賛同企業代表者 文化人 特集・未来へ受け継ぐ
経済面コラム

経済面コラム
【未来との約束2024】~京都の未来企業・団体~

Promise for the future

横田さくら

共創・協奏で、未来をひらく

横田さくら
西日本電信電話株式会社 京都支店長

「つなぐ」 そして 「ひらく」 新しい世界のトビラを。
私たちNTT西日本グループは、このパーパス(存在意義)に掲げる通り、持続可能な社会の実現に向けて、重要な社会インフラである通信をつなぐ使命と、ICT(情報通信技術)を活用した社会や産業の課題解決に取り組み、新しい価値を生み出す挑戦を続けています。
一例として、人手不足解消に向けた自動運転EV(電気自動車)バスソリューションや、森林・林業DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した地域の脱炭素化の支援、食品ロスの課題に取り組む地域食品資源循環ソリューションなど、さまざまなプロジェクトをサステナビリティー(持続可能性)の視点で進めています。
京都は、悠久の歴史と文化を大切にしながら、常に新しいものを創造し続ける都市です。私たちも地域社会の一員として、京都の通信基盤をしっかりと支え続けるとともに、パートナーの皆さまとの「共創・協奏」により新しい価値を生み出し、「ウェルビーイング=持続的な幸せ」が連鎖する社会の実現に力を尽くしてまいります。

河内 誠

真心のアップグレード

河内 誠
株式会社ロマンライフ 代表取締役会長兼CEO

先日、社員旅行でのすてきなエピソードの報告がありました。宿泊先のホテルでの出来事です。夕食後の飲み物がコーヒーでしたが、その社員は飲めない旨を伝えて紅茶に替えてもらったそうです。すると翌朝の朝食の飲み物が自然に紅茶に変更されていたと笑顔で話しておりました。お客さまの翌朝に思いをはせ、お客さまの好みを朝のスタッフに伝えるというホテル側の誠意に感動した本人は、自身の接客意欲の向上につながったと周囲に熱く語りました。優しいエッセンスの入った紅茶は、さぞ格別な味であったろうと想像できる心温まる土産話でした。
環境や経済が目まぐるしく変化し、知識を得る手段として、AI(人工知能)やデジタルが主流になりつつある今だからこそ、人間の情や温かみというお金で買えない価値に気づき引かれていく時代なのだと考えています。日本ならではの四季を五感でお喜びいただけるような商品開発とともに、いつお越しいただいても、どこか懐かしく居心地良く感じていただける接客を、さりげなくアップグレードしていきたいと熱望し、ロマンライフ一同、今後もハートフルにバージョンアップしてまいります。

徳田昭雄

立命館のイノベーションの“カタチ”

徳田昭雄
学校法人立命館 副総長

立命館が推進するイノベーションの実践思想の一つに「グラスルーツ(草の根)・イノベーション」があります。 その心は、社会的インパクトの創出に向けて、課題解決を必要とする人々や地域に寄り添い、産官学と市民が共に研究シーズやアイデア、そして何よりインパクト創出への情熱を「社会に根付かせる」ことにあります。
立命館には、その担い手である社会起業家に対する支援プラットフォーム(RIMIX(リミックス))が組み込まれています。特徴の一つは、「ソーシャルインパクトファンド」の設立で、これを通じて、社会起業家の活動を資金の面でも支えています。最近、16社目の出資が完了しました。この企業は人工知能(AI)を活用したトレーニングメソッド(手法)を通じて、ウクライナからの難民や国内のシングルマザーに対する「インパクトソーシング」(持続可能な雇用創出と社会課題解決を目指す事業委託)を推進しています。「誰もがありのままに、どこからでも働ける未来の実現」を、彼らは目指しています。
立命館は、社会的インパクトを創出する社会起業家と共に歩み続け、イノベーションの「立命 WAY」をしっかりと形作ってまいります。

矢野裕典

地域医療と街づくりに貢献する

矢野裕典
洛和会ヘルスケアシステム 理事長

洛和会ヘルスケアシステムは、洛和会丸太町病院(京都市中京区)、洛和会音羽病院(山科区)をはじめとした5病院をコアに、医療・介護・保育・障がい福祉の各分野でサービスを提供しています。私たちは「やさしい社会を創造する」をパーパス(目標)に掲げ、地域医療と街づくりに貢献しています。この理念の下、私たちは共に活躍してくれる仲間を募っています。新しい取り組みとして6441人の全職員が働きやすい職場づくりを積極的に行っています。例えば、本来業務と両立する形での副業・兼業を解禁しました。同性パートナーシップ制度を導入し、男性育児休暇も推進しています。心身ともに健康でいられ、働きたいと思う職場を築く取り組みが認められ、経済産業省が認める「健康経営優良法人2024」の上位法人「ホワイト500」に選定されました。今後、私たちは患者さん、利用者さんに提供する食事の充実、農業への取り組み、そして地域を支える交通へのサポートにも取り組みます。そのためには、若い方の自由な発想や力が必要です。洛和会は、日本一働きたいと思われるヘルスケアグループを目指して、限りない前進を続けていきます。

小屋松徹也

人とつながる日本生命京都支社

小屋松徹也
日本生命保険相互会社 京都支社長

日本生命は、1889年に創業してから135年間、「社会」「企業」のサステナビリティー(持続可能性)の両立に取り組んできました。すなわち、企業活動を行う上で土台となる地域社会を大切にし、その課題解決を通じて、地域や日本全体の持続的な成長に貢献し、日本生命の成長・発展につなげていくということです。
京都には、創業の翌年である1890年に全国で初めての支社を開設し、現在に至ります。今年は「人とつながる京都支社」をスローガンに、京都の地の「健康・長寿・安全・安心・文化」の促進に向けた、さまざまな取り組みを支社全体で進めています。
現在、地域の皆さまと共に一層、未来につながる活動を進めていきたいとの思いから「ニッセイサステナプロジェクト“にっせーのせ”」を始動し、がん検診受診勧奨活動を展開しています。
コロナ禍を経てデジタル活用が進みましたが、当社がこれまで大切にしてきた「対面(リアル)」と「デジタル」を融合することにより、一人一人の職員の顔が見える活動とすることを意識して、「誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会」に向けて、これからも全力で取り組んでまいります。

粂田晃稔

移動における価値の追求と創造

粂田晃稔
彌榮自動車株式会社 代表取締役社長

当社は明治末年に創業し、1945年に京都市内の全てのハイヤー会社を戦時統合してヤサカグループ本社となる彌榮自動車株式会社を設立。タクシー・ハイヤー事業、観光バス事業、路線バス事業、旅行事業、エネルギー事業、不動産事業、トヨタ系ディーラー事業の7業種16社を展開しています。社員一人一人が個性を発揮して伸び伸びと仕事をすることで、お客さまに喜んでいただき、地域社会に貢献することができます。シンボルマークである三つ葉のクローバーが意味する「安全」「快適」「信頼」をお客さま・従業員・地域社会への「三方よし」の理念として実現したいと思います。
創業以来、京都を基盤として100年余りにわたって先人たちが積み重ねてきたもの、その本質を紡ぎ出した取り組みのテーマが「移動における価値の追求と創造」です。本物のおもてなしの心とキャリアを磨くことができる体系的な仕組み作りやタクシー・ハイヤーとトヨタ系ディーラーの連携など、ヤサカグループならではの取り組みを具体化していきます。
時代を超えて五感で選ばれる「価値の追求と創造」に社員と共に邁進(まいしん)したいと思います。

中島規巨

豊かな社会の実現に向けた挑戦

中島規巨
株式会社村田製作所 代表取締役社長

ムラタは、電子部品を中心に独自の製品を供給し、文化の発展に貢献することを目指す会社です。主力のコンデンサーをはじめ、インダクター(コイル)、フィルター、リチウムイオン二次電池、センサーなどの部品やそれらを組み合わせたモジュールなどはスマートフォンやPCといった身の回りのあらゆる電子機器に用いられています。
2030年のエレクトロニクス産業における世界観は、サイバー空間とフィジカル空間がAI(人工知能)で結び付けられると考えています。通信、モビリティー、環境、ウェルネスといった拡大する事業機会において新しい価値を提供していくために、ムラタは社会課題解決におけるキーワードを①軽薄短小②低消費電力・低遅延③高品質・高信頼④通信規格の進化・通信の堅牢性―の4つを設定して「Innovator in Electronics」としてチャレンジし続けます。さらに、再生可能エネルギー100%利用の工場づくりに取り組むなど、社会との調和を考えた動きを加速させていきます。ムラタのイノベーションで社会価値と経済価値の好循環を生み出し、豊かな社会の実現に貢献していくことを「未来との約束」とさせていただきます。

白波瀬 誠

変革と挑戦で、未来創造

白波瀬 誠
京都中央信用金庫 理事長

地域に根ざす金融機関にとって、お客さまの販路拡大の機会や新たなビジネスチャンスを創出することは、企業の成長や地域経済活性化の点で、重要な役割の一つです。異業種交流の複合イベントには、新たなアイデアやイノベーションとの出会いなど、何かが「変わる」「はじまる」といった期待と興奮で心躍らせるものがあります。
当金庫は、10月9、10日の2日間、京都パルスプラザで「中信ビジネスフェア2024」を開催します。36回目となる今年は「出会い つながり イノベーション~価値創造で輝く地域~」がテーマです。今回は、最新のテクノロジーやソリューションを紹介する「イノベーションゾーン」、被災地域である北陸地区の信用金庫の取引先をご招待した「北陸・能登応援ゾーン」など、360を超える企業・団体に出展いただきます。本フェアのみならず、金庫とグループ会社が連携したグループシナジー(相乗効果)を最大限発揮し、事業の成長支援に最適なソリューションを提供いたします。これからも、輝かしい未来の創造に向けて変革と挑戦を続ける地域の皆さまと共に、サステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献してまいります。

