賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム 未来を思い描く

経済面コラム
【未来に求められる人材とは】

drawing the future of tomorrow

栗和田榮一

多様性のある企業風土

栗和田榮一
SGホールディングス株式会社 代表取締役会長

当グループは1957年の創業以来、お客さまのために何ができるかを常に考える「飛脚の精神(こころ)」を原点とし、60余年にわたって物流事業を展開してまいりました。近年ではグローバル化の進展やIT技術の進歩などを背景に社会環境は大きく変化し、ステークホルダーの皆さまからの私たちへの期待も、多様化、高度化していることを実感しております。
多様化するニーズにお応えし続けるために当社グループが取り組んでいるのが、ダイバーシティの推進です。多様な価値観を認め合うことで、個々の能力や感性を生かし、新しい価値を生むことにより、お客様に満足をお届けできると考えているからです。
少子高齢化のますますの進展や働き方改革の推進により、これからは今まで以上に物流サービスの多様化が求められる時代になると理解しております。決まった日時にお届けするだけではなく、トータルロジスティクス機能の強化を軸としたソリューションという付加価値をお客さまにご提供させていただける、そんな企業を目指してまいります。

安元裕之

自ら考え行動する人材

安元裕之
アサヒビール株式会社 理事 京滋統括支社長

アサヒグループは、2019年1月に新グループ理念 「Asahi Group Philosophy」を制定しました。グループのミッションとして「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」を掲げ、世界のグループ社員と理念を共有し、持続的な企業価値向上を目指しています。
この理念のもとに、アサヒビールでは「お客様の最高の満足のために お酒ならではの価値と魅力を創造し続ける」を長期ビジョンに制定し、その実現に向けて全社員がお客さまの立場に立ち、高い目標に向かって挑戦し続けています。 これを達成するために当社では、①自ら課題を見つけ、挑戦し、やりきる力を持ち合わせている。②組織やチームに積極的に働きかけ、影響力を与え、貢献できる。③コミュニケーションに長けていて、信頼を置かれ、周囲に刺激を与え、けん引することができる。この3点を特に重視しています。酒類事業が厳しい環境に直面する中、変化に素早く対応し、多様なニーズに応え、お客さまの満足を追求していくために、自ら考え行動する人材、個人の成長を組織の成長につなげることができる人材を育成することが重要だと考えています。

福井正憲

世界一の「アナログの都」を築く人材

福井正憲
株式会社福寿園 代表取締役会長

人間は相反するものを求めるものです。今や物質的な科学技術だけでなく精神的な文化芸術の分野までデジタル化が進んでいます。このデジタル社会の数字的、「階段的」思考の時代にこそ、アナログの連続的、「ウェーブ的」思考が必要です。
デジタルな数字で解決する仕事はAI(人工知能)やロボットで事足り、人間の仕事には、綿々と受け継がれてきた歴史の連続性に基づくアナログ思考が求められます。さらに、AIやロボットが思い付かない想定外の事態には、思考の飛躍や、逆転が必要です。そのために「百聞は百見に如かず」で常に見聞を広め、「自分の目で見、自分の足で歩き、自分の心で感じる」ことが大切です。デジタル社会は論理的な個性の組み合わせで成り立つものです。それに対し、人間は、自分だけの“物差し”をしっかり持つことが求められます。特に、1200年の都で、その中心に天皇を頂き王朝文化の華を咲かせてきた京都は、世界一の「アナログの都」となるべきだと思います。できるだけ多様なものに触れ、何でもいいから「これをやったら世界一」と胸を張れるものを一つ見つけてほしいと思います。

上原晋作

「先義」を実践し、お客さまを笑顔に

上原晋作
上原成商事株式会社 代表取締役社長

当社は「先義後利」を旨とし、お客さまに対して誠意をもって接すること、正直であること、お互い笑顔になることの三つが「先義」であると解釈しております。それを実現するために、常に現場主義に徹し、お客さまとFace to Faceでのお付き合いを心がけてまいりました。今後ともリアルな接点を大切にし、先義の実践にこだわり続け、肌で感じたお客さまのニーズの変化をチャンスと捉えて日々変革に挑戦してまいります。その積み重ねがあってこそ、当社はお客さまを笑顔にする会社であり続けることができるのだと信じております。 世間を見回してみますと、ネット社会の到来は、情報の量と速度を別次元の水準にまで引き上げ、随分と私たちの知識欲を充足させてくれるようになりました。一方で情報の質という観点から見た場合に、言葉が何か記号化してしまい、言外の思いをくみ取る力が欠けてきたように感じないでしょうか。現代の情報ツールを活用しながらも美しい言葉で感情を伝え合い繊細な感受性をしっかりと育んでいくこともまた、当社が先義を果たす上で、重要な課題であると思っております。

田中恆清

祈りの心の継承

田中恆清
石清水八幡宮 宮司

石清水八幡宮は平安時代の創建以来、平安京を守護する王城鎮護の社として人々からあつく崇敬されてきました。まさに千年の永きにわたり、当宮は国家の安寧と平和を祈り続けてきたのです。
神社で行われる祈りとは、古来共同体での神々への祭祀(さいし)を意味してきました。いにしえより日本人は、鎮守の杜に集まり神々への祈りを捧げ、自然の恵みに感謝して皆で助け合いながら日々の生活を慎ましやかに営んできた民族であります。日本人の祈りの心の根底には、自分以外の家族や他者をいたわり思いやる心が流れているはずです。現在でも、初宮参りや七五三参りなど、子どもの健やかな成長を祈るため、多くの人々が神社を訪れます。
共同体への帰属意識が弱まり、他者とのつながりが希薄となっている現代社会においてこそ、日本人が受け継いできた「祈りの心」を未来へ継承していっていただきたいと切に願っております。自分さえ良ければよいという考え方ではなく、思いやりや優しさなど、人と人とを結ぶ心を、次世代の人々には大切にしていただきたいと思います。そのことを伝えていくことがこれからの神社の重要な役割であると信じております。