた国字で「躾(しつけ)」と書き、身を美しくするという漢字だ。
戦後75年を経て、ようやく、小学校は2018年度、中学校では19年度から道徳科の授業が実現された。
私どもは、漢字と正しい日本語の普及を通して道徳科の授業のお手伝いができればと思っている。

日比野英子

「withコロナ」時代の人材育成

日比野英子
京都橘大学 学長

このたびの新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延(まんえん)につき、罹患(りかん)された方に心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者の皆さまに深く感謝申し上げます。
さて、今年は本学でも感染予防と大学教育継続の両立を大きな課題として、全学挙げて取り組んでまいりました。遠隔授業の質の担保、経済的に困窮する学生への支援といった対策と並んで、学生自身がウイルスの感染に対して自律的に対応できる知識や態度を身に付ける教育が重要な課題です。「自立・共生・臨床の知」という理念に基づく大学教育によって、自他ともに互いの心身の健康を尊重し、適切な行動を取れる成人に育成したいと考えています。
コロナ禍を契機に、今後一挙に情報社会が進展し、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の利活用の能力、新しい価値を創造する力を求められる時代となることが予想されます。本学では2021年に工学部(情報工学科・建築デザイン学科)・経済学部・経営学部を開設し、自らの専門性を磨くとともに、多様な視点から社会的課題を俯瞰(ふかん)できる幅広い教養も備え、「withコロナ」時代に活躍できる人材の育成を目指します。

前川重信

持続的な成長に向けて

前川重信
日本新薬株式会社 代表取締役社長

新型コロナウイルスに罹患(りかん)された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、感染拡大防止にご尽力されている医療従事者の皆さまに深く感謝申し上げます。
この世界的な感染拡大により、私たちの日常生活は一変し、これまでにない大きな変革が求められるようになりました。企業が持続的に成長するための原動力は、「人材」です。当社では、従業員の幸福感がより一層高まることを目指して、独自の新しい働き方の基本方針を策定しました。テレワークをはじめ、フレックスタイム制度や時差出勤などを活用して従業員がイキイキと働ける環境を整備しています。
製薬企業においては、医薬品の安定供給はもちろんのこと、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発が求められています。当社におきましても、本年5月に発売しました国産初の核酸医薬品の開発技術を応用し、新型コロナウイルス治療薬の開発に着手しました。この世界的な難局において、長年培ってきた当社の核酸技術を生かし一日も早く治療薬を提供し社会に貢献していきたいと思っております。日本新薬は、「withコロナ」社会での持続的な成長に向けて挑戦を続けます。

浅田龍一

美の価値観を追求

浅田龍一
株式会社ジェイアール西日本伊勢丹 代表取締役社長

ジェイアール京都伊勢丹の目指すビジョンは、お客さまの豊かな日常生活と思い出に残るハレの日の創造です。
私たちは今、 この厳しい状況を好機と捉え、伊勢丹の強みである「話題性と革新性のある提案力」と、JR西日本グループの一員として「お客さまの安全・安心を最優先に考え行動する姿勢」で、新しい時代に対応し変化していくことを使命と捉えています。
このような先が見えない今だからこそ、未来に向け、前を向いて、自信を持って進んでいくことが重要であり、そのために私たちは一人一人の個性を尊重した「美の価値観」を追求してまいります。それは、外面と内面の両面の美を大切にすることで気力が高まり、その人の持つ潜在力が最大限発揮され、大きな力になると考えるからです。衣・食・住全ての領域において新鮮で、高感度で、季節感のあるファッションを掛け合わせたマーチャンダイジングの提案と、一期一会のサービスに大きな力を注ぎ、私たちはこれからも革新してまいります。

鈴木順也

自分の価値を大胆にアピール

鈴木順也
NISSHA株式会社 代表取締役社長

私の大学院時代の恩師は事あるごとに「君たち、出る杭(くい)はもっと出ろ」と教えておられた。目立ち過ぎるとたたかれるのは世の常だが、それでは社会に貢献できる個性豊かな人材は育たないという信念だった。学生だった私は言葉の意味は理解できたが、現実的にどういう状況を指すのかは社会で経験を積んでから知った。確かに無難な調和を重んじることが行き過ぎると、自らが出る杭とならないよう、あるいは杭が出ないよう周囲が抑え込むことがある。このような風習に社会が埋もれると公正な評価とならず、イノベーションは起きない。
今や新型コロナウイルスと共存する時代といわれる。オフィスに行くこと自体が仕事だった人々は、今日からは自宅や他の場所からでも仕事し成果を見せるよう求められる。上司、部下、同僚とのコミュニケーションは以前に増して回転数が上がる。しかし現在の技術では、テレワークで相手の様子はまだ正確に見えにくい。どうか察してくれというのも通用しない。新しい時代では自らの仕事ぶりを大胆過ぎるくらいアピールしてちょうどいいのではないか。当社ではそのように組織文化を変えていく。

武田一平

「誠心誠意」ベストを尽くす人

武田一平
ニチコン株式会社 代表取締役会長

本年8月1日をもって当社は創立70周年を迎えました。その歴史は、創業者をはじめ諸先輩方の不断の努力なくして語ることはできません。今を一つの通過点と捉え、さらなる発展につなげることが、私たちに課せられた使命であることをしっかりと肝に銘じ、諸先輩方への感謝とともに、明るい未来社会づくりに貢献するため「誠心誠意」取り組んでまいります。
当社の経営理念にも記される「誠心誠意」は、日本国内に限らず世界に通じるビジネスの基本であります。私自身が、世界30カ国以上をまわり、海外で営業を続けてきた経験の中で、「誠心誠意」の熱意が通じない国はありませんでした。
これまでさまざまな難局、困難な壁に直面してきましたが、どんな時も絶対に諦めず、常に全力を尽くすことで乗り越えてくることができました。むやみに明日を心配したり昨日の失敗を悔いてくよくよするより、今、この時を全力で生きる人、そして相手のことを真摯(しんし)に思い、「誠心誠意」常にベストを尽くし挑戦し続けることができる人こそ、未来を切り開くために必要な人材だと確信しています。