佐竹力總

「味は三代」

佐竹力總
株式会社美濃吉 代表取締役会長

昔から「味は三代」と言われます。時代の変化が早い中でも、人間の味覚は保守的で変化が遅いという意味です。それほど味覚は生まれ育った環境から強い影響を受けるということが「身土不二(しんどふじ)」という言葉にも表れています。1932年に書かれた美濃吉の季刊誌「味暦(あじごよみ)」の記事でも「禮記(れいき)に冬季には濃厚な物を、夏季には淡白な物を好む。春は酸味、夏は苦味、秋は辛味、冬は鹹味(かんみ)(塩け)を多くすること」とあり、日本の気候や風土が日本人の味覚と結び付いていたことがわかります。
いま日本人に定着しているすしや天ぷら、そば、うなぎといった和食は、江戸時代中期からの食べ物で、従来の料理に長年にわたって編集と修正を加え、巧みに昇華させてきたものです。重要なのは、IT・製造業などの技術革新と、こうした広く好まれる料理づくりの速度は抜本的に違うということです。人間は未知の食には不安を感じるため、誰もが好む持続可能な料理づくりには教育と同じ百年の計が必要です。そのためにも、千年の歴史に育まれてきた「丹精」と「洗練」の京料理を多くのお客さまにご賞味いただくことを目指しています。

戸島耕二

「3KATSU」の提唱

戸島耕二
株式会社増田医科器械 代表取締役会長兼社長

よく「企業は人」「人は石垣」と言われる。当社は多様な「人財」に活躍してほしいとの思いから「3KATSU」を提唱している。「女性」「ベテラン」「若手」の活躍だ。彼らが活性化し、他のセグメントに飛び火することも狙っている。自分たちが主軸との自負があり、意識の高い社員は、他に勢いがあって、しかも少数のセグメントが勃興してくると自発的に心に火を付ける。このように組織にレバレッジ(てこ)を効かせ、活力のある組織になることも期待している。
3KATSUの企画メンバーはやりたい人こそ適任者と考え、公募で選任した。例えば女性活躍プロジェクトは女性だけではなく、多様性を重視し、多文化の発想で練り上げてほしい。2028年の100周年を目途に、女性活躍では部長職を3人、課長~係長級を10人増、ベテラン活躍では年齢に代わる役職退任基準の設定、若手活躍ではジョブチャレンジ(希望する部署への異動を応募する制度)や早期登用、公平でオープンな登用制度を検討する。緒に就いたばかりだが、メンバーは当事者意識を高く持って取り組んでいる。未来を期待させてくれる人財にあふれる会社にしたい。

伊藤真宏

明日へ

伊藤真宏
佛教大学 学長

スマホは、私たちがかつて夢見た「未来」を象徴する道具であると感じている。どこでも連絡が取れ、何でも調べられ、あらゆることが手のひらの中で完結する。1970年の大阪万博で展示された「未来」に、私たちは希望を抱きわくわくしたものだが、スマホはそれらを凌駕(りょうが)しているように思う。
「未来」が現実のものとなり、便利な道具を手に豊かな時間を過ごせるようになった一方で、見通せない明日に希望が持てず、不安を抱くことの多い昨今である。源平の戦いの頃、戦乱や天災の中で、死が身近に迫り絶望の淵に立たされる人々に法然上人は、死で全てが終わるのでないことを説き、多くの人を救済した。未来に希望を託すことが、生きる力を与えることにつながったのであろう。ありのままの自分を見つめ、その自分が今できることをやっていくこと、そしてその積み重ねが未来へとつながることを示された法然上人。その精神を受け継いで、佛教大学は、今、自分にできることをやり、未来を歩む力を身に付け、希望を胸に周りの人と明日に向かって着実に歩んでいく、そういう学生を送り出す教育機関として、あり続けたい。

山口 渉

地球上の笑顔の回数を増やしていく

山口 渉
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 京都支社 支社長

富士フイルムグループは今年、創立90周年を迎え、グループパーパス(存在意義)を「地球上の笑顔の回数を増やしていく」と定めました。弊社は写真事業に始まり、人々の笑顔と「一瞬の輝き」をずっと見つめてきました。市場環境の変化の中で、フィルムからヘルスケア事業、複合機からビジネスイノベーションへと事業領域を拡大していますが、これからも人々に寄り添い、志を持ってグループパーパスの実現に努めてまいります。
京都は世界中からたくさんの方が訪れ、日本の良き文化・魅力を発信する起点であり、古くから革新的な産業技術を創出してきた場所です。
弊社は京都・滋賀の地におきまして、ビジネスの領域で複合機を起点に、ペーパーレス化からテレワークの推進、申請・契約業務のシステム化などお客さまのご要望にあった「DX(デジタルトランスフォーメーション)」をご提案します。等身大のDXを取り入れることで、クリエーティブで活力あるビジネス環境づくり、さらには持続可能な、魅力的で笑顔あふれる京都の街づくりのお手伝いをしていきたいと思っています。

園田修三

無限の可能性を追求

園田修三
福田金属箔粉工業株式会社 代表取締役社長

福田金属箔粉工業は1700年に創業以来、金属の箔(はく)と粉に特化して事業を行ってきました。かつては美術・工芸用途向けが中心でしたが、時代の変化に応じ、現在は自動車、電子機器、建築などの幅広い産業分野に金属の箔と粉を提供しています。
近年、通信の高速化やデジタル化の加速、EV(電気自動車)の普及に伴い、二酸化炭素(CO2)削減への取り組みなど、人々の利便性向上と社会の持続性の両立のためにわれわれが対処すべき課題は多く、日々その複雑さは増しています。そのような中で、弊社は、高機能素材の研究、生産体制の強化に力を注ぐとともに、環境配慮型の金属樹脂複合パネルの発売や、製品原材料へのリサイクル材の使用など、持続可能なものづくりを目指し、積極的に取り組んでいます。
私は普段から、「成功は挑戦と失敗の積み重ねから生まれる。失敗を恐れず、小さなことからでも、自分の可能性を信じて新たなことにチャレンジしよう」と呼び掛けています。人と素材が持つ無限の可能性を信じ、金属箔粉のスペシャリストとして、未来に向け挑戦を続けてまいります。

福井正憲

明日の地球に京の「道の文化」が輝く

福井正憲
株式会社福寿園 代表取締役会長

未来には、人間がものづくりの仕事をしなくてもよい時代がやってくるようです。人間は集団の国家や社会をつくり、競争や分業社会をつくり、生産性第一の地球社会をつくってきました。しかし、これからはものづくりに人はノータッチでAI(人工知能)や情報技術、さらに仮想空間上の社会にものづくりは任せ、競争や争いのない、平和で楽しい人間社会になると思います。小生の好きな世界旅行も、宇宙旅行として他の天体へと旅の楽しみが広がり、また時間軸でも過去や未来の世界へと旅ができるようになるでしょう。実際に旅をしなくてもメタバース(仮想空間)で旅ができ、大きく未来が広がっていくと思います。このような未来の地球社会で京都を大きく輝く存在にしたいと思います。京都は他に例を見ない「道の文化」を持ち、育ってきました。1杯の茶を飲むにしても、「茶道文化」があり、衣食住全てに「道の文化」があります。このようなところは地球社会で他にないでしょう。人類が人生を楽しむ、京の道の文化が明日の地球人社会をリードします。いま福寿園が挑戦している、「福寿園宇治茶街道を行く」がその一翼となればと願っています。

岸田 聡

サステナブルな成長に向けて

岸田 聡
株式会社日立製作所 京都支店 支店長

継続する為替の変動や金利の上昇、中長期的な地政学リスクの高まりや国際環境の不安定化など、近年の複雑な政治・経済情勢の変化とともに、社会の急速なデジタル化により私たちの事業環境も日々変化しています。また、グリーン社会への移行は、おそらく産業革命以来最大のグローバル規模での変革です。こうした社会課題がより多様化・複雑化する中、事業や分野単独では解決できない課題が増加しています。
私たち日立は、データとテクノロジーでお客さまと共にサステナブル(持続可能)な社会を実現し、人々の幸せを支える社会イノベーション事業に注力しています。日立の強みであるIT、OT(機器制御技術)、プロダクト(製品)を組み合わせた独自技術でお客さまと共に社会課題を解決することで、さらなるグローバルな成長を目指しています。エネルギー、交通・物流、金融、政府・地方自治体、通信・メディア、製造といった分野のお客さまの事業成長とともに、私たち日立グループは、引き続き「地球を守ることと、一人一人のウェルビーイングが両立する未来を実現する」ため社会課題の解決を目指します。

