賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

経済面コラム
【未来との約束2022】

Promise for the future

奥村浩二

ウェルビーイングな会社へ

奥村浩二
株式会社京都東急ホテル 専務取締役総支配人

おかげさまで本年、東急グループは100周年を、京都東急ホテルは40周年を迎えます。節目の年に元白川小跡地に「THE HOTEL HIGASHIYAMA by Kyoto Tokyu Hotel」を新規オープンさせていただきます。長年支えてくださる京都の皆さまに改めて感謝を申し上げます。
そして今年は、コロナ禍で学んだ事を生かし、サスティナブルな社会、会社、人づくりを進め東急グループの次の未来に向けての新たな出発点としたいと考えています。まず、持続可能な社会づくりに欠かせないSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを引き続き積極的に推進してまいります。次に会社・人づくりのキーワードとして「ウェルビーイング」に注目しています。直訳すると「健康」「幸福」となりますが、WHO(世界保健機関)憲章の前文で、「健康とは、肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあること」と定義されており、ウェルビーイングの概念とはまさにこれです。コロナ禍により働き方の多様化が進み、人材が定着する環境づくり、働き方改革の推進が待ったなしの今、未来に向けてこの概念を会社・人づくりのために取り入れたいと考えています。

髙倉通孝

希望ある社会づくりを目指して

髙倉通孝
京都生活協同組合 専務理事

「頼もしき隣人たらん」。京都生協の創立時に初代理事長が呼び掛けたこの言葉を「理念」として今も大切にしています。私たちは、頼もしき隣人であるため、未来の暮らしへ希望が持てるような、環境や人に配慮した「エシカル消費」やCO2(二酸化炭素)排出削減といった、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいます。
中でも、地球温暖化や海洋ごみの原因となっている、プラスチック問題について、サービスで使用するプラスチック量を削減することを目標にしています。使い捨て容器・包装の使用量を、2030年までに25%(18年度比)削減する目標を掲げています。商品やカタログを入れる袋のリサイクル回収率向上や、レジ袋の有料配布を、25年には取りやめることができるような働きかけを強めています。今も、京都生協をご利用いただく組合員の協力があり、お買い物袋の持参率が94%であること、昨年行った鴨川でのクリーン活動など、事業者も利用者も一体となって、未来へ向けた活動を進めています。
これからもSDGsを自分ごととして捉えるきっかけをお届けし、それぞれが大きく貢献できる、希望ある社会づくりを目指してまいります。

榊田隆之

京都信用金庫らしさを大切に!

榊田隆之
京都信用金庫 理事長

「おせっかいバンカー」として、お客さまの暮らしやご事業の課題解決に「親身」になって向き合うこと。京都信用金庫が今最も大切にすべきことはこのことだと私は思います。お客さまに対して親身に接するためには、職員一人一人が心にゆとりを持って仕事に向き合うことが大切です。お客さまに対してはもちろん、職員同士もお互いをリスペクトし合い、常に周りへの「感謝」の気持ちを忘れないこと。そういった温かい職場の雰囲気が「京信らしさ」であり、お客さまに対する心からのおもてなしにつながるものだと思います。
いま世界は、「自分だけ良ければよい」社会から、「人にやさしい、地球にやさしい」“ソーシャルな”社会への転換期にあります。ソーシャルな地域社会の実現に向け、われわれは「コミュニティ・バンク」として、信念を持ってリーダーシップを発揮していきたいと考えています。豊かなコミュニティーとは?ソーシャルなコミュニティーとは?人にやさしいコミュニティーとは?いずれも人と人とのコミュニケーションによって支えられている、とてもヒューマンな社会のことだと思います。そんな人間臭いことにこだわることが「京都信用金庫らしさ」だと思っています。