大野 敬

強さとしなやかさ

大野 敬
西日本電信電話株式会社 京都支店長

NTT西日本は、「ソーシャルICTパイオニア」として、地域や社会が抱えるさまざまな課題に対し、ICT(情報通信技術)の先進的な技術を用い、解決に向けた取り組みを進めています。同時に、大規模な自然災害による被災時であっても、多くの先達から受け継いできた「つなぐ」という使命を果たせるよう全力を挙げて取り組んでいます。
今後の「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の時代においても、人々のコミュニケーション手段としての通信を確実に「つなぐ」とともに、「新しい日常」での働き方や学校教育についても、ICTなどを活用した新たなご提案を継続できるよう努めてまいります。
私たちの「つなぐ」という使命感は、どんな時代にも変わらぬ「強さ」であり、「ソーシャルICTパイオニア」としての活動は、世の中の変化に対応する「しなやかさ」を体現します。こうした「強さとしなやかさ」は、京都に存在する多くの長寿企業が有するものであり、また、京都に受け継がれてきた「不易流行」の精神に通ずるものと感じています。
私たちは、こうした精神を保持しながら、情報通信サービスを提供することを通じて、地域の活性化に貢献してまいりたいと考えています。

福山隆夫

新型コロナウイルスに思う

福山隆夫
京都駅ビル開発株式会社 代表取締役社長

新型コロナウイルスは、この間さまざまな社会的環境の変化を生み出しました。デジタル社会のさらなる進展、接触から非接触への転換などが言われ、テレワーク、オンライン会議などの急速な浸透、さらには「巣ごもり消費」など消費行動の変容も惹起(じゃっき)せしめました。既存システム、秩序が揺らぎ、新しい落ち着き場所を求めている様とも言えます。この機会を生かし今後の環境変化を模索する中で、普段は見えないものが見えてくる可能性も高くなります。予測や予想という言葉が立ち向かえないほどの劇的な変化、場合によってはパラダイム(思考の枠組み)の転換が世界中で生起したと後世に語られるかもしれない状況の中、ささやかなことですが当社でも新たにプロジェクトチームを発足させ多面的にさまざまなことを模索していくことにしました。
わが京都も未曽有の危機的状況に陥っていると認識しています。今まさに厳しい環境を耐え抜く耐久力と新しい環境に適応できる適応力が問われています。チャーチルの「凧(たこ)は風に向かっているときに一番高く上がる」という名言のごとく、必ずやこの難局を打開していきたいと考えています。

岡田博和

発想を変えて仕事に臨む人材

岡田博和
TOWA株式会社 代表取締役社長

当社は半導体製造装置メーカーとして「世界のモールドプロセスをTOWAに!」を目標に日々業務に邁進(まいしん)しております。この目標を達成するためにはわれわれ一人一人がこれまでとは発想を変えて仕事に臨むことが必要です。当社は昨年「禁句三原則」を定めました。これは、困難に直面したとき「難しい」「できない」「時間がない」と言うのではなく、「楽しそう」「やってみよう」「調整して時間をつくろう」と見方を変えて臨めば道は拓(ひら)けるという考えに基づくものです。
また、4月からスタートした第3次中期経営計画では「パラダイムシフト」をテーマとして掲げ、モノの販売から付加価値の販売へと発想の転換を目指しています。これは、当社製品を使用いただいたお客さまに作業効率改善や品質向上の点で期待を超える満足を実感していただけるためには、品質のみならず、お客さまが抱える課題を正確に読み取る力や納品後のフォローはどうしたら良いかという点に目を向けることが重要になってきているためです。
変化の速い現代において多様なニーズに応えるために、従来とは異なる発想ができる人材の育成に努めております。

杉田 洋

困難な時を超えて

杉田 洋
株式会社京都ホテル 常務取締役

新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)された方およびご家族・関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者はじめ感染拡大防止にご尽力されている皆さまに深く感謝申し上げます。
さて、新型コロナウイルス禍により難局が続いておりますが、京都は感染症に限らず、幾度となく危機を乗り越えてきた都市といえましょう。明治維新を経て静かになった京都では、蓄積された歴史や文化を礎にして、新しい文化を取り入れ―当ホテルもその一つで伊藤博文や渋沢栄一の助けを受けて1888年に創業―伝統と革新を兼ね備えることで困難を克服し、新たな魅力を生み出しました。
困難な時こそ、知恵を絞り、力を合わせ、進化を遂げるチャンスでもあります。それぞれのスタッフが力を発揮しやすいよう、当社では女性活躍推進などの取り組みを進め、より安心で快適な新常態のホテルづくりを目指しております。
京都ホテルグループでは、お客さまと従業員の安全を守るため、ガイドラインを策定し、ご宿泊、ご宴会、レストランでのご会食の際に、今後も安らぎの時間をお過ごしいただけるよう努めてまいります。

小倉 勇

「京都発 最強の技術商社」を目指して

小倉 勇
株式会社たけびし 代表取締役社長

当社は1926(大正15)年の創業以来、京都・滋賀地区を主力地盤に、三菱電機製品を中心とした産業用電機・電子機器を取り扱う技術商社として、多くのお客さまに支えられながら今日の経営基盤を築いてまいりました。
現在当社は、FA機器などの基幹ビジネスの拡大に加え、今後のさらなる成長に向け「CT・MRIなどの病院向け診断装置ビジネス」、「大手家電メーカ向けODMビジネス」、「製造業向けAI関連ビジネス」などの“NEWビジネス”の創造に注力しております。
また、本年4月1日には基板受託開発に強みをもつ技術商社「梅沢無線電機」が当社グループの一員となりました。同社とは、デバイス事業における基板ビジネスをはじめとして、5G関連ビジネスなどの幅広い分野において高いシナジー効果を発揮することができると考えております。
私たちは、現在世界が直面する大きな環境の変化の中で、お客さまが抱えられているさまざまな「お困りごと」の解決に真摯(しんし)に取り組み、「京都発 最強の技術商社」を目指して、これからも進化を続けてまいります。

白波瀬 誠

これからも地域とともに

白波瀬 誠
京都中央信用金庫 理事長

皆さまのおかげをもちまして、当金庫は創立80周年を迎えることができました。当金庫の社是「地域社会の発展に寄与する」は、地域金融機関の一員である私たちの原点です。
今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会、経済そして人々の生活は大きな影響を受けました。これからはウイルスと共存する新常態の社会において、私たちを取り巻く経済環境も急速に変化し、地域金融機関のビジネスモデルにも変革が求められています。
そのような中でも、地域の皆さまからの資金繰りや返済のご相談に、スピーディーかつ柔軟に対応することは私たちの責務です。同時に、新たなビジネスへのチャレンジを目指すお客さまへの本業支援も、必要不可欠と考えています。今後、社会の変化を受け入れ共存する適応力や臨機応変な発想の転換がますます重要となりますが、地域の皆さまと共に成長発展するという私たちの原点は変わることはありません。
創立80周年を迎え、これまで支えていただいた皆さまに感謝申し上げ、昭和から平成へと激動の時代を乗り越えてきた先人たちの志に習い、輝かしい未来に向かって地域とともにその発展に寄与してまいります。