依藤慶太

創立100周年に向けて

依藤慶太
野村證券株式会社 京都支店長

野村ホールディングスは、2025年12月に創立100周年を迎えます。大きな節目を迎えるにあたり、本年4月に野村グループのパーパス(存在意義)として「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」を策定しました。当社の企業価値向上と、社会全体の持続的成長は、同じ道の上にあると考えています。どちらかに偏ることなく、取り組むビジネスの結果として、社会課題の解決に寄与すると同時に、きちんと収益を生む。だからこそ、そこに永続性が生まれるのだと思います。
先の見通せない大きな変化の中にある時だからこそ、金融の未来に大きな可能性があると信じています。京都支店も来年100周年を迎えます。グローバルに日本への関心が高まる中、リスクマネーの流入により、資金の好循環が促進され、経済に伸びしろが生まれます。私たちはこの機会を確実に生かし、自らのものとすることで、お客さまをはじめとした地域の皆さまからの期待に応えるだけでなく、期待以上の成果を目指したいと思います。今後とも持続的成長を実現するために、役職員一同より一層の努力を続けてまいります。

瀬川大秀

次世代へ守り伝える祈りの心と文化

瀬川大秀
総本山仁和寺 第51世門跡

888年に宇多天皇を開山法皇として創建された仁和寺は、約1130年の間、建造物の焼失など幾度もの困難の中で 所有する文化財を守りつないできました。この精神は、宇多法皇の「祈りの心」と共に脈々と継承されていますが、その背景には多くの僧侶をはじめ、それぞれに携わった技術を持つ人たちの尊い思いに支えられてきたように思います。現在国宝12件、重要文化財47件、その他約2万件に及ぶ文化財を所有し、1994年には世界文化遺産に登録されたことで、国内にとどまらず、日本の文化を伝える機会が増えています。
皇族が歴代門跡に就いた仁和寺では、朝廷や文化人と緊密な関係を築き、平安時代には仁和寺文化といわれ、古典文学には文芸、絵画、建築などの文化を発信する場としての御室御所が描かれています。芸術や文化を育み人々に感動を与えてきたことは、長い歴史の中でも貴重な財産となっております。文化財を保護すること、さらに現代の芸術を後世に残すことが広い意味での文化財保護活動の一助を担うと考え、御室芸術祭をはじめ長期的な取り組みを通して文化と精神を広く発信し次世代へ伝えてまいります。

田中 明

JTグループと生物多様性

田中 明
日本たばこ産業株式会社 京都支社 支社長

JTグループは、自然や社会が持続可能なものでなければ、人の暮らしや企業活動も持続可能なものとはならないと考え、生物多様性の保全を重要課題の一つとして掲げています。各事業が、生態系に与える影響と生態系への依存の両者を把握することで、生物多様性の保全に向けたさまざまな取り組みを行っています。
京都の隣、大阪府高槻市にはJT生命誌(せいめいし)研究館があり、生命科学に関連した展示と研究を行っています。1993年に設立され、今年で31周年を迎えましたが、2020年からは細胞生物学者で歌人の永田和宏氏に館長を務めていただいております。
研究館の特徴的な展示の一つとして「食草園」があります。食草園では、チョウの成虫が蜜を吸う花と、母チョウが選んで卵を産み、かえった幼虫が食べる植物「食草」を育てて、チョウの訪れを待っています。卵からふ化した幼虫が脱皮を繰り返してさなぎ、成虫へと育つ自然の姿を見ることができます。
JT生命誌研究館ではこの「食草園」を、地域の皆さまと協力し各地に設置する活動を始めています。ぜひ一緒に、チョウの生命誌を楽しんでみませんか?

松下芳弘

「日新一新」で価値・未来を創造

松下芳弘
日新電機株式会社 代表取締役社長

日新電機は1917年に京都の地で誕生し、1世紀を超えて事業を継続しています。当社の事業精神を経営者、社員、地域社会が共有し、企業の社会的責任を果たすことが持続可能な企業の要素であると考えます。
SDGs(持続可能な開発目標)を中核に据え2021年4月に始動した中長期計画「VISION2025」では、「持続可能な地球環境とあらゆる人々が活躍する社会の実現のために、次の100年も永続するいい会社をつくる」ことを目指しています。「いい会社」とは、社員を大切にする、お客さま・社会に必要とされる、取引先さまに信頼される、そして株主の期待に応える会社です。同計画では、環境配慮製品の拡大や分散型エネルギー・再生可能エネルギーへの対応、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用展開、EV(電気自動車)や新興国での事業拡大の六つの成長戦略を推進するとともに、事業体質のさらなる強化に取り組んでいます。
当社グループは「変える・変わる」という意味を込めた「日新一新(にっしんいっしん)」の合言葉の下、価値・未来を創造する会社を目指して挑戦し続けていきます。

鈴木順也

世界秩序の変化に対処

鈴木順也
NISSHA株式会社 代表取締役社長

数カ月前、10年来の付き合いがある米国人の友人と昼食に行った。彼は世界で有名なロックミュージシャン、私は製造業でグローバル企業の経営者。背景と商売が異なる二人が最近の関心事を語る。新曲の裏話から健康と睡眠、同国の政治そして世界秩序へと話が進む中、彼がレイ・ダリオの「Principles for Dealing with the Changing World Order」というYouTubeの動画を見たかと尋ねた。私はその動画の元となる原作書籍を読んでいたので会話が弾んだ。ダリオは大国が興隆と衰退を繰り返す歴史的サイクルと、その影響要因および指標を指摘している。特に教育、技術革新、競争力など国家の興隆を示す指標と、債務、内部紛争、生産性の低下など衰退を示す指標を特定した。これらのダイナミクス(力学)に対応するため国家および個人は適応性、多様化について歴史から学ぶことが重要だという。では、混沌(こんとん)とした現代社会を生きる若者へのメッセージは? 教育とりわけ経済的知識と管理能力は不可欠だ。倫理的行動と地域社会への貢献は自らを磨く。未知の変化を予測し柔軟性と適応力を養い準備することだ。私たちの会話は、このように帰結した。

武田一平

「くらしに、エネパ!」でさらなる飛躍へ

武田一平
ニチコン株式会社 代表取締役会長

ニチコンは、地球環境に優しいエネルギーを使って安心安全な暮らしを提供することをコンセプトに、今年6月から新ブランドコピー「くらしに、エネパ!」を掲げています。エネルギーパフォーマンスを「エネパ」と表現し、暮らしの中の「エネパ」を高めることで新しい価値を提案し、業界をリードすることを目指しています。当社は「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献する」という経営理念の下、コンデンサー事業で培った電気を効率良くマネジメントする技術を生かして、家庭用蓄電システムや、家庭と電動車の間で電気を充電、放電するV2H(Vehicle to Home)システム、太陽光で発電した電気を家庭だけでなく電動車にも活用できる「トライブリッド蓄電システム」など、時代のニーズや環境社会への貢献、災害対策に向けた独自の製品を展開してきました。「モノづくりからコトづくり」「製造業から創造業への変革」を目指し、さらなる飛躍に向けて「蓄電のニチコン」から「エネルギーソリューションのニチコン」へ生まれ変わり、再生可能なクリーンエネルギーを効率的に使う持続可能なエネルギーソリューション(解決策)を提供してまいります。

木下昌秀

一緒に考えていきたい未来のこと

木下昌秀
株式会社木下カンセー 代表取締役社長

木下カンセーは、1974年に京都・滋賀にて廃棄物回収業を始め、今年で創業50周年を迎えます。本年4月には環境省より「エコ・ファースト企業」に認定いただき、その中で環境保全の取り組みとして三つの約束を掲げています。
一つ目が循環型社会形成に向けた取り組みの推進です。AI(人工知能)による廃棄物選別ロボット導入などにより廃棄物処理業務の革新と発展を目指すとともに、IoT(モノのインターネット)技術を活用した「スマートゴミ箱」の寄贈により地域の環境保全へ貢献します。二つ目は再生可能エネルギーの活用です。グリーン電力化を順次進めていくとともに、「京都再エネクラブ」などのクレジット購入により、2027年度内に使用電力全量分の温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボーンニュートラルを実現いたします。三つ目は学習副教材への協賛や施設見学会などを通じた子どもたちへの環境教育の推進です。
私たちの仕事は、地域の環境を整え暮らしを支えることであり、それがより良い地球環境の実現へとつながっています。その環(わ)を広げ持続可能な未来の創造に貢献することが私たちの使命であり「未来への約束」です。

財 剛啓

もっとつながる。未来が動き出す。

財 剛啓
西日本旅客鉄道株式会社 理事 近畿統括本部 京滋支社長

新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行して1年余りが経過し、人々の移動に対する制約はほぼなくなっています。2020年の4月から数回発せられた緊急事態宣言中には、ほとんど人が移動しない期間を経験し、そこから再び国内外の移動が活発になる中で、人と人とのつながりの大切さが改めて認識されたように感じています。
約250日後には、大阪・関西万博が開幕し、この期間中も国内外から多くの方々が京都・滋賀にお越しになると思われます。また、約2年半後の27年2月5日には、世界とつながる京都駅が開業150周年を迎えます。
これらを契機として私たちJR西日本グループも新たな京都・滋賀の魅力を皆さまと共に発掘・発信していきます。
さらに地域の皆さま一人一人の暮らし、まち、社会全体が直面する課題に着目し、多くのお客さまとの接点、地域とのつながりを生かして、これまで以上にお客さま視点で人と人、人とまち、人と社会を、リアルとデジタルでつなぎます。そして、駅周辺のまちづくり、にぎわいづくりを通じて、地域の未来をつくっていきます。