黒坂 光

4月は出会いのとき

黒坂 光
京都産業大学 学長

「4月になれば、彼女がやってくる。小川が水をたたえて流れる頃に」。愁いを帯びた声でポール・サイモンは、若者の春の出会いと夏の別れを歌う。4月は出会いのときだ。
4月になれば、木々が芽吹く。わが家のトキワマンサクやブラシの木も、待ち切れぬように春の日差しを求めて、やがて一斉に開花する。すると、花の蜜を求めてミツバチや小鳥も空を舞う。生き物が躍動する。
春の前には寒くて、暗く長い冬がある。しかし冬に植物は、深く広く土の中に根を張り、あらん限りの養分を吸収して準備に抜かりない。春になればエネルギーを得て、束縛から解き放たれたかのように活動を始める。
4月になれば、新入生がやってくる。知識の蓄えも心の準備も済ませた新入生は、好奇心に眼を輝かせて、エネルギーを得て開花するのを待っている。京都産業大学は文系理系のすべての入学生を上賀茂のキャンパスに迎え入れる。春には桜が咲き誇り、夏には青葉、秋には紅葉が映え、冬には雪が時折舞い散る美しいキャンパスが学生を育む。学生は大学で、さまざまな学びと出会いを経験して成長していく。

吉川左紀子

建学の理念と30年の歳月

吉川左紀子
京都芸術大学 学長

京都芸術大学は、2021年に創立30周年を迎えた。1200年以上の歴史を持つ京都での30年は、ほんの一瞬のような短い時間かもしれない。しかし、未来の予測が困難なこの時代に、芸術・文化の探求による世界平和への貢献、「芸術立国」を建学理念として30年間一歩一歩、歩み続けてきた大学の未来を、今改めて考えている。
日本中が人と人との交流を制限し、楽しい行事や企画を取りやめることが多くなった時も、本学ではできるだけ普段の教育活動を継続するための工夫を重ねた。名物授業の「マンデイプロジェクト」では20基の美しい「ねぶた」が制作され、キャンパスの夏祭りでは、学生たちの企画でお化け屋敷を作り、皆で「怖い体験」を楽しんだ。なぜコロナ禍の中でこうした取り組みが継続できたのか。「芸術立国」という強い志を秘めた建学の精神が、30年という時間の中で教職員の間に浸透し、閉塞的な日常の中でも皆が同じ方向に向かって力を合わせることができたのではないか、というのが私の仮説である。
見慣れた「芸術立国」の碑を改めて見つめ直し、芸術大学の未来とその社会貢献を考える日々である。

中野博美

ハンディキャップを包含する社会

中野博美
京都きづ川病院 理事長

「スペシャルオリンピックス」をご存じだろうか。知的障害のある人々がスポーツを通じて社会参加をしようというものだ。
私が小学生の時、クラスに知的障害のある同級生がいた。まだ「戦後の」という表現が使われていた頃、知的障害者の存在を理解するのは小学生には難しいものであった。ある時彼が失禁をしたんじゃないかと授業中騒ぎになった。担任の先生の一言は厳しかった。「何だその騒ぎ方は!君たちはどうして◯◯君の様子がおかしいので見てやってほしいと言えないのか!」。小学生には衝撃の叱責(しっせき)であった。
昭和末期、通勤途中に知的障害のある子どもを連れてバス停に立つお母さんをよく見かけた。子どもはいつも母親の体をたたいていた。お母さんは負担なのだろうなと考えていた。当時は分からなかったが、インクルージョン(包摂)の考え方が整いつつある今なら分かる。あのお母さんは、子どもが障害の個性に応じて元気にしていることがうれしかったのだ。
どのハンディであれ障害がある人たちを包含するのが社会だ。社会や社会人は、全てのハンディキャップに対して下支えする責任を持たなくてはならない。

立木貞昭

日本の美徳を世界に広げる

立木貞昭
株式会社京進 代表取締役会長

自分を成長させるため、世のため人のために貢献するために、京進グループでは、小中学生、高校生および留学生には「リーチング手帳」で、社員は、独自のアプリでリーチング(自立型人間育成プログラム)に取り組んでいます。クレド(信条)や目標は自分で作り、そのため毎日すべきことを決め、その結果をルーティンチェック表に○×を付ける。気が付いたことや反省も含めて書く欄もある。継続は力なり、毎日続けることは修行していることと同じです。これは人が育つ仕組みです。また、こだわっていることの一例ですが、上司や教師から先に挨拶をします。先に挨拶ができる人が人間として立派である。この考え方は、謙虚な人をつくる。生徒にも、この謙虚な生き方を、考え方を、伝えていきたいです。
礼儀正しく、丁寧で、謙虚な性格は、日本人の最高の美徳です。この最高の美徳を京進グループで実行し、世界に広げたいです。日本人だけでなく、海外から日本に来ている留学生や海外の学生、外国人従業員などに、リーチングを通してこの考え方を広げ、ゆくゆくは、争いの無い世界平和に貢献できればと思っています。

