忘れてはならない
日本の心

増山晃章
星和電機株式会社 代表取締役社長

令和初の元旦、明けましておめでとうございます。「令和」には美しく調和のとれた時代を作っていこうという思いが込められています。新元号を国民で祝い、良き時代をつくろうと願う習慣は日本の美しい精神文化です。
さて、昨年は自然災害、特に「水」に苦しめられた年でしたが、もはや気候の異変は明らかです。人は便利さを求めるあまり、産業革命からわずか2〜300年で20万年の人類の歴史と46億年かけてやっとつくられた地球環境を破壊しています。それが今、異常気象という形でわれわれの脅威となっていますが、温暖化を幻想と決めつけその対策の枠組みから離脱し、自分たちの利益優先で身勝手に振る舞う大国のリーダーたち、一体彼らには子孫のために良い未来を残そうとする気があるのでしょうか。今のうちに英知を結集すれば食い止めることもできるはずです。
日本文化の精神は万物に感謝して生きる利他の心です。利他の心とは自らを抑え我慢すること、思いやりの心です。日本を訪れる観光客の多くはおもてなしや作法といった、行動の奥にある日本の心を尊敬し、それに触れたいと思っています。人にとって一番大切な心、それが忘れられつつある世の中ですが、われわれ自身がそのことを常に忘れず、世界に発信してゆかなければなりません。心という忘れ物は思い出せばまた持ち続けられます。しかし、思い出せなければ無くなってしまうのです。