岡田博和

さらなる成長で社会へ貢献

岡田博和
TOWA株式会社 代表取締役社長

当社は創業以来、40年以上にわたり、半導体モールディング(樹脂封止)装置を開発・製造しております。当社独自の成形手法であるコンプレッション技術など、業界にさまざまな技術革新を起こし、モールディング装置の世界トップシェア企業として、半導体産業の発展に貢献してまいりました。
近年、生成AI(人工知能)やEV(電気自動車)、自動運転などデジタル技術の活用が広がるにつれ、半導体の高機能化が求められ、特に当社の属する半導体後工程の重要度が高まっております。チップを縦方向に積層する「3次元実装」や複数チップを相互接続する「チップレット」など、先端パッケージ技術の開発が進むとともにTOWAの技術の重要度も高まっており、業界のリーディングカンパニーとして、今後も付加価値の高い製品やサービスを提供し社会の発展に貢献してまいります。当社は2022年3月に長期ビジョン「TOWAビジョン2032」を掲げており、32年3月期の目標である売上高1000億円、営業利益250億円の達成を目指し、さらなる成長に向けた研究開発や設備投資、「人財」育成に注力してまいります。

林 真司

サントリーの利益三分主義

林 真司
サントリー株式会社 京都支社 支社長

私たちサントリーグループは、企業理念の一つである「利益三分主義」の考えを基盤に、持続可能な社会の構築に向けた活動を推進しています。この理念は、社会と顧客への利益の還元という思いから生まれ、私たちの全てのビジネスプロセスに反映されています。
ご当地の「天然水の森 きょうと西山」(長岡京市)では、水源涵養(かんよう)活動「サントリー 天然水の森」を2012年から実施しており、「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」で製造している「ザ・プレミアム・モルツ」などの商品にとって欠かすことのできない地下水の保全活動に取り組んでいます。
また、京都の街と人々に寄り添う活動も行っています。古くから続く伝統・文化を若者へとつなぐべく、花街と連携しイベントを実施しており、京都という文化都市が持つ魅力を発信していくことで、京都の未来に貢献していきたいと考えています。
このようにサントリーは、幅広い分野で取り組みを進めています。未来の世代も豊かな自然と文化に恵まれた生活ができるよう、世界で最も信頼される総合酒類食品企業を目指し、日々の「考動」を積み重ねてまいります。

土井健資

経営理念は「温故一新」

土井健資
株式会社土井志ば漬本舗 代表取締役社長

社会に出て間もない若き頃の自身の誓いを今、振り返ってみた。その頃私は東京の百貨店の食品売場に従事していた。京都の郊外大原で育った私は、東京の空気や言葉になじまず早く京都に戻りたいとの思いが募っていたので「東京に染まらずいち早く京都に戻り結婚する」というだけのなんとも切ない誓いだった。東京で数年の修行を積んだ後、京都に戻り自社の各部署を一巡し38歳で社長に就任。それから二十数年間にわたり社長を務めた結果、今の誓いは極めて明瞭になっている。私の毎日は早寝早起き。ルーティンはお茶、コーヒーを飲み朝7時に出社。神棚に手を合わせ、玄関の掃除、そして社内を一巡し社員の様子をみて声がけをする。毎年同じ畑に同じ種をまき、同じ時期にシソとナスを塩で漬け込み志ば漬を作る。
毎日同じことを長年繰り返し続けている私の一日と志ば漬作りの工程は似ている。私はこれからも毎日、同じことを続けていく。そして毎年同じ製法で丹精込めて漬け込んだ本物の志ば漬を次世代に。古き良きものを守り末永く続けることが未来への誓いです。

岡垣浩志

「進取の精神」で新たな価値を創造

岡垣浩志
株式会社たけびし 代表取締役社長

当社は創業以来、主力の三菱電機製品と多くのパートナー製品に加え、当社オリジナル製品やシステム開発の提供を通じて、多くのお客さまに支えられながら今日の経営基盤を築いてまいりました。
現在、当社は中期経営計画「T-Link 1369」を掲げ、創立100周年を迎える2026年度に向けて、売上高1300億円、「NEWビジネス」(新規ビジネスによる売上増)プラス300億円、経常利益60億円、ROE(自己資本利益率)9%の達成を目指しております。これまで築き上げてきた「4つの成長戦略の進化」や、既存の枠組みを超えた「ビジネスモデルの変革」に注力しつつ、当社の技術力を生かした新たなソリューションを展開していくことで、さらなる事業の拡大を推進いたします。また、資本効率を重視した「財務」、サステナビリティー(持続可能な)経営の高度化を目指した「非財務」への取り組みにも注力しながら、持続的な企業価値向上を目指します。
これからも、幅広い事業分野でお客さまの課題解決に取り組む、「京都発 最強のトータルソリューション商社」として、社会的変革に柔軟に適応しながら、「進取の精神」で挑戦を続けてまいります。

武田隆司

未来へつなぐ

武田隆司
武田病院グループ 専務理事・医療法人財団 康生会 理事長

不安定な世界情勢や、かじ取りを誤って国力が落ち続けるわが国の惨状を鑑みるに当たり、未来予見ができれば素晴らしいなと思うことがある。近く還暦を迎える私が生きてきた間に地球の人口は45億人から70億人に増え(諸説あり)、地球は氷河期に向かっていたはずなのに気づけば温暖化が問題になっている(もっと諸説あり)。
過去の歴史を振り返って将来を予測するというのは統計学の基本だ。膨大なディープラーニング(深層学習)を重ねたAI(人工知能)によってある程度の将来予測をできる日が来るかもしれないが、現時点で未来とは…予測不能である。ところで温故知新という言葉は儒教の論語から来ている。この教えの中で孔子は人が生涯心がけるべきものは何か?との問いに「其れ恕か」と答えている。「恕」とは相手を思いやる心を意味する。私ども武田病院グループの基本方針「Bridge The Gaps」は各方面へ思いやりの架け橋をつないでいくという理念だ。SNS(交流サイト)が普及しコロナ禍を経て変化を遂げた世の中でも、人間社会の根底には恕の精神が残っており、一人一人がその心を大切に持ち続けることで未来は少し良くなると信じたい。

瀧井傳一

一粒の種で守る、創る。

瀧井傳一
タキイ種苗株式会社 代表取締役会長

毎日口にする野菜や、暮らしに彩りと癒やしを与えてくれる花。私たちは、その源であり農業生産の出発点となる種子を開発・供給しています。1835年の創業以来、京都の地で種苗業に邁(まい)進し、地域と共に発展を遂げ、現在180カ国以上で当社の種が使用されています。
当社のミッションは、「タネから始まる無限の創造性を活かし、世界の人々にとって新しい期待と感動にあふれる、健康的で豊かな生活の実現に寄与する」こと。10年先の未来で人々が何を求め、何に価値を感じるのかを想像し、当社がこれまでに培ってきた伝統的な育種技術と最先端の技術を組み合わせて、唯一無二の新品種を創造します。地球環境をはじめ世界情勢が日々刻々と変化し、人々の価値観や生活様式、食と農業の形態や課題が多様化する一方で、健康とおいしさを求め、安らぎや喜びに心動かされることは、時を経ても変わることはありません。時代に応じた「喜び」を提供すること。どの時代にも「当たり前が当たり前にある安心」を絶やさないこと―。
私たちは、確かな技術と自然への愛情と共に、これからも一粒の種からその社会的使命を全うしてまいります。

坂東 希

「ミライマチ宣言」

坂東 希
大和ハウス工業株式会社 京都支店 支店長

大和ハウスグループは創業100周年を迎える2055年にどんな未来を創り出したいかを考え、「生きる歓(よろこ)びを分かち合える世界の実現に向けて、再生と循環の社会インフラと生活文化を創造する」という「将来の夢」を掲げています。
その「将来の夢」を地域単位で具体的に描いたものが「ミライマチ宣言」です。ミライマチ宣言とは、全国の事業所の従業員がそれぞれの地域における未来の景色について思いをはせ「ステークホルダーと共に2055年に創り出したいマチ」を描いたものです。
ここ京都において策定したミライマチ宣言は「あいでつながる伝統と創造のマチ京都」。
AI(人工知能)の進化に代表されるように急激に変化していく社会の中でも、「ふれあい」や「であい」を大切にして、人と人、人と街、人と自然がつながっていく。そして、伝統を重んじながらも常に新しいものを生み出していくマチでありたいという思いを込めています。
その実現に向けて、地域の皆さまと共に未来に向けて一歩ずつ前進してまいります。

山崎敏子

地域の中での「大丸」

山崎敏子
株式会社大丸松坂屋百貨店 執行役員 大丸京都店長

大丸松坂屋百貨店が属するJ.フロントリテイリンググループは、2030年、さらにその先の、よりサステナブル(持続可能)な社会の実現に向けて「3つの価値を社会に提供し続ける、価値共創リテーラー」を目指します。3つの価値とは 「感動共創」「地域共栄」「環境共生」です。
私ども大丸京都店は、おかげさまで創業より300年、四条高倉で110年もの長きにわたり、商いを続けてまいりましたが、「地域共栄」にどれほどの貢献ができているでしょう。
ここ京都には、世界中、日本中からお客さまが訪れています。大丸は、今までに得た京都の皆さまとのご縁と、百貨店という私どものなりわいを生かし、「国内外のお客さまに、京都に受け継がれた、また新しく生み出される優れた文化、本物の体験を提供する拠点となりたい」「作り手とお客さまとをつなぎ感動を生み出す場となりたい」と考えます。そのためにも、京都で作られる魅力あるコンテンツを探索し、皆さまと共に価値を創造し、提案する活動に力を入れてまいります。そしてこれからも「大丸さん」と呼び続けていただけるよう、ここになくてはならない存在を目指し努力してまいります。

岡崎 誠

京都との「つながり・絆」を大切に

岡崎 誠
第一生命保険株式会社 京都総合支社長

当社は、創業10年後の1912年に京都の地に、現京都総合支社である地方部を開設し、今年10月に112年目を迎えます。創業以来、社会保障制度の一翼を担う生命保険会社として、健康増進・地域の課題解決に努めてまいりました。ここ京都においても、種々の取り組みを実施しております。例えば、地域のスポーツ振興として、京都マラソン前日に実施する「小学生向けランニング教室」や、京都ハンナリーズの選手を講師に迎え実施する「小学生バスケットボール教室」を毎年開催しています。また、コロナ禍で活気を失っていた京都を元気にしたいという思いから、2021年より京都府と共催にて、地域課題をテーマとした川柳を「京都サラ川」として毎年募集してきました。ちなみに23年は「京都スポーツ川柳」として747句の川柳が集まりました(大賞は「街歩き 筋肉痛も おこしやす」)。
これからも、このような取り組みと併せて、弊社の生涯設計デザイナーが地域の皆さまと真っすぐに向き合い、健康・医療・資産形成に関する情報をお届けすることによる「つながり・絆」を大切にして、持続可能な社会の実現にお役に立ちたいと考えています。

榊田隆之

「VUCAの時代」の企業経営!