林  惠子

忘れてはならないこと

林 惠子
京都ブライトンホテル 総支配人

まず、行政機関、医療関係の方々ほか、この地で生きる方々の命と向き合い、今なおご尽力くださっている全ての皆さまに、心より感謝申し上げます。当ホテルも2カ月の休館を経て先月15日より再開させていただき、本日、32年目の開業記念日をお客さまと共に迎えることができました。重ねて御礼申し上げます。
開業以来「パーソナルシティホテル」と銘打ち、一人一人のお客さまに寄り添うことを信条としてまいりましたが、今回のことで、この「寄り添う」ということを改めて考える機会を得たと思っています。京都は「寄り添うこと」を、求められる町。多くの神社仏閣の存在、目や手に触れるものの深さや重み、それらは全て人の手によるもの。だからこそ、何度もこの町に訪れたくなる。私たちは、これら財産と人との「寄り添い方の最良の方法」を見つけ提供する、という役割があるのではないか。再開を待っていた、とおっしゃってくださるお客さまの生命と財産を守ること、そしてその次に、心の交流が大切な今、この役割こそが京都に育てていただいたブライトンならば、決して忘れてはならない使命なのだと、改めて思い至りました。

武田道子

心を開いて

武田道子
武田病院グループ 副理事長

現代人の忘れ物、それは「人の心」ではないでしょうか。
昔、隣組は本当に家族ぐるみのものでした。「とんとん とんからりと 隣組 格子(こうし)を開ければ 顔馴染(なじ)み 廻して頂戴(ちょうだい) 回覧板」と口ずさんでくださる方がどのくらいおられますでしょうか。今だったらお巡りさんに通報されてしまいますね。ご近所の子どもたちは、自分の子どもと同じように育てる時代でした。今、近所のお子さんを、怒ったりしましたら大変です。
先日事故にあって倒れた人を通りがかりの男性がすぐ抱き起こしたというテレビを見ました。現在は、そっと眺めて行き去る人が大多数でしょう。マンション暮らしが多くなった今、隣は何をする人ぞの時代です。昔は人情が厚かったですね。
私はプランターにいろいろな花やハーブを植えておりますが、朝水をやるとき、首を震わせてくれるように感じ心が癒やされます。応えてくれるように感じるのは私一人でしょうか。ご近所さんとお話しをし、散歩した日が懐かしく思い出されます。人が近づいてきたら身構える時代ですが、心を開いてお話しができる日が来てほしいと思う今日この頃でございます。

瀧井傳一

激動の世界を生き抜く「タネ」を

瀧井傳一
タキイ種苗株式会社 代表取締役社長

当社は1835(天保5)年に京都で産声をあげ、「タネから始まる無限の創造性を活(い)かし、世界の人々にとって新しい期待と感動にあふれる、健康的で豊かな生活の実現に寄与する」という会社のミッションのもと、農園芸界の発展に寄与すべく種苗業に取り組んでおります。
種は工場で生産できるものではなく、自然と向き合いながら地道な仕事を積み重ねることでしか生み出すことはできません。猛暑や豪雨といった世界的な異常気象や、世界人口の増加に伴い農業を取り巻く環境は大きく変化しています。国内のみならず世界の人々の要望に応えるべく夢のある優良品種を創造し、その種を安定的に供給し続けることが当社の社会的責任です。
豊かな食文化と潤いのある生活の実現のために、豊富な遺伝資源と確かな技術、そして農業への深い愛情をもって、私たちは常に時代の一歩先を見つめ、食の可能性に挑み続けます。新しい発想や意見を大切にし、歴史と伝統に縛られることなくチャレンジできる風土を目指しています。先行きが不透明な時代だからこそ、食料生産の基盤を担う企業としての役割と責任を全うするため、これからもタキイは種苗業に邁進してまいります。

斎藤英男

凡事徹底できる「人財」

斎藤英男
大和ハウス工業株式会社 京都支社長

創業65周年を迎えた大和ハウス工業は、「事業を通じて人を育てること」を企業理念(社是)に掲げ、「人財」こそが当社グループの最大の財産だと考えています。さらに、当社は創業者精神の継承こそが事業の持続的成長に不可欠であるとの理念があります。創業者の「世の中の役に立ち、喜んでもらえるような事業や商品を考えるように」という教えの下、時代の先を読み、既成概念に捉われず果敢に挑戦し、当たり前のこと(凡事)を当たり前に実践(徹底)できる「人財」を求め、その育成を目指しています。
そのため、現場での実践を通じて「人財」を鍛え上げる「現場主義」を基本としつつ、社員の能力と個性を伸ばして活かす、さまざまな教育や制度を実施しています。日本の企業の多くが直面している通り、少子高齢化社会の中で「人財」の確保が難しい状況になっています。そうした中で創業100周年を念頭に置き、創業者精神を引き継ぎ強化していくことが、お客さまのお役に立つことを第一に考えられる次世代を担う「人財」の確保・育成につながり、社会に貢献できるものと信じております。

北川公彦

京都愛ある「人財」育成を目指して

北川公彦
株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸京都店長 執行役員

当社グループは、時代変化のスピードにいち早く応え、新しいニーズの芽を見つけ出すため、「くらしの『あたらしい幸せ』を発明する。」というビジョンを策定しました。社員の誰もがアイデアを具現化できる仕組みを導入し発明体質を企業文化として根付かせています。
京都は世界中の人が憧れる街。大丸京都店では、「古都ごとく京都プロジェクト(KKP)」を店内に立ち上げました。京都の文化・伝統・風習を大切に思い、超個性的店舗に生まれ変わるプロジェクトです。地元京都でこの先もずっと「大丸さん」と親しみを込めて呼んでいただくために、商品や接客だけではなく、まずは京都の知識を身に付け、咀嚼し、その価値を私たちなりの方法で提供する。そんな意思、意欲、学習力ある「人財」を育成することが重要と考え、2018年より「京都・観光文化検定試験」受験という学びのきっかけをつくりました。そこから興味が高まり、必要とされる「人財」が育ち、街と共に発展できると考えています。これは京都の企業が共通して抱く理想かもしれません。そんな京都愛溢れるすてきな未来の実現を、私は日々思い描いています。