橘 重十九

菅公が育てた唯一の飛梅を未来へ

橘 重十九
北野天満宮 宮司

今春、大変うれしい出来事がありました。御本殿前に植わる飛梅(とびうめ)の苗木が組織培養にて世界で初めて開花したのです。
飛梅は、御祭神の菅公が自邸(紅梅殿)の庭で育てた紅梅が、左遷の折に主である菅公を慕い九州へ飛来したとの信仰に由来します。当宮所蔵の国宝「北野天神縁起絵巻」にも紅梅殿で梅に別れを告げる菅公が詠んだ歌と共に美しい紅梅が描かれています。当宮の飛梅は千有余年の時を経た今もなお、菅公の御心が宿る信仰の御神木として代々受け継がれているのです。
昨今、人と同じく梅にもウイルスが蔓延(まんえん)しており、当宮では古木となった飛梅の行く末を案じておりました。飛梅を守るため、御縁のある住友林業と共に、組織培養という新たな技術を用い、その遺伝子を残す取り組みを行い、その苗木が本年世界で初めて花をつけたのです。菅公の御心宿る信仰の飛梅を未来につなぐ一筋の光が見えた瞬間でありました。
苗木が開花して5日後、御神前の飛梅も可憐(かれん)な紅梅を咲かせました。その飛梅に向かい一心に手を合わせる参拝者の姿を見た時、信仰の尊さを感じ、胸に熱いものが込み上げた次第であります。

川村明緒

女性の活躍とヘルスケア

川村明緒
医療法人仁愛会 川村産婦人科 副院長

下鴨の地に先々代が産婦人科を開業して今年で70年目を迎える。
女性の生涯はホルモンの変動とともに変化し、特に月経痛や月経前の情緒不安定(イライラ・抑うつ)、倦怠感、 眠気などに困っている女性は多い。
経済産業省のデータによると、月経随伴症状による労働損失は4911億円と試算されている。働く女性の健康推進に関する実態調査が行われ、女性の健康課題の対処に困ったと回答したのは、女性従業員の約5割、また管理者の約4割にのぼった。最近はホルモン製剤の種類も増え、月経をコントロールできるようになってきた。ただし、こういった知識は男性や管理職だけでなく、女性にもまだ十分に周知されていないのも事実である。
「女性ヘルスケア」の概念は、思春期から老年期までの全てのライフステージにおいて女性特有の悩みをケアすることである。当院でも出産を含めて、女性のトータルヘルスケアを目指している。今後女性の活躍はますます期待されるであろう。そういう今こそ、企業と協力して「女性ヘルスケア」への啓発に向けて努力していきたい。

柿本新也

わが社のアイデンティティー

柿本新也
柿本商事株式会社 代表取締役会長

寺町通はその名の通りお寺が多かった御所の東側の通りです。要法寺が弊社の所在地にあったのですが、現在は東山三条に大きなお寺として引っ越ししています。1716年、現在の寺町二条上ルの当地で竹屋長兵衛が興した竹屋をはじめ、御所の一筋南側に竹屋町通という名前が示す通り、周辺には竹屋が多かったようです。
1845年、弊社は竹屋から諸国和紙問屋に企業転換いたしました。文化文政時代を経て、文化は上方から江戸に移った時代で、瓦版・引札(チラシ)・浮世絵など、紙を必要とする時代でした。その後明治維新を経て渋沢栄一が製紙業を始め、弊社も和紙から洋紙・板紙へ業態を変化させていきました。
IT革命や今後起こるAI(人工知能)が人間を超えるシンギュラリティー、そしてAI革命によって紙の使用量は激減していきます。10年以上前に弊社はそのことを予測し、現在紙マテリアル事業は残したまま、リテラシービジネス、「SUPER LOCALISM(スーパーローカリズム)」をコンセプトにしたメディアビジネスなど幅を広げ、今後ますます複合事業形態を実行していきます。弊社は、その時代の変化とともにアイデンティティーを重視していく会社です。