榊田隆之
コミュニティ・バンク京信 理事長

変化が激しく先行き不透明なVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代。企業経営においても、従来とは異なる経営判断が求められていると実感します。
例えば、「自社の利益優先から社会との調和や貢献が問われる時代」へ。「株主の利益追求から社員の成長や幸せを尊重する時代」へ。そして「目先の営業ノルマを捨て、お客さまに親身に接し企業価値を高める時代」へ。
長年にわたり企業経営者は、自身の経営ゴールを社業の「発展」と定め、その実現に向けひたすら自社の利益を追求してきました。
今こそそのすべを見直し、社会との調和や社員の成長と幸せを追求することにより利益を上げ、社業を中長期的に発展させていくべきではないでしょうか。
VUCAの時代。私も含め企業経営者には時代の変化に柔軟に対応する勇気と覚悟、そして手間ひまをかけ多様な価値観を認める寛容な経営姿勢が求められていると確信する今日この頃です。

廣江敏朗

「人と技術をつなぎ、 未来をひらく」

廣江敏朗
株式会社SCREENホールディングス 取締役社長(CEO)

SCREENグループは、1868(明治元)年に京都で創業した石版印刷業の石田旭山印刷所をルーツとし、1943年に写真製版用ガラススクリーンの研究部門が独立するかたちで誕生しました。
創業以来の印刷事業を発展させるとともに、半導体やディスプレーをはじめとするエレクトロニクス分野へと事業を拡大することで、グローバルトップシェアを有する製品を数多く手掛ける企業へと成長することができました。
昨年、創業155年、創立80周年を迎え、「企業理念」を見直し「存在意義」を明確にしました。
新たに掲げた存在意義「人と技術をつなぎ、未来をひらく」には、われわれに関わるあらゆる「人」や「技術」を、世代を超え、自在につなげることで、社会課題解決のためのソリューションを生み出し、持続可能な未来への扉を開くという思いを込めています。
これからもイノベーションを起こし、生み出したソリューションを世界中のお客さまに提供することで、持続可能で豊かな未来の実現を目指していくことが、私たちの「未来への約束」です。

続木 創

京都産小麦でフランスのパン文化を

続木 創
株式会社進々堂 代表取締役社長

進々堂創業者の続木斉が日本のパン屋として初めて渡仏したのが1924年。それから100周年の今年、私どもが始めた取り組みは、京都産小麦を使ったパンのおいしさ探求と商品開発でした。
フランスの伝統的なパン文化は農業と一体化した地産地消。つまり地元で取れた小麦を地元の製粉屋さんが製粉し、その小麦粉を使って地元のパン屋さんが焼いたパンが、その土地の人々の主食になるという図式です。なぜ日本でこのようなパン文化が育たなかったかというと、日本の気候がパン用小麦の栽培に不向きで、国内産小麦のほぼ全てが麺用の品種だったこと。結果、日本のパン業界は長らく北米産輸入小麦に頼ってパンを焼き続けてきたのです。
ここ数年、農業者の皆さんの品種改良努力が実を結び、国内産小麦を使ったパン作りが全国で広がりはじめました。北海道産の年産60万トンと比べると、京都産は年産300トンとまだ少量ですが、私どものような京都の小麦需要者が京都産小麦のおいしさ探求にコミットし続けることで、生産者の皆さんが安心して作付面積を増やし、京都ならではの豊かなパン文化が育つ。そんな未来を夢見ています。

川中光敎

浄土宗からの発信

川中光敎
浄土宗 宗務総長

2024年は、宗祖法然上人(1133〜1212年)が浄土宗を開いて850年となるメモリアルイヤーです。本年、浄土宗では京都や東京の大寺院をはじめ、多くの寺院でこの記念すべき年を祝して大法要を実施し、また東京と京都と九州の国立博物館で「法然と極楽浄土」展を企画しています。これらは全て浄土宗から日本、そして世界に向けて、法然上人の信仰を伝えることを目的とした事業でもあります。
お釈迦(しゃか)様の最期の言葉が「比丘(びく)たちよ、今こそそなたたちに告げよう。諸行は滅びゆく。怠ることなく努めよ」であったといいます。私たちの法然上人の最後の言葉も、「ただ一向に念仏すべし」です。浄土宗には法然上人の「ただ一向に念仏すべし」という言葉こそが、お釈迦様の真実なる教えであるということを世界に伝えていく使命があります。
「私たちは、今、ここで、何をすべきか?」「正しい生き方とは何か?」という問いに、なかなか答えを見つけにくいこの時代だからこそ、浄土宗は法然上人の「ただ一向に念仏すべし」という言葉こそが唯一の正しい生き方であるということを発信し続けていきます。

畑 正高

次の一歩

畑 正高
株式会社松栄堂 代表取締役

私の立っている位置は、どのような場所なのでしょうか? 確かめるには周りをよく見てとか、俯瞰(ふかん)をしてとかいろいろな手立てがあります。鳥の目のように高い位置から全体を眺める俯瞰によって、認識を広げることができます。手に入れた地図と展望台の眺めから、オーストラリアでは太陽が北にあることに気づき驚愕(きょうがく)した思い出があります。日中、太陽を見ていると右から左へ動いていくのです。
若い人々に呼び掛ける私のメッセージは「歴史に学ぼう」です。必死で「温故」しませんか? 私たちが当たり前にしている多くの社会システムは、驚くほど多くの人々が世代を超えて発見・工夫・探究・挑戦・失敗・感激を積み重ねてきたのものです。このことを知ると、簡単に「もうできない」とか、「これは無理だ」とか、クオリティーを下げてしまうことが許されないことは一目瞭然です。
それらの社会システムのデジタル化を進める中で、私たちは甘くなっていないでしょうか? 過去に学び続けることで、次の一歩のあり方を、責任・自信・自負にあふれたものにできると感じるのです。過去に立ち返って自分の位置を見ると、次の一歩のあるべき姿が見えてきます。

小山要次

「よろこびがつなぐ世界」を目指して

小山要次
キリンビール株式会社 京滋支社 支社長

1907年の創業以来「お客様本位」「品質本位」の基本姿勢に基づき、お客さまへの新しい価値のご提供を目的にさまざまなチャレンジを行ってまいりました。
また多様性を力に変えて、情熱とたゆまぬ努力を忘れることなく、常に成長していくことが私たちの目指す姿でもあります。
ブランド力を高める「人財」を磨き、「よろこびがつなぐ世界」を目指していく中で、京都・滋賀のお客さまとの「絆」を育み深めていきたいと考えております。
「キリン一番搾り生ビール」「本麒麟」「スプリングバレー豊潤〈496〉」などお客さまにご支持いただける商品を販売し続けるとともに、今年は17年ぶりにビールの新商品である「晴れ風」を発売し、お客さまに喜んでいただける場面をご提供することで「ビール文化の魅力化・創造」を推進してまいります。
社会と共有できる価値創造「CSV(Creating Shared Value)」を実践することにより、社会課題の解決と持続的成長を実現し、お客さまから信頼される企業となるよう取り組みを続けます。

山本靖則

真のトータルソリューション企業へ

山本靖則
株式会社島津製作所 代表取締役社長

島津製作所は、1875年に京都木屋町二条で創業し、来年3月に創業150周年を迎えます。仏具職人の島津源蔵が興した当社の歩みは、「ナンバーワン・オンリーワンの製品・技術を開発して社会に実装する」という挑戦の歴史でした。「科学技術で社会に貢献する」を社是に、経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」ために、私たちは挑戦を続けています。
2024年度からは、中期経営計画で掲げる「お客様中心」志向へと営業体制を変革します。営業担当者が部署や地域の垣根を越えて連携して、「ヘルスケア」「グリーン」「マテリアル」「インダストリー」という4つの分野のお客さまにワンストップサービスの提供を実現します。私たちが理想と掲げる姿は、「お客様の未来に寄り添うトータルソリューション提供企業」です。トータルソリューションの実現には製品だけでなく、ソフトウェアやサービス、オーダーメイド品などの全てが必要です。これからも独自の技術を磨きながら、世界のパートナーと共同して、お客さまに「島津があって良かった」と言っていただけることを目指して、引き続き努力してまいります。