久保貴義

「わが家」を世界一幸せな場所にする

久保貴義
積水ハウス株式会社 京都支店長

人々の生命や財産を守り、街並みや景観を生み出す積水ハウスグループの事業は、日本や世界における良質な住宅ストックの形成を担う非常に社会的責任が重い事業です。当社グループの従業員は、企業理念の根本哲学である「人間愛」(相手の幸せを願い、その喜びをわが喜びとする奉仕の心)の考えと「住まいを通して社会に貢献する」という気概を持ち、これを実践しながら、成長することが日々求められています。
世界的な気候変動や災害の増加、そして新型コロナウイルスの猛威など、未来が見通しにくくなっている昨今ですが、世界で一番多くの住まいを提供してきた企業グループとして、住まいを通じて、これらの社会課題を解決していくことが使命だと考えています。
積水ハウスは、本年8月に60周年を迎えます。次の30年を見据えて、「『わが家』を世界一 幸せな場所にする」というグローバルビジョンを掲げました。これまで追求してきた住まいの安全・安心・快適性をさらに高めつつ、住を基軸にハード・ソフト・サービスを融合し、お客さま、従業員、社会の「幸せ」を最大化する取り組みを推進してまいります。

佐々木喜一

「withコロナ」の時代に向けて

佐々木喜一
成基コミュニティグループ 代表 兼 CEO

約3カ月間、学校は休校を余儀なくされました。その間、「オンライン授業」の導入が盛んに議論されましたが、オンラインで学習した子どもは公立・私学合わせて約5%にとどまったという調査結果があります。
今年度の政府予算には「生徒1人1台パソコン」を実現するとして、2300億円の財源が確保されています。ICT教育推進のための準備があるにも関わらず、公教育によって用意されたのはオンライン授業が「できない理由」だったのではないでしょうか。しかし、全国5万教室と言われている学習塾は、その約半数が、双方向オンライン授業の仕組みを急ピッチで整え、実施しました。なぜ、「公」の施策は進まず、私教育の取り組みは進むのでしょうか。答えは明白で、経営者や従業員が子どもたちの学びを止めないため、そして保護者の信託に応えるため、必死だからです。子どもたちが最も伸びる時期に学びの機会を奪ってはならないのです。
これからの不確実な将来において、主体的・能動的に学び、課題解決能力を育むのが真の「教育」です。われわれはこれを肝に銘じ、これからの時代に対応した事業を行ってまいります。どうぞご期待ください。

廣江敏朗

新たな社会課題に思考展開で挑む

廣江敏朗
株式会社SCREENホールディングス 取締役社長(CEO)

SCREENは1943年に研究開発型企業として京都で誕生しました。現状に甘んじず、常に思考を巡らせ新しい事業や製品を創造し、果敢に挑む「思考展開」を創業の精神とし、独自の技術を多様化させながら製造装置ビジネスを展開してきました。その事業範囲は印刷からエレクトロニクスへと広がり、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)時代においても、当社の技術は世界の最先端で存在感を発揮し続けています。また、1989年に新しく制定された企業理念「未来共有」「人間形成」「技術追究」は、昨今話題になっているESG(環境・社会・企業統治)経営に通じるものと考えています。
新型コロナウイルスの影響により、世界経済は大変厳しい状況を迎えています。私たちはこの難局を新たな社会課題を解決する機会と捉え、技術革新で挑む「グローバル ソリューションクリエーター」として、持続可能な未来の実現に向けて全力で取り組んでいきます。ステークホルダーの皆さまからの信頼と期待に応えるため、京都にルーツを持つ企業の強みである、伝統を重んじながらも変化に強いビジネスを展開してまいります。

阿久津勝己

CSVマインドが企業成長へ

阿久津勝己
キリンビール株式会社 京滋支社 支社長

キリングループは、「世界のCSV(共有価値の創造)先進企業になる」ことをビジョンに掲げ、お客さま・社会とともに将来にわたり存続・発展するため、SDGs(持続可能な開発目標)を推し進め、特に「健康」「地域社会・コミュニティ」「環境」そして「アルコールメーカーとしての責任」を重点課題と設定し解決に取り組んでいます。
キリンビールは、グループ中核企業として、全従業員からCSVマインドがにじみ出るような組織風土醸成に取り組んでいます。「世のため人のために」そして「お客さまそして地域を一番考える会社になる」を常に意識し、CSVを全社員が自分ごととして日々の仕事に落とし込み、一人一人真剣に考え、前向きに実践することを目指しています。
「withコロナ時代」において、世の中の不確実性が続く状況であっても、そのピンチ(変化)をチャンス(機会)と捉えて、社員一人一人がCSVマインドをベースに、自己変革にチャレンジし続けていきます。こうした状況下だからこそ、キリングループ商品を通じてお客さまの「日常の幸せに貢献し、笑顔を広げる」思いを強く持ち、日々企業活動を実践していきます。

続木 創

コロナウイルス禍に思う

続木 創
株式会社進々堂 代表取締役社長

ご多分にもれず私ども進々堂もコロナウイルス禍に大いに翻弄(ほんろう)されています。ありがたいのは雇用調整助成金や融資の政府特例措置。そして何より会社の実情を理解し協力してくれる従業員たち一人一人に感謝しています。営業を続けているお店にお客さまがかけてくださる「こんな時に美味(おい)しいパンをありがとう」という声にも大いに励まされ、同時にパン屋の使命を再認識させていただきました。
当たり前と思っていた「移動の自由」や「集まる自由」が、私たちの生活と経済にとっていかにかけがえのないものだったかを思い知らされました。また、地球規模の困難に世界が協働して立ち向かうことの難しさ、グローバル供給網や観光立国に潜んでいた落とし穴、わが国行政のデジタル化の遅れなども見えてしまった現実だったのではないでしょうか。
今回の教訓や反省をバネに、コロナ後の世界が、日本が、そして京都が力強く立ち直ることを信じたいと思います。私ども進々堂も8月には待望の新工場を稼働させ、これからもどんな時にも、お客さまの命と心の糧となる美味しいパンを造り続けたい、そんな思いで毎日を過ごしています。