栗和田榮一

多様性を基盤に付加価値を生む

栗和田榮一
SGホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長

新型コロナウイルス感染症は変異株の出現によりいまだ予断を許さない状況であることに加え、ロシアのウクライナ侵攻による国際的な影響から、日本の経済や社会生活の先行きは一層見通しにくい状況にあります。また、各種産業や社会生活におけるデジタル化の進展、脱炭素社会への移行、働き方の多様化など、私たちを取り巻く社会情勢は目まぐるしい変化の中にあります。
このような現代社会において、変化の兆しを感じ取り、柔軟に対応していくためには、多様な経験や資質、感性を持つ人材が集い、力を発揮できる組織づくりが大切だと考えてきました。例えば、当社グループはかつて男性従業員中心の組織体制でしたが、女性従業員が増え、活躍できる組織を標榜(ひょうぼう)し、制度や体制の整備を進めてきました。これからの社会では、性別や世代はもとより、異なる価値感や資質、経験を持つ人材が知恵を出し合い、お客さまと社会・環境に価値をもたらすイノベーティブ(革新的)な組織づくりが重要です。
佐川急便の創業以来大切にしてきた「飛脚の精神(こころ)」を原動力に、既存の枠を超えた新たな発想で、新たな付加価値を提供してまいります。

大垣守弘

地域に読者がいる限り

大垣守弘
大垣書店グループ 代表取締役

地域に愛され続けた書店がやむなき事情で廃業されると、その地域の読者はどこに本を求められるのか。私たちは、そのような思いから、できる限り、書店の空白地域を作らないよう、書店の後を引き継いでおります。またインターネットを通じての書籍の販売にも尽力しています。
思えば、情報や知識はいわゆる「データ」で取得できる時代です。端末があれば、紙に印刷されたものなどは必要がないという考え方もあるでしょう。しかし実際は、書店のない地域に出店すると喜ばれ、インターネットによる書籍の受注は着実に増えています。
活字媒体の行く末を心配する議論は冷めることがありません。それでも現実は文字を読んで、それを自身の血肉とされている方がどれほど多いことか。
望まれる1冊の本と巡り合えた読者の幸せは、その1冊をお届けできたわれわれの幸せでもあります。読書は、そのいっとき、他人の知識を利用して考える行為とも言われます。さまざまな考え方に触れ、自分自身を高めようとする読者がいる限り、私たちは飽くことなく書物をお届けしてまいります。

米田多智夫

持続可能な社会の実現

米田多智夫
オーシャン貿易株式会社 代表取締役社長

当社は1973年に創業、今年で50周年を迎えます。京都市に本社を構え、主な事業として世界40数カ国との間で、水産物、青果、花きなどの輸出入を行っております。50周年を無事迎えることができたのも、創業以来一貫して自然界の原理原則に学び、世の中のルールや道徳を順守してきた結果だと考えています。その一つが企業理念である「三方よし」です。「売り手よし・買い手よし・世間よし」の精神であり、当社に関わるすべての人々のさらなる繁栄と幸せを目指しています。そして、持続可能な社会の実現もわれわれが当然対応すべき責務です。経済成長に伴い、水産物への需要が世界中で急速に高まる中、何世代先までも安心・安全な魚を食べられるよう、自然環境と社会に配慮した養殖サーモンをお届けしております。2030年までのSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けて、加工過程の食品ロス削減や輸送時のCO2(二酸化炭素)削減などの取り組みも始めました。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、混迷を深める国際情勢ですが、不確実性の高い時代だからこそ、強い信念を持って知恵を絞り、果敢に挑戦すれば道は必ず開けるものと確信しています。

西山雄一郎

豊かなライフスタイルを提案

西山雄一郎
アサヒビール株式会社 京滋統括支社長

本年のアサヒビールは「主力ブランドの価値向上とスマートドリンキングの推進」を事業方針に掲げ、お客さま一人一人にとっての豊かなライフスタイルを提案します。
主力ブランド「スーパードライ」は、1987年の発売以来36年目で初めてフルリニューアルします。特長である「辛口」のコンセプトはそのままに、初めて中味の処方を変更しキレのよさは維持しながら、飲みごたえを向上させました。缶体に味の特長を視覚的に分かりやすく表現した「辛口カーブ」をデザインし、新しくなった辛口のうまさを訴求します。また、「マルエフ」の愛称にて飲食店で愛され続けてきた「アサヒ生ビール」の缶を昨年復活して発売しました。「スーパードライ」に次ぐ第二の柱として取り組みを強化し、業務用と家庭用を連動させてぬくもりのある世界観やまろやかなうま味のある味わいを訴求することで、多様なお客さまのニーズにお応えしていきます。
さらに「持続可能な社会」の達成を目指し「スマートドリンキング(飲み方の多様性)」を推進していくことで、酒類業界の健全な発展にも取り組んでいきます。