上山裕之

感動のそばに、いつも。

上山裕之
株式会社JTB 京都支店長

JTBグループは、事業ドメイン(領域)を「交流創造事業」と定め、JTBならではのソリューションの提供により、地球を舞台にあらゆる交流を創造し、お客さまの感動・共感を呼び起こすことを目指しています。そして、私たち京都支店は主体的に地域の多様な関係者と連携し、交流の「チカラ」により、地域の課題解決や新たな魅力を創造し、地域住民や旅行者にとっての「感動」を生み出すことを通じて、持続可能な地域づくりに貢献したいと考えています。
例えば、文化財を会議やイベントの会場として活用する取り組みは、文化財の価値継承、イベント誘致、経済消費増の好循環を創出しています。また、京都の大学生が京都の魅力を修学旅行生に案内する「B&S(ブラザー&シスター)プログラム」は、伝統文化の理解促進、継承に加え、未来の京都府民づくりにも寄与しています。人・場所・コトなどをつなぎ、地域・旅行者・社会にとっての「三方良し」を実現します。JTBグループのブランドスローガンは「感動のそばに、いつも。」これからも京都が京都であり続けるために、私たちは交流を通じて「感動」を生み出すことで貢献してまいります。

吉川左紀子

22世紀の芸術大学に向かって

吉川左紀子
京都芸術大学 学長

今から51年前、1973年に私は京都で学生生活を始めた。当時の大学はまだ学生紛争の名残があり、入学式は中止。授業をボイコットする学生ストライキも頻繁にあって、どの大学も騒然としていた。今の大学からは想像もつかない学生時代だった。
京都芸術大学の母体である瓜生山学園は77年に創設された。2027年に50周年の節目を迎えるので、創設時から今までの映像記録を整理し、アーカイブに残す準備が始まっている。大学の周年事業は記憶をたどりながらの作業も多く、頭を悩ますこともあるが、大学のあり方を検討し直す良い機会でもある。何よりも、創設当初の映像には新しい学園を創り出すエネルギーがあふれていて、今見てもわくわくするような活気が感じられる。
21世紀になって四半世紀。今日、大学で学んでいる学生たちの多くは、22世紀の世界を見るだろう。より良い社会の実現を目指し、芸術の持つ力を活用できる人を育てることが本学のミッションである。創業100年を超える企業も少なくない京都では、50年後、100年後はそれほど遠い先の話ではない。改めて、芸術と大学教育の未来を考える日々である。

小野隆啓

セレンディピティ

小野隆啓
京都外国語大学・京都外国語短期大学 学長

「セレンディピティ(serendipity)」という言葉は、イギリスの政治家であり、小説家でもあるホレス・ウォルポールが生み出したもので、「思わぬものを偶然に発見する才能や、幸運な偶然を手に入れる力」のことです。
いつの時代にも、「自分は人やものとのめぐり会いに恵まれていない」と嘆く人は少なからずいると思いますが、新しい世界に進めば、セレンディピティに遭遇する可能性が高まります。
しかし、世界が新しくなったら、必ずセレンディピティが現れるというわけではありません。
何かが生まれる、あるいは、何かに遭遇するには、それを誘発するものが、その過去のどこかにあります。忘れているかもしれませんが、過去のどこかで何か意味のあることをしているのです。
何もないところからは何も生まれません。
セレンディピティにはそのきっかけが過去にあり、そのために意味のある出来事や良き人にめぐり会うのです。
未来との約束は、今という現実の自分との間に実現するものなのです。

木下宗昭

創業55年目に新たな事業拡大を

木下宗昭
佐川印刷株式会社 代表取締役会長

弊社は今年の11月に創業55年目を迎えます。これまで総合印刷企業として、印刷物を通じて情報発信をお手伝いしてまいりました。その新たな進化系として、来年1月に埼玉県越谷市に新工場・BPOセンターを竣工(しゅんこう)いたします。
このBPOセンターは、最高レベルのセキュリティー状態でお客さまの大切な情報をお預かりし、エンドユーザーへ送付する書類、例えばダイレクトメールや請求書などを、データ加工から、印刷、後加工、封入・封緘(ふうかん)、仕分け、発送まで一貫して対応いたします。またさらに前段となる委託業務事務局としての窓口対応業務やコールセンター業務など、アウトソーシング(外部委託)に関連する業務一式をまとめてお引き受けできる新工場でもあります。これによりお客さまの負担軽減と業務効率化に貢献し、本業への経営資源の注力が可能となります。
われわれがこれまで総合印刷業として積み上げてきた実績とノウハウを生かしながら、「佐川印刷に全てまとめて任せておけば安心」といったご信頼をいただくことで、新たな分野へ事業を拡大いたします。佐川印刷創業55年目の新たな挑戦の始まりです。

松井 雄

地球市民として 温かい手によって

松井 雄
株式会社公益社 代表取締役社長

近年、グローバル化が加速し新たな多文化社会と一般的に言われるようになりました。時代の変化に触れていると思うのです。これほどまでに多様性を尊重し包摂的な社会を目指す地球市民としての意識が必要な時代はあっただろうかと。
人の生き方が多様化しています。だからこそ、人の終わり方も多様化して当然です。ITの活用により組織やビジネスプロセスは変革され、業務の効率化や競争力が強化されます。公益社で何が変革できるのか。組織やお葬式の一部分では新しい技術が活用されるでしょう。しかし、本質的な部分はデジタルではなくアナログ的な人が中心であることは揺らぎません。お葬式にはさまざまなプロセスがあります。臨終後の準備、ご納棺、室礼、儀礼など終了するまでの各プロセスでは作法と共に人の感性と気遣いにより執り行われます。
人の誕生も終わりも、その時その場で心の込もった温かい手によって大切に迎え送られるさまは今後も変わらないと思います。その一つ一つの行いは人間味あふれる思いやりの全ての表れです。人に寄り添うのは人しかいない、その心を未来につなげたいと存じます。

辻 嘉明

電気を灯(とも)して社会を支える

辻 嘉明
株式会社きんでん 常務執行役員 京都支店長

能登半島地震から5ヶ月が経ちますが、被災地の復興は端緒についたところです。地震発生直後の状況は、科学技術の進展する現代においても、自然の大きな脅威に十分な防災のすべを持ち得ない、文明社会の限界を見せつけられました。一方で、甚大な被害に果敢に立ち向かい、助け合い、早期復旧に挑むのも人間の力です。英知を集めて対処する人と社会が持つポテンシャルといえるでしょう。
当社も出動要請に基づき地震直後から電力復旧に珠洲エリアに入りました。ライフラインが途絶えた過酷な中で昼夜まい進する最前線の復旧部隊を支えるのは、一刻も早く電気を送らなければという使命感、自分たちがやらなければ誰がやる、という自負心です。災害現場は道路や家屋の損壊など、平時とは大きく異なり、臨機に、速やかに、安全に作業に当たらなければなりません。非常時に発揮される技術力、安全力、チームワークは、平時から地道に培ってきた当社の現場力そのものです。これからも、さまざまな状況で最適な技術技能を提供できるよう、常より現場力を研さんし、総合設備エンジニアリング企業として社会のインフラを支える役割と使命を果たしてまいります。

北尾和彦

「和の精神を仕事で実践する」

北尾和彦
京都薬品工業株式会社 代表取締役会長

日本では7月に新紙幣が発行されます。昔はお札に聖徳太子が描かれていて、誰でも聖徳太子を知って親しんできました。日本の根幹をなす「和の精神=Harmonize」は日本のみならず世界でも大切な考え方です。
京都薬品工業の社是は「和親協力 誠実報恩」です。「和」するということは簡単そうで実は大変難しいのです。聖徳太子は十七条憲法で「和を以て貴しとなす」と仰っていますが、第2条で「和」するには「篤(あつ)く三宝を敬え」と教えられています。三宝とは身近なところで言えば、ご先祖や両親です。ですから、親に孝行し、先祖を大事にする心を大切にすれば人生に間違いはないと思います。
立派な社会人になるには「和親協力 誠実報恩」を仕事を通じて実践すると同時に、道徳心や企業人としての行動規範を守り、また、常に謙虚に自分自身を省み、そして製薬会社の一員として、病気に苦しむ人々に新薬を届けるという尊い「志」を持つことが大切です。一所懸命(自分が居る場所で)、コツコツ努力を積み重ねていくことで、やがてそれが大きな仕事になって社会に報恩できるようになるのです。

奥村浩二

能登半島地震と東急グループ

奥村浩二
株式会社京都東急ホテル 専務取締役

元日に発生した「令和6年能登半島地震」で被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い復興をお祈り申し上げます。東急グループでも、金沢、富山のホテルで一部物的被害がありましたが、おかげさまで現在は無事に営業を再開しております。東急グループによる被災地への支援状況は、翌日1月2日に石川県知事に支援を表明し、被害に遭われた方の支援および被災地の復旧、復興に役立てていただくため、義援金や物資の支援を行いました。また災害救助法を適用された地域の学生の学費減免、受験生の検定料免除(東京都市大、亜細亜大で実施)、2次避難者受け入れなどさまざまな形で支援に携わって来ました。
現在東急ホテルズでは「能登のために、石川のために応援消費おねがいプロジェクト」に賛同し、京都東急ホテルを含めた全国37ホテルで石川県の食材を取り入れた「美味しく応援!石川・能登レストランフェア」を開催しています。東急グループは、これからも微力ながら石川県を応援するとともに、また予測できない災害発生に対して、迅速に行動して地域社会と共に未来への一歩を踏み出していきます。