畑 正高

思い描く・未来へ

畑 正高
株式会社松栄堂 代表取締役社長

「三密」が悪とされてしまいました。密集・密閉・密接が感染症拡大につながるからです。経済活動に大きな支障をきたし、今後の歩みは多難なこと間違いなしです。
世捨て人、隠者、仙人・・・。能動的に人との接触を断ち切った生きざまも歴史の中には散見できます。でもやはり人間は、人と交わることで自らが人として生きていることを実感できます。放浪の旅に出た人も、やはり人との縁をいただき旅ができたのです。
人が寄り合うことに意味を見いだした歴史があります。東山文化の特質の一つは、寄り合うことで享受できる時空を、かけがえのないものとして見つめることでした。茶の湯・立花(りっか)・連歌・聞香(もんこう)といった芸道は、戦乱を避けて寄り合った人々が、座を敷き詰めた空間に立場を超えて集い、昇華していった足跡です。「一期一会」「一座建立(いちざこんりゅう)」「吾唯知足(われただたるをしる)」などの哲学を伝え、「市中山居(しちゅうのさんきょ)」という境地を教えてくれます。
人の世にあって山の中に暮らすかのような精神力を求めた人たちをおもんぱかり、デジタル技術なども駆使しながら、新しい寄り合いの境地を生むべき時が来ているのだと感じています。

古田基行

人の成長=企業の成長

古田基行
サントリー酒類株式会社 京都支社 支社長

新型コロナウイルスの感染により、亡くなられた方々のご冥福と、闘病生活を余儀なくされておられる方々のご回復を心よりお祈り申し上げます。また感染者の診断や治療にあたられている医療関係の皆さまに心から敬意を表します。
当グループの理念体系に「Growing for Good」というものがあります。当社の商品やサービスを通じてお客さまの生活文化を潤い豊かなものにし、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、自然環境をより良いものにしていく。それを実現していくために日々、企業として成長するという志です。いかなる時代にあっても企業が成長を追い求めることは当然ですが、社会との共生を前提とした成長でなければなりません。
この成長を支えるのがグループに集うわれわれ一人一人の人間力です。さまざまな価値観を受け入れながら、失敗や反対を恐れず、常識を疑い視点を変え、常により良く、お客さまや社会にとって必要なものを生み出そうとする前向きな姿勢。当グループのDNAである「やってみなはれ」精神です。この情熱と挑戦意欲に満ちながら、誠実で人間力豊かな「Good Person」こそがサントリーグループにとって必要不可欠な人材と考えています。

松井 雄

人に寄り添うのは、 人しかいない

松井 雄
株式会社公益社 代表取締役社長

新型コロナウイルスが原因の方をはじめ本年お亡くなりになったすべての皆さまに謹んでお悔やみを申し上げます。そして、日夜奮闘されている医療従事者の方々に心からの感謝をお伝えします。
今回のウイルス蔓延(まんえん)は、ご葬儀にも影響を与えています。感染防止のために参列できない。大切な人の顔を見ぬまま、お別れをしなければいけない。そんな悲しい状況の中にいます。同時に、各分野で激変が始まっています。葬儀業界も例外ではありません。終活や家族葬、人生100年時代…それらの新しい価値観以上の大きな変化が地域の慣習にまで及んでいく。変化との並走が試されています。私たちも、ご葬儀のネット配信・参列のためのシステムを準備いたしました。その鍵は、デジタルと私たちの財産である「人」との融合です。
公益社には、さまざまな人間がいます。お客さまのご葬儀で自分の親を重ね、思わず涙する者がいる。プロは泣くべきではない、と自らを律する者もいる。 「一人ひとり」の社員が「一人」の人間として、ご葬儀に、お客さまに向き合ってきました。人に寄り添うのは、人しかいない。その心を決して忘れてはいけない、と強く思う毎日です。

大倉治彦

明るい未来を自分たちで体現する

大倉治彦
月桂冠株式会社 代表取締役社長

私どもは380年以上の歴史がある非常に古い会社です。しかし、決して昔ながらの仕事をそのまま続けているわけではなく、常に新しい試みにチャレンジしてきました。伝統とは革新の積み重ねであり、それを体現してきた会社だと言えます。社員には、常に仕事を改善し、挑戦する気持ちを持ち続けるよう鼓舞しています。職場で先輩から教わり、マニュアルを読んで業務を遂行するだけでは仕事を覚えたことにはならず、覚えた仕事を自分で改善し、より良いやり方に変えることができて初めて一人前だと私どもでは捉えています。
令和の時代には大きな変化が起こる可能性があり、そのための新しいビジネスモデルを考え、会社も生まれ変わらなければなりません。どんな形に生まれ変わるかを一人一人が考える必要があり、会社は社員の考える力を支える。変化への対応で一番重要なことは、結局、人材の育成ということになります。これからの社会や会社に、何が必要かを真剣に考えることができる、そういう人材を育て、明るい未来を自分たち自身で体現していく、このような志を持って仕事を進めていきたいと思っています。

森島朋三

コロナ禍、問われる大学の存在意義

森島朋三
学校法人立命館 理事長

世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。私たち大学人がいかに行動できるかということへの責任を感じずにはいられない。14世紀にパンデミックを巻き起こしたペスト、そして第1次世界大戦下に起きたスペイン風邪、近年では重症急性呼吸器症候群(SARS)など、人類は恐怖を伴って記憶と史実を蓄積しているはずである。また、近時の経済状態は1930年代の世界大恐慌以来とも予測されている。
それにしても、人類は大切なことを「忘れ過ぎ」ではないか。歴史史料は必ずどこかに残されている。にもかかわらず、である。であれば、歴史をたどる重要性を多としつつも、先を見通す「想像力」そして「戦略性」を一層高めることが重要ではないか。新型コロナウイルスは「生存戦略」をもって生き延びようとしている。われわれ人類の「生存戦略」とどちらが優(まさ)るか、重大な瀬戸際である。人類は今、第4次産業革命の入口にあり、人工知能や生命科学分野などさまざまな研究分野で人類未踏の峰を築きつつある。問題は、誰がそれを総合し司令塔となって人類を救うのか、である。大学の存在意義が問われている。さあ、いますぐ行動しよう。

