賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

経済面コラム
 

Promise for the future

上原晋作

叱られて80年

上原晋作
上原成商事株式会社 代表取締役社長

私は常々、「好き」の反対語は「嫌い」ではなく「興味がない」であり、「好き」と「嫌い」は一対で表裏の関係であると思っています。興味がなければそもそも好きも嫌いもありません。
日々の仕事の中では、お客さまからお叱りの言葉を頂戴することがありますが、それは私たちの提供する商品やサービスにご興味をお持ちいただいているからこそであり、そこではニーズの存在が前提となっています。お叱りは、ご興味とニーズをお持ちの方々のご期待に、私たちがきちんとお応えできていないことの表れですから、より良いサービスをご提供するための大事なヒントとして真摯(しんし)に受け止め、ご納得いただけるレベルにまで引き上げる努力をすればよいのです。
お客さまからお叱りの言葉でもって「嫌い」をぶつけていただきながら、当社も今年で創業80年を迎えることができましたが、私たちは決して逃げることなくそれらを「好き」への成長の原資としてまいりました。そしてこれからもお客さまのご期待に沿えるよう常に感謝の気持ちを持ってお叱りを承りたいと思っております。
でも、どうかお手柔らかに。

西山雄一郎

「すべてのお客さまに、最高の明日を」

西山雄一郎
アサヒビール株式会社 理事 京滋統括支社長

本年、アサヒビールは「ビールの魅力向上と新たな価値の創造で“すべてのお客さまに、最高の明日を。”お届けする」ことを事業方針に掲げています。
「マルエフ」の愛称で親しまれる「アサヒ生ビール」では、2月から中瓶と250㍉㍑サイズの缶を通年で発売しラインアップを充実しました。「マルエフ」と「アサヒ生ビール黒生」を1対1で混ぜる「ハーフ&ハーフ」や2対1で混ぜる「ワンサード」といった飲み方提案にも力を入れ、手軽に楽しめる機会を拡大していきます。主力の「スーパードライ」は、本年開催されるラグビーの2023年ワールドカップ(W杯)フランス大会の大会オフィシャルビールです。「スーパードライ」を通してお客さまと“気持ち高まる瞬間”を分かち合っていけたらと考えています。
また、アサヒビールはお酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる社会の実現を目指し、飲み方の多様性を尊重する「スマートドリンキング」を推進しています。本年からは「飲めても、飲めなくても、みんな飲みトモ。」を新たなキーメッセージとし、お客さまがもっと自由に楽しくお酒を選択できるような提案を強化していきます。

篠田 潤

人生を育み、景観に美を添える住宅

篠田 潤
アーキテクチャーリンクライフ(ALL)株式会社 代表取締役

Architecture(建築) Link(つなぐ) Life(人生・生活・命)。「お客さまの人生や暮らしと住宅建築をつなぐことが私たちの使命」という思いを込めた社名です。住宅というのは街並みの一部として存在し、家族の暮らしを育む人生の器だと思います。住むほどに愛着が増し、暮らしが豊かに熟成されますように。景観に美しさを添え、京都の街並みになじみますように。そんな願いが私たちの家づくりの軸になっています。
一人一人のお客さまと向き合いながら、完全に自由なスタイルで自社設計し、自社で現場の管理を行い、アフターメンテナンスまで責任を持ってご対応するのが私たちの家づくりです。本物の素材にこだわり、伝統的な美に現代的な感性を加え、職人の技を駆使して、住宅を設計し建築しています。
本能寺会館に事務所を開設して今年で21年目を迎えます。振り返ればたくさんのお施主さまやスタッフ、職人たちと共に、数々の物語を紡いできました。それら全てが私たちの誇りであり財産です。これからも技を磨き、感性を研ぎ澄まし、新たな物語を生み出していきたいと思います。

田中恆清

和の心をもって、世界の平和を祈る

田中恆清
石清水八幡宮 宮司

本年でコロナ禍の生活もはや4年目となりましたが、世界へ目を向ければ、戦争の勃発や自然災害の発生など、心を痛める出来事が数多く起こっています。また国内では、SNS(会員制交流サイト)などでの誹謗(ひぼう)中傷によって、尊い命が失われる事件も毎年起きています。
この困難な時代の中で、神職として何かでき得ることはないかと考え、改めて日本古来の精神でもある他者を思いやり共に協力して生きていく「和の心」の大切さを、世界へ発信していく時であると思うのであります。自然災害が発生した時に、皆で助け合い励まし合う日本人の姿は、まさに「和の心」の実践であり、世界中の人々が称賛し、見習うべき国民であるとして高く評価されています。
他国への侵略や昨今のSNSでの誹謗中傷も、人々の他者への攻撃心、すなわち他者を軽視して、自分さえ良ければそれでよい、という独善的な心に端を発していると思います。
今こそ他者への思いやりや優しさを、神道の精神である「和の心」と共に発信し、世界平和を希求していきたいと強く願っております。