髙倉通孝

京都生協は創立60周年を迎えます

髙倉通孝
京都生活協同組合 専務理事

京都生協は1964年、物価の高騰などで暮らしに不安が募る中、「お互いに頼もしき隣人となりましょう」との呼び掛けで誕生しました。
創立以来、助け合いの組織として、食の安全・安心の追求、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に向けて取り組んできました。
そして、食や暮らしの「安全・安心」は今日のスタンダードになりました。持続可能な社会が求められる今、食や暮らしだけでなく、人への優しさや寄り添う心、人とのつながり、そして地球に対する「安全・安心」がこれからのスタンダードになると確信しています。
次の世代、そしてさらに次の世代へ「安全・安心」な地球環境を手渡していけるように、関係する全ての人々と力を合わせ、「新たな希望」をつくります。
今年は創立60周年を迎えます。創立時から続く京都生協の理念「頼もしき隣人たらん」の精神で、組合員の暮らしを総合的に支え、さらに社会的な役割を発揮できるようにしたいと考えています。

澤田昌人

「人間尊重」の理念を掲げて

澤田昌人
京都精華大学 学長

アップルコンピュータ(現アップル)は、スティーブ・ジョブズの家のガレージで創業したという伝説があります。ささやかな一隅から世界を変える製品を作ろうとしていたのでした。私立大学にはそれぞれの出発において、志、すなわち理想があり理念があります。本学においても「人間尊重」という理念があります。しかし、住民を巻き込むことを躊躇しない悲惨な紛争が各地で勃発している今日、「人間尊重」は今後も意味ある理念として掲げ続けることができるのか、深刻な問いが突き付けられていると感じています。
昨年の「未来との約束」では、「『グローバルな大学』を目指します」と申し上げました。それは学生たちが地球規模での経験をもとに成長してほしいという願いを込めたものでしたが、もう一つの願いも込めておりました。紛争では敵があたかも「人間」ではないかのように表現され、それは殺し合いの中でますます強調されていきます。現在も未来も本学は、国籍、民族、宗教、ジェンダーなどを問わず、同じ「人間」として「尊重」されるという経験を若者たちに伝えたいと願っています。「一隅の灯」をともし続ける所存です。

黒坂 光

新たな社会創造に向けた挑戦

黒坂 光
京都産業大学 学長

京都産業大学は、1965年に設立された。当時の日本は安全保障を巡る激しい対立や学園紛争などにより国内情勢が不安定であり、大学教育も荒廃していた。本学の設立者である荒木俊馬博士は、国家と大学教育の未来を深く憂い、「将来の社会を担って立つ人材の育成」を建学の精神に掲げて、文化と歴史の中心である京都に理想の大学を設立することを決意し、京都産業大学を開設した。
本学は「未来との約束」である建学の精神を具現化するため、改革に着手している。将来の多様性、デジタル化、専門化が進む社会を見据えて、さまざまな属性を持つ学生たちが互いを認め合い、デジタルを駆使した効率的で豊かな生活を追求し、輝かしい未来社会の創造に情熱を傾ける―それが、私たちが見ている未来の風景である。本学は一拠点型総合大学の特性を生かし、ダイバーシティー・エクイティ&インクルージョン(多様性・公平性・包括性)環境、最先端のデジタル技術を活用した「スマートキャンパス」の実現、起業家精神に富んだ人材育成などの教育改革を推進している。京都産業大学は、新たな社会創造に向けてさらに挑戦し続ける。

中野博美

スペシャルオリンピックスの歴史

中野博美
京都きづ川病院 理事長

スペシャルオリンピックス(SO)は、1962年頃米国人のユニス・ケネディ・シュライバー氏が始めたもので、知的障害がある姉がいたことから考案したと言われています。SOは、知的障害がある人々にスポーツの機会を提供し、参加者が自己成長や自信を深め社会参加を図ることのできるプログラムです。ファミリー、ボランティア、コーチや支援者が参加し、コミュニティー全体が一体となって、この特別なオリンピックの成功に寄与しています。
1968年から現在のようなスポーツプログラムが行われています。日本では94年、熊本で細川佳代子氏が中心になって始まりました。現在はオリンピアンである有森裕子理事長の下、日本全国に支部があり、さまざまなスポーツプログラムを開催しています。SOは早くよりインクルージョン(包摂)を提唱し、多様な個性を公平に包摂的に認め合うことの先駆けとなりました。SO日本・京都は2008年、裏千家家元夫人である千容子氏が理事長を務められ大きく発展してきました。現在は元京都府知事の山田啓二氏が就任して、スポーツプログラムの発展に指導力を発揮しておられます。

栗和田榮一

「生産と消費をつなぐインフラとして」

栗和田榮一
SGホールディングス株式会社 代表取締役会長

当社グループは、1957年に創業して以来、社会インフラの一端である物流事業を担わせていただき、これまで途切れることなくサービスを展開してまいりました。しかしながら、現下の社会経済状況は、世界的な地政学リスクの表出や急激な物価上昇、また、物流業界における2024年問題への対応など、非常に厳しいものがございます。さらには、頻発する災害の支援活動など、私ども物流業界への期待、関心が高まっています。
社会インフラである物流を担う私たちの重要な役割は、物流を維持し社会経済の発展に寄与することです。近い将来における労働力不足など課題はありますが、一緒に仕事をしていただいている企業さまとの連携強化や各種の自動化・省人化などにより、ネットワークの強靭(きょうじん)化に取り組みます。持続可能な社会の実現に向けては、環境対策などにとどまらず、社会課題解決につながるソリューション創出を通じて貢献します。これらを成し遂げるには未来を担う人材の育成は不可欠です。挑戦できる企業文化の醸成やさまざまな感性・視点を持つ人材が能力を発揮し一層活躍できる取り組みを継続します。

志村雅之

「京の出会い」

志村雅之
京都鰹節株式会社 代表取締役会長

弊社は1877年に個人創業し、おかげさまで法人改組して今年75周年を迎えます。和食が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され「京の和食文化」がしっかりと根付いて、市場は順調に推移しています。国内市場はもとよりインバウンド(訪日客)の影響と「健康志向」「グルメ志向」も加わり需要は旺盛です。
10年前から発祥の地、中京区で毎月24日を「節(24)の日」として、即売会を開催しています。全国からのお客さまに加え、東南アジア、北米、続いてフランスやイタリア、スペインなど海外のお客さまの増加が顕著です。販売会では「京の出会い」をモチーフにして「京の食文化」を紹介、提供しています。月1回の行事でどんな「出会い」があるか毎回心をときめかせています。国内のお客さまには「アイデア」をお教えいただき、その結果23年9月「ジャパンフードセレクショングランプリ」を受賞しました。また海外のお客さまには元気さや陽気さを頂き楽しい時間を共有しています。
削りがつおは良質なタンパク質を豊富に含んでおり、健康寿命に貢献していると自負しております。今後も食文化の発展に貢献したく思っています。

若菜真丈

京都の玄関口としての未来

若菜真丈
京都駅ビル開発株式会社 代表取締役社長

3年にわたるコロナ禍が終焉し、ようやく以前の日常が戻ってまいりました。この間、行動変容などにより、私たちを取り巻く環境は大きく変化しましたが、コロナ禍を経験し世の中が変わっても、人と人とのつながりの重要性やありがたみを痛感しているのは私だけではないと思います。
京都駅ビルは京都の旅の玄関口。来年には万博も開催され、国内外から多くの方々が新たにこの玄関をお通りになるでしょう。これまで脈々と受け継がれてきた世界に誇れる素晴らしい京都の文化を多くの方に知ってもらう絶好のチャンスです。
「文化の香りのする躍動する街のメディアとしての駅」、これが京都駅ビルのコンセプトです。行政、神社仏閣、企業や団体、地域の方々と連携し、文化を発信するだけでなく体験していただく機会を提供できたらと考えています。そして、一人でも多くの京都ファンを増やしていきたいと考えています。
私たちは、将来にわたり地域とのつながりを深め、京都の玄関口として地域とともに文化都市京都の発展のために尽力してまいります。

立木康之

「ステキな大人が増える未来をつくる」

立木康之
株式会社京進 代表取締役社長

京進グループは、1975年に学習塾として創業して以来、約半世紀にわたり小中学生、高校生を対象とした学習塾を展開してきました。現在は、事業領域を広げ、英会話、日本語教育、保育、介護、キャリア支援、フードサービスなどの人の一生に関わる事業を展開し、事業拠点は国内外で500を超えています。
2020年には、グループビジョンとして「ステキな大人が増える未来をつくる」を定め、人の一生に関わる分野で社会に貢献できる企業を目指しています。
当社グループは2000年より「経営品質向上プログラム」に取り組み、13年「関西経営品質賞」優秀賞、17年「京都経営品質賞」優秀賞(英会話事業部)をいただきましたが、さらにこの先もお客さまに提供できるより良い価値を追求し、組織の成長と改革を図っていきたいと考えています。
25年、京進グループは創業50周年を迎えます。働く従業員がワクワクするような企業となり、新たな時代に応える新しい事業を行うことで、この先も「ステキな大人が増える未来をつくる」企業を目指してまいります。