北尾和彦

強い意志で新薬創製に挑戦

北尾和彦
京都薬品工業株式会社 代表取締役社長

世界では新型肺炎で多くの人命が失われ、経済が大打撃を受けています。京都の伝統行事の都をどり、葵祭も中止になりましたが、このような中でも自然はいつものように桜や新緑の美しさで心を和ませてくれます。
今、日本をはじめ世界の製薬企業では、新型肺炎に有効な治療薬やワクチンの開発を急ぎ、一日も早い承認を目指しています。当社では、いまだ治療薬のない病気の新薬研究に注力していますが、山紫水明で伝統文化や歴史がありアカデミアが多い京都はそれにふさわしい都市だと思われます。
4月に入社した11人の新入社員には「人間は一人では成長できないので、会社という場の中で自分自身を成長させ、仕事を通して社会に報恩しなさい。 “私は京都薬品の社員である”から“私が京都薬品である”に心を転換し、無限の可能性を信じ、会社を自分の夢を実現する場と考えて、自主自立の精神で仕事に邁進(まいしん)しなさい」と話しました。
当社の社是は「和親協力・誠実報恩」です。今こそ、治療薬を待ち望んでおられる患者さんに希望を与えられるよう、強い意志と素早い行動で新薬創製に挑戦していきたいと報恩の決意を新たにしています。

松田  武

グローバル市民の養成に向けて

松田 武
京都外国語大学・京都外国語短期大学 学長

グローバル化に伴う多民族社会への備えが必ずしも十分とは言えない日本は、グローバル人材の育成が急務になっています。国家や民族などあらゆる障壁を乗り越え、普遍的な価値を見いだし、世界の諸問題を解決する人材養成のための「グローバル・シティズンシップ教育」が大学には求められます。まさに「言語を通して世界の平和を」という本学の建学の精神が具現化されるべき時であると考えます。
時代の要請に応えるべく教育の主柱である「コミュニティーエンゲージメント」は、国内外の多様な地域社会での活動を通じ、人間のグローバルな結び付きやそのあり方を学ぶ実践的教育です。学生はコミュニティーのメンバーと協働しながら、社会参加のスキルや自律性を身に付け、グローバル市民である意味を理解していきます。外国語を駆使し異民族と共生することは「思考を深める道」を見いだすことにつながるでしょう。
2018年4月に開設した国際貢献学部が先陣を切り、将来的には大学全体でこの実践的教育プログラムに取り組んでいきます。学園創立以来積み重ねてきた歴史の真価が問われる現在、私たちは困難な課題を進んで引き受け、新たな試みに果敢に挑戦します。

橘重十九

人事を尽くして天命を待つ

橘重十九
北野天満宮 宮司

中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に全世界に広まって人類を震撼(しんかん)させており、地球の狭さを実感するばかりです。「学問の神」菅原道真公を祀(まつ)る北野天満宮でも祥月命日の2月25日の梅花祭は滞りなく斎行できましたが、その後の祭事は大勢の参拝者の参集を避け、御本殿での神事に徹し、この厄災の終息を願って祈りをささげています。
「人事を尽くして天命を待つ」という格言があります。万策を尽くした上で、後は天の計らいに任せるというのが一般的解釈ですが、私はそこに祈りがなければならないと思っています。千年以上の昔、京の都でもさまざまな疫病が流行し、鎮静を神に祈りました。近代に入ってもスペイン風邪や香港風邪など、自然と共存して生きてきた人類の歴史は、一面ではウイルスとの戦いだったともいえます。
近代文明が発達し、世界のグローバル化が進んだ今、全世界の政治家・研究者・医師らが英知を絞ってこの未知なるウイルスを撃退すべく必死で取り組まれています。この危機から乗り越えられることを確信して天(天神さま)に祈る毎日です。

奥村浩二

地域社会と共に「東急グループ」

奥村浩二
株式会社京都東急ホテル 専務取締役総支配人

東急グループは交通、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートの4領域で、多様な事業を日本全国・海外で展開しています。各事業が相乗効果を発揮しながら、地域社会と共に発展し、持続可能な生活環境の創造を目指しています。
国内外27地区で組織される「東急会」では、グループ各社社員の地域社会への貢献を目的とした活動を約半世紀にわたり行っています。清掃活動や文化・スポーツイベントなど、さまざまな活動を通じて、社員と地域の皆さまとのコミュニケーションを深めています。
京都での活動の一例としては、狂言方大蔵流能楽師茂山忠三郎氏、フレンチの巨匠三國清三氏、映画監督中島貞夫氏らによる文化講演会や、京都サンガFCさまと共に親子サッカー教室などのスポーツイベントを毎年開催しています。今年度は残念ながら新型コロナウィルス感染症拡大防止のために活動は自粛させていただいておりますが、罹患された皆さまや影響を受けられている皆さまに、心よりお見舞いを申し上げますとともに、早期終息によりイベントを再開し、地域の皆さまにまた参加いただけることを願っております。

榊田隆之

寄り添う金融・つなげる金融

榊田隆之
京都信用金庫 理事長

当金庫は1971(昭和46)年に「コミュニティ・バンク」の理念を世に提唱して以来、地域社会の発展や豊かなコミュニティーの形成を皆さんと共に考え、実践してきました。
新型コロナウイルスにより世界中が混乱し、地域の皆さまにとってもその影響が甚大であると思います。このような時にこそ「雨の日に一本でも多くの傘を貸す金融機関」でありたいとする私たちの役割はますます重要であると考えます。
すべてのお客さまに資金繰りのご相談や返済方法の見直しをお伺いしてスピーディーに対応すること。住宅ローンなどをご利用の個人のお客さまからのご相談に臨機応変に対応すること。投資信託などのリスク資産を保有するお客さまにはご連絡をすること。いずれもこの時期、最も大切にすべき「Banker(バンカー)」としての基本姿勢であり、地域の皆さまから強く求められていると思います。
地域が一日も早く安定を取り戻すために、当金庫は「寄り添う金融」、「つなげる金融」の実践に専念してまいります。

土井伸宏

理念の変わらぬ実践

土井伸宏
株式会社京都銀行 頭取

私どもは創立間もない戦後復興期の資金逼迫(ひっぱく)の際、産業勃興を金融面で後押しすることで、多くの京都企業の成長に伴走しました。その後、お客さまと共に培ってきた高い健全性は、バブル崩壊後の金融変革期にいち早く広域展開を可能とし、174カ店の広域ネットワークを基盤とした高付加価値コンサルティング営業を展開する現在に至っております。私どもの歴史は一貫して「地域社会の繁栄に奉仕する」という理念に基づく経営の実践でございました。
新型コロナウイルスの拡大がわずか2カ月ほどの間に環境を激変させています。収束の時期を見通すことは難しく、たとえ収束したとしても経済の停滞がしばらく続くことも想定しておく必要があります。
このようなとき、あらためて私どもの理念に基づく経営の真価が問われます。4月からスタートした第7次中期経営計画「Phase Change 2020」は、今までの計画と異なり、4千人の全役職員が議論に参加し、一人一人の地域社会に対する熱い思いを反映させて創り上げたものです。私どもはその変わらぬ地域への思いと不断の努力により理念を体現し、お客さまの期待に応える銀行であり続けます。