上原晋作

未来へ挑戦する会社

上原晋作
上原成商事株式会社 代表取締役社長

「これで~いいのだ~」というフレーズを聞くとあの有名アニメのパパの顔が思い浮かびます。
当社の理念「お客さまにとって必要な上原成」を実践するには、変化し続けるお客さまニーズへの対応が求められ、私たちは常に変革に挑戦し進化していかなければなりません。私たちはこれからも変わることなく建設資材、石油、液化ガスの販売を通じて社会への貢献を続けてまいりますが、その方法や進め方については、絶えず「これでいいのか?」と自問自答を繰り返していくことが大切です。過去の成功体験にしがみつき「これでいいのだ!」と油断した時から企業の進化は止まってしまい、あのパパになってしまうのかもしれません。
今の満足を実現しているのが過去の努力であるならば、明日の満足を実現するのは今日の努力、その先の満足を実現していくのはこれからの努力。果たして私たちは前例を踏襲するばかりの時代遅れになってはいないでしょうか。あの昭和の名作アニメは、常に進化への挑戦をし続けていくことの大切さを私たちに伝えてくれているのだと思います。
「これでいいわけがない、 変革に挑戦し続けるのだ!」

篠田 潤

お客さまと共に物語を紡ぐ家づくり

篠田 潤
アーキテクチャーリンクライフ(ALL)株式会社 代表取締役

私たちはお客さまと向き合いながら、本物の素材にこだわり、伝統的な美に現代的な感性を加え、職人の技を駆使して、本格的な注文住宅を設計し建築する小さな会社です。完全に自由なスタイルで自社設計し、自社で現場の管理を行い、アフターメンテナンスまで責任をもって対応しています。事務所を開設して今年で20年目を迎え、これまで139件のご依頼をお請けしてきました。家づくりには一つとして同じものはなく、それぞれに物語があります。振り返れば、たくさんのお施主さまや社員のみんな、職人たちと共に時間をかけて紡いできたその物語こそが誇りであり財産だと思うようになりました。
Architecture(建築) Link(つなぐ) Life(人生・生活・命)という社名の通り、お客さまの人生や暮らしと住宅建築をつなぐのが私たちの使命だと考えています。自然を感じ、美を発見し、住むほどに愛着の増す「人生の器」としての住宅をつくりたい。そして街並みの中で何十年も美しく、景観の一部として愛され続ける建築にしたい。そんな軸を貫きながら、新しい素材や技術を柔軟に取り入れ、これからも豊かな物語を紡いでいきたいと思っています。

田中恆清

「神ながらの道」を実践

田中恆清
石清水八幡宮 宮司

私たち神職が神典と仰ぐ日本最古の書物でもある『古事記』中巻の応神天皇の段には、「能(よ)くこそ神習はめ」という言葉が記されています。その意味は「現世のことはよく神々の御(み)心を見習うべきである」という意味であります。
私たちが生きているこの世は、ややもすれば苦労を避けて楽な方向にかじを切りがちであります。そのような一時的な損得の感情や自分さえ良ければよいという考え方で判断し行動するのではなく、少しでも神々の御心に近づけるように努力を怠らず、浄(きよ)く明るく正しく直(なお)く誠の心をもって、日々つつましやかな生活を行っていくことが、すなわち「神ながらの道」の実践であります。
神道の心は、自己中心的な悪しき個人主義ではなく、他者を思いやる優しさや人とのつながりを大切にする気持ちであり、それが神々の御心にかなう「神ながらの道」の心として古(いにしえ)より継承されてきました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)もはや2年が過ぎ、困難な時代はいまだ続いております。今こそ「神ながらの道」を実践し、未来へと心をつなぎ、皆で力を合わせてこの難局に立ち向かう時でありましょう。