橘 重十九

外国人参拝者にも天神信仰の一端を

橘 重十九
北野天満宮 宮司

コロナ禍が明け、境内は外国人の姿が目立って多くなったような気がします。「外国からの観光客にも天神信仰の一端を」と、英語のパンフレットを作り、ネットでも発信しています。
「一神教の国の人たちに天神信仰など分かるものか」という人がいますが、私はそうは思いません。10年ほど前、米国・ハーバード大で天神信仰に造詣の深い医師の田邉親男先生(親友会グループ会長)の講演に立ち合いました。怨霊神として祀られた菅原道真公(菅公)は、天神さまとなって学問・文芸・芸術などの神として崇敬され、日本の近代化に寄与したとの話を英語でされました。分かってもらえるかどうか不安でしたが、反応は上々で、心配など杞憂に終わりました。
あと3年で菅公没後1125年の半萬燈祭です。和魂漢才の人、誠の人、偉大な学者で詩歌人など、外国の方にも菅公の人となりや精神、天神信仰の素晴らしさを知ってもらうよう努めるのも、天満宮に奉職する神職の務めです。それにはあらゆる機会を捉えて発信しなければならず、英語で信仰を伝えられる神職も必要になってきたと思っています。

川村明緒

選ばれる企業になるために

川村明緒
医療法人仁愛会 川村産婦人科 副院長

産婦人科において妊娠出産と並ぶ大きな役割として「女性ヘルスケア」が挙げられます。いま、社会でこの「女性ヘルスケア」が注目を浴びており、企業でも新しい取り組みが始まっています。これまで月経痛や更年期症状による女性特有の身体の不調は病気ではなく、我慢するものだと世間からは認識されていました。
しかし、これらの症状は、最近はホルモン療法や漢方薬の処方などで随分と良くなるのです。治療せず放置することにより、女性のモチベーションが下がり経済的にも大きな損失になることに気づく企業が増えてきました。ある企業では婦人科検診の費用を福利厚生の一環とする仕組みを導入し、その効果として女性のパフォーマンスが上がるだけではなく、人材募集の面でも選ばれる企業となってきています。女性の能力を十分に発揮できる環境を整えることがこれからの企業の重要なミッションと言えるでしょう。
当院では「女性ヘルスケア」専門の外来を設け、出産、女性ヘルスケア、それぞれの専門医が女性のホームドクターとして診療しています。そして、女性が活躍しやすい社会がますます広がることを願います。

金子直樹

交流こそが平和をつくる

金子直樹
オーシャン貿易株式会社 代表取締役社長

生鮮食品や花卉(かき)類の輸出入に特化した商社のわが社にとって、戦争や自然災害はビジネスに大きく影響します。サーモンの加工を委託していたウクライナの水産会社は戦禍に巻き込まれました。トルコにも水産関係の取引先があり、わが社は両社に支援金や寄付金を送り、復興を支援しました。
昨年は、東南アジア、欧米など8カ国を訪れ、新規顧客の開拓に奔走。ビジネスは順調でしたが、行く先々で紛争や災害が人々の暮らしに黒い影を落としていることを実感しました。わが社は、福島第1原発の処理水問題の影響で輸出がやや減少したものの、インバウンド効果などから国内需要が堅調で、結果的に好成績を収めることができました。今年も紛争や地球温暖化の影響などが予測されます。文化も歴史も、暮らしの在り方も異なる海外の人々とビジネスを通じて交流を積み重ねていくことが世界平和につながると確信します。創業者の米田多智夫会長の経営理念である「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)を引き継ぎながら、新しいビジネスの種子をまき、地域社会に貢献したいと考えております。

大垣守弘

「京都文学賞」という夢

大垣守弘
大垣書店グループ 代表取締役

人それぞれに夢があり、夢を抱く方を応援することは企業にとっても使命の一つと考えています。書店に並ぶ多くの本から、読書を通して夢を見つけ、気づきや知識を得られる方も多いです。私たちは本を売るだけではなく、その本を書く方々の応援もしたいと思っています。
日本の文学賞の最高峰には芥川賞と直木賞がありますが、私たちの京都にも「京都文学賞」があり、京都を題材とした「小説」の応募が数百作品に上ります。弊社も社を挙げて協力をしており、私も選考委員の1人として応募作品を読ませていただいています。
今回第4回の最終選考は13作品に絞られたとはいえ、すべてを読むのは覚悟が必要です。よく調べ書き上げられた京都愛あふれる作品の数々、中高生部門や海外部門もあり、これまでにない展開のストーリーに夢中になり、時間を忘れて没頭してしまいます。
一般部門の最優秀作品は、毎回大手出版社から商業出版されており、そのレベルの高さがうかがえます。作者の夢がかなうお手伝いができることは最高の経験です。次回も応募作品を読み、寝不足の日々が来ることを今から楽しみにしています。

𠮷本幸男

義のあるビジネスで進化・真価・進化

𠮷本幸男
エフビットコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長

当社は、経営理念である「私たちは常に義のある商品を創造し、豊かな未来を提供します」を実践するため一昨年、バイオマス発電所とその隣接地に、次世代型園芸施設を整備し温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを超える環境配慮型の発電事業を立ち上げました。バイオマス発電の主燃料となる、PKS(パームヤシ殻)や木質チップなどの原料は年々高騰し、需要と供給のバランスが乱れ、物量確保も困難になっているのが現状です。
そこで60年にわたり稀有(けう)な都「京都」で義のある商品を創造し続け、時代の変化に敏感に対応しながら、お客さまと社会に貢献する商品を提供してきた当社としては、バイオマス燃料問題の解決に向けた取り組みが重要な使命であると位置付けました。試行錯誤を繰り返し、農業残渣(ざんさ)や竹害などの問題材料を半炭化し燃料として使用することで、高カロリーでエコロジカルなバイオマス燃料の供給が目指せると、この4月に炭化燃料の工場をいよいよ稼働開始させます。今までも、そしてこれからも、社会貢献する商品を提供し続けることが、当社の存続と成長の鍵であると信じております。

市野周平

「もっともっと、面白くなる。」

市野周平
アサヒビール株式会社 京滋統括支社 支社長

本年アサヒビールは「もっともっと、面白くなる。アサヒビール」を事業方針として掲げています。2022年のフルリニューアル以降好調な「スーパードライ」は、スマート缶の発売やコンセプトショップを東京・銀座に開設し、若年層を中心としたブランド体験機会の創出に取り組みます。「マルエフ」の愛称で親しまれる「アサヒ生ビール」は、日本全国を巡る「出張マルエフ横丁」や各種サンプリングなどを通じて1千万人のブランド体験機会の創出に取り組みます。
また、お客さまにさらなる驚きやワクワク、感動を提供していくために、アサヒビールならではの「High-Valueカテゴリー」に注力します。「High-Value」とは、当社独自の価値を持ち、価格に左右されることなく、お客さまに選択され続ける高付加価値商材です。独自の「フルオープン缶」を活用した「アサヒ食彩」や「未来のレモンサワー」、歴史ある「ニッカウヰスキー」ブランドなど、当社ならではの技術や強みを生かしたブランドの育成に取り組んでまいります。「最近のアサヒビール、 面白いね」と言ってもらえるよう、驚きとワクワクにあふれた提案を続々と送り出していきますので、ぜひご期待ください。

篠田 潤

暮らしの質を高める家を適正価格で

篠田 潤
アーキテクチャーリンクライフ(ALL)株式会社 代表取締役

快適で健康的な住まいは、明日への活力を養います。窓に広がる緑や空の眺めは感性を育み、お施主さまに合わせて練り上げたプランは、暮らしのストレスを軽減して日々のパフォーマンスを高めます。さらに住まいは景観の一部として、街並みに美を提供し続ける存在でもあります。
私たちはそのような住まいを、完全に自由なスタイルで自社設計し、現場の管理を行い、建築、アフターメンテナンスまで責任を持って対応しています。本物の素材にこだわり、職人の技を駆使して、伝統美に現代的な感性を加えるのが私たちのスタイルです。
営業スタッフはおらず、広告宣伝もあまり行わない、少数精鋭の会社です。だからこそ無駄な経費を削り、建物にコストを投入して、適正価格で上質な住宅を提供できると自負しています。また職人は長年付き合いのある人たちがほとんどなので、人件費が高騰する昨今においても 影響を抑えることができています。
地に足をつけた体制で、お施主さまとの関係を大切にし、暮らしの質を高める住まいを適正価格でお届けいたします。

田中恆清

他者に寄り添い、共に行動していく

田中恆清
石清水八幡宮 宮司

本年1月1日に発生した石川県能登半島地震の強烈な揺れと津波によって被災され、今もなお避難生活を余儀なくされている多くの方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、尊い命を失われた犠牲者の方々の御霊(みたま)安らかならんことを衷心よりお祈り申し上げます。
わが国は、古来自然災害の大変多い国であり、先人たちは自然の恵みに日々感謝するとともに畏れも抱き、自然の中に神を感じて祭祀を行い、畏怖の心をもってつつましく生活を営んできた民族であります。
日本人は、地震をはじめ、数多くの自然災害に幾度となく直面しながらも、他者を思いやる助け合いの精神をもって、何度も危機を乗り越えてきました。
他者のために自分のでき得る最善のことを考え全力で尽くしてきた日本人の永い歴史と精神があるからこそ、その行いと心は今に伝えられてきたのだと思います。
私たちは今回の大震災における被災者の心に寄り添い、つながりをより深め、力を合わせて、人と人とを結ぶ心の大切さを皆で発信し、共に行動していくことが重要な役割であると強く信じております。