志村雅之

「伝統を超える革新性」

志村雅之
京都鰹節株式会社 代表取締役会長兼社長

このスローガンは伝統だけにあぐらをかかずに絶えず危機感を抱いて新機軸に挑戦する姿勢と精神をうたっています。過去や伝統だけにとらわれていた守りの企業、商店は市場から消えています。京都発の企業、家業はあらゆる分野で「進取の気性」を持ち技術革新や新製品開発などに挑み発展してきました。
昨今はデジタル思考の時代ですが、同時にアナログ思考とのバランスが大切になってきたと思います。人の心、ニーズの変化をいち早くアナログ思考で分析し手段としてデジタル機能を取り込むことが次の時代を切り開いていく要素だと確信しています。この融合が高齢化社会に優しさ、安らぎ、生きがいをもたらすことにつながると思います。京都発の企業の伝統と革新の対比はアナログとデジタルのバランスにも通じ、かなりレベルの高いアナログ思考を身に付けることでデジタルとの融合が企業の発展に寄与するものだと考えています。内外の多難な時期にこの2つの思考を組み合わせ、指針をはっきり打ち出すことが企業人に求められることと思います。
弊社はこの精神と融合を大切にし、社会の発展と企業の永続に邁進(まいしん)していく所存です。

柿本新也

「Be」

柿本新也
柿本商事株式会社 代表取締役社長

私は、人間の一生を通して最も重要なことはその人の存在だと考えている。そしてそれはエコノミーとアイデンティティーがバランスよく調和していることだと思っている。しかし若い時はアイデンティティーにエコノミーがついてこないし、年を重ねてようやく経済にゆとりができた頃には、気力も体力も落ちている。
私としては60歳を過ぎてもまだまだ今の人生に納得できないので、2年前に友人・知人約20人に声をかけて「気まぐれ同人誌」を発刊することにした。最初は「何を書いたらいいの」と聞いてくる諸氏に「アイデンティティーだよ」と言うと「分かった、それなら書くわ」と返してくる。最初は書けるのかなぁと言っていた人が、創刊号を見ると、「次いつできるんや」と聞いてきて、連載物になっている。今回第4号を出版するから、年2回の刊行ということになる。
文章を書くことは、この世の中で一番難しいと亡き京都大教授が私に言ったことは、今でも脳裏に焼き付いている。上がってきたゲラを2回も3回も校正して、やっと校了になるところを見ると、投稿者全員のアイデンテイティーになっているのは間違いない。

中村直樹

仲間と感謝

中村直樹
株式会社オンリー 代表取締役社長

当社ではお客さまや取引先さま、社員など会社に関係する全ての方を「仲間」だと考えています。この仲間であり続けるには相手に「正直」でなければなりません。
当社はスーツを中心とする紳士婦人服の製造販売を業(なりわい)としていますが、その中で大切にしていることは、価値ある良い商品を真心込めてお客さまにお届けするという、私たちが考える「正直な商売」を行うことです。そして、これを支えてもらっているのが社員など会社に集う「人」であり、この人が他の人と良好な関係を保つことで正直な商売が成り立ち、お客さまとも仲間の関係を築くことができるのだと思っています。
そのためには、何事に対しても感謝の気持ちを表現することが大切との思いから、当社では行動理念の中に「感謝」と「笑顔」を掲げています。感謝する気持ちがあれば、自然と笑顔が出てきます。
私たちは全てのお客さまの最良な仲間であり続けられるよう、常に感謝の気持ちを忘れず今後も努力を続けていきます。

木越 康

「愚者」への目覚め

木越 康
大谷大学 学長

「もし愚者が自ら愚であると考えれば、すなわち賢者である」。「ダンマ・パダ」という経典に記録される、ゴータマ・ブッダの言葉である。世界中の人々に多大な影響を与えるブッダ。いったい何を悟り、伝えようとしたのか。真理を悟った人、縁起の道理を説いた人、さまざまに表現されるが、結局ブッダは「人間はこのままではいけない」ということに目覚め、説こうとしたのだともいえる。
望むものを手に入れようとする欲望と疎ましいものを排除したい衝動が、これまで世界の発展をけん引してきた。しかしそれによって私たちはどのような進化を遂げ、何を発展させてきたのだろう。各人・各国に個別の欲望は、世界に格差と争いをもたらし、決して平穏を与えることはなかった。そのような愚かな人間に、ブッダは「このままではいけない」と説くのである。
一つの地域の苦悩と混乱があっという間に世界中へと拡散する現代、痛みを共有して、世界は一つにならなければならない。己の幸福のみを追求することの愚かさに目覚める賢者となって、共に支え合う道を模索しなければならない。それが私たち人類にとっての、真の発展なのだろう。

大垣守弘

時代を変化させられる人材

大垣守弘
株式会社大垣書店 代表取締役社長

弊社は、おかげさまで、ことし創業78周年を迎え、中長期経営計画のスローガンとして「百年書店」を掲げています。これは単にこれからの20年余りを永らえるということではありません。「地域に必要とされる書店でありつづけよう」という社是を常に実践するために、変わりゆく社会に対して絶えず変化し続ける決意と考えています。一方で、もはやそれで追い付いていけるのか、というくらいに、これから先に予測される時代の変化のスピードの速さには不安さえ覚えます。
そんな中にあって、弊社は社会の流れの変化に対応できる人材はもとより、変化そのものを生み出すような人材を求めたい。未来を予測し、さらにその先へ踏み込める人材といえば聞こえはいいですが、反面そこにはリスクが見え隠れします。しかし、失敗というリスクを回避して、先へ踏み込むことができるでしょうか。 先人たちが、失敗を繰り返しながらも時代の先端を切り開いた例は、多くの書物をひもといても明らかです。書物を通じて先人たちの知恵を学び、「時代の変化のうねりをつくることが喜びだ」と言い切れるような人材に期待しています。

松尾一哉

「当たり前」を変える人

松尾一哉
大阪ガス株式会社 理事 京滋地区総支配人

企業には「不易と流行」、すなわち、「変えてはならないもの」と「変えていくべきもの」があります。創業以来113年、当社にとって不易なるものは、「サービス第一」という社是であり、「暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループであり続ける」という理念にほかなりません。
一方で、当社にとっての流行なるものは環境変化への対応であり、明治期にガス灯事業を始めて以来今日まで、照明用から燃料用、発電用へのガスの用途開発、工業用・業務用から家庭用までのガス機器・設備開発の連続でした。そして、現在の電気・ガス小売り全面自由化は、エネルギー業界にとってかつてない大きな変化であり、従来の前提や常識が変わる中で、当社は自由化後の「当たり前」を変えるべくチャレンジしています。新しい「当たり前」を創り出しても、すぐにまた古い「当たり前」になっていきますので、「できた」と思った瞬間から、新たな課題への挑戦が始まります。
そのため、当社が求める人物像は、不易なる理念を貫きつつ、従来の「当たり前」を変えることに挑戦し続ける人、このように言うことができます。

栗和田榮一

多様性のある企業風土

栗和田榮一
SGホールディングス株式会社 代表取締役会長

当グループは1957年の創業以来、お客さまのために何ができるかを常に考える「飛脚の精神(こころ)」を原点とし、60余年にわたって物流事業を展開してまいりました。近年ではグローバル化の進展やIT技術の進歩などを背景に社会環境は大きく変化し、ステークホルダーの皆さまからの私たちへの期待も、多様化、高度化していることを実感しております。
多様化するニーズにお応えし続けるために当社グループが取り組んでいるのが、ダイバーシティの推進です。多様な価値観を認め合うことで、個々の能力や感性を生かし、新しい価値を生むことにより、お客様に満足をお届けできると考えているからです。
少子高齢化のますますの進展や働き方改革の推進により、これからは今まで以上に物流サービスの多様化が求められる時代になると理解しております。決まった日時にお届けするだけではなく、トータルロジスティクス機能の強化を軸としたソリューションという付加価値をお客さまにご提供させていただける、そんな企業を目指してまいります。

安元裕之

自ら考え行動する人材

安元裕之
アサヒビール株式会社 理事 京滋統括支社長

アサヒグループは、2019年1月に新グループ理念 「Asahi Group Philosophy」を制定しました。グループのミッションとして「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」を掲げ、世界のグループ社員と理念を共有し、持続的な企業価値向上を目指しています。
この理念のもとに、アサヒビールでは「お客様の最高の満足のために お酒ならではの価値と魅力を創造し続ける」を長期ビジョンに制定し、その実現に向けて全社員がお客さまの立場に立ち、高い目標に向かって挑戦し続けています。 これを達成するために当社では、①自ら課題を見つけ、挑戦し、やりきる力を持ち合わせている。②組織やチームに積極的に働きかけ、影響力を与え、貢献できる。③コミュニケーションに長けていて、信頼を置かれ、周囲に刺激を与え、けん引することができる。この3点を特に重視しています。酒類事業が厳しい環境に直面する中、変化に素早く対応し、多様なニーズに応え、お客さまの満足を追求していくために、自ら考え行動する人材、個人の成長を組織の成長につなげることができる人材を育成することが重要だと考えています。

福井正憲

世界一の「アナログの都」を築く人材

福井正憲
株式会社福寿園 代表取締役会長

人間は相反するものを求めるものです。今や物質的な科学技術だけでなく精神的な文化芸術の分野までデジタル化が進んでいます。このデジタル社会の数字的、「階段的」思考の時代にこそ、アナログの連続的、「ウェーブ的」思考が必要です。
デジタルな数字で解決する仕事はAI(人工知能)やロボットで事足り、人間の仕事には、綿々と受け継がれてきた歴史の連続性に基づくアナログ思考が求められます。さらに、AIやロボットが思い付かない想定外の事態には、思考の飛躍や、逆転が必要です。そのために「百聞は百見に如かず」で常に見聞を広め、「自分の目で見、自分の足で歩き、自分の心で感じる」ことが大切です。デジタル社会は論理的な個性の組み合わせで成り立つものです。それに対し、人間は、自分だけの“物差し”をしっかり持つことが求められます。特に、1200年の都で、その中心に天皇を頂き王朝文化の華を咲かせてきた京都は、世界一の「アナログの都」となるべきだと思います。できるだけ多様なものに触れ、何でもいいから「これをやったら世界一」と胸を張れるものを一つ見つけてほしいと思います。

上原晋作

「先義」を実践し、お客さまを笑顔に

上原晋作
上原成商事株式会社 代表取締役社長

当社は「先義後利」を旨とし、お客さまに対して誠意をもって接すること、正直であること、お互い笑顔になることの三つが「先義」であると解釈しております。それを実現するために、常に現場主義に徹し、お客さまとFace to Faceでのお付き合いを心がけてまいりました。今後ともリアルな接点を大切にし、先義の実践にこだわり続け、肌で感じたお客さまのニーズの変化をチャンスと捉えて日々変革に挑戦してまいります。その積み重ねがあってこそ、当社はお客さまを笑顔にする会社であり続けることができるのだと信じております。 世間を見回してみますと、ネット社会の到来は、情報の量と速度を別次元の水準にまで引き上げ、随分と私たちの知識欲を充足させてくれるようになりました。一方で情報の質という観点から見た場合に、言葉が何か記号化してしまい、言外の思いをくみ取る力が欠けてきたように感じないでしょうか。現代の情報ツールを活用しながらも美しい言葉で感情を伝え合い繊細な感受性をしっかりと育んでいくこともまた、当社が先義を果たす上で、重要な課題であると思っております。

田中恆清

祈りの心の継承

田中恆清
石清水八幡宮 宮司

石清水八幡宮は平安時代の創建以来、平安京を守護する王城鎮護の社として人々からあつく崇敬されてきました。まさに千年の永きにわたり、当宮は国家の安寧と平和を祈り続けてきたのです。
神社で行われる祈りとは、古来共同体での神々への祭祀(さいし)を意味してきました。いにしえより日本人は、鎮守の杜に集まり神々への祈りを捧げ、自然の恵みに感謝して皆で助け合いながら日々の生活を慎ましやかに営んできた民族であります。日本人の祈りの心の根底には、自分以外の家族や他者をいたわり思いやる心が流れているはずです。現在でも、初宮参りや七五三参りなど、子どもの健やかな成長を祈るため、多くの人々が神社を訪れます。
共同体への帰属意識が弱まり、他者とのつながりが希薄となっている現代社会においてこそ、日本人が受け継いできた「祈りの心」を未来へ継承していっていただきたいと切に願っております。自分さえ良ければよいという考え方ではなく、思いやりや優しさなど、人と人とを結ぶ心を、次世代の人々には大切にしていただきたいと思います。そのことを伝えていくことがこれからの神社の重要な役割であると信じております。