思い描く、未来
- 2026元日 文化人メッセージ -

恒久平和を求めて
力合わせ活動を後世へ
林 昌也
公益社団法人京都府原爆被災者の会 会長
2024年10月開催の日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の全国代表者会議の翌日、日本被団協のノーベル平和賞受賞の第一報を聞きびっくりした。代表者会議では全くその気配は感じられなかったが、ニュースや新聞を見て大きな喜びと責任を感じた。この受賞は、「原子爆弾による非人道的な被害を受け、核兵器の使用禁止、廃絶を求めて訴え続けてきた」ことが高く評価されるとともに、これからも頑張ってほしいとの期待も込められている。
私は、24年6月に公益社団法人京都府原爆被災者の会(京友会)の会長になったばかりであったが、平和賞受賞を受けて、次の三つの目標をもって活動することを決めた。
一つ目の目標は、京友会は他府県の被団協と同様、高齢化により組織の存続が危ぶまれているため、被爆二世や支援者の方に入会してもらい京友会を引き継いでもらうことである。1982年当時、会員は約1600人であったが、24年は186人となり、その後、積極的に入会の働きかけをしたところ、25年は191人と増えた。また、京都府外の方にも加入できるよう賛助会員制度を新設。これからもあらゆる機会を生かして、会員を増やしていきたい。
二つ目の目標は、平和賞受賞記念曲を専門家に作ってもらい、世界の人々に歌ってもらうことである。10年、20年とたつと、人々の記憶も薄れていく。被爆の恐ろしさを後世に伝えていくためには、誰でも歌いやすい曲を機会あるごとに歌うことが大切である。日本語はもちろん、英語などでも歌える曲を作るよう、引き続き日本被団協に働きかけていきたい。
三つ目の目標は、平和の象徴である鶴を府内産木材で制作し、多くの人に見ていただける場所に展示することであり、既に25年7月に京都府庁と京都市役所に展示してもらっている。また、1979年に発行した「原爆被爆体験記」を再発行して、被爆の実態を後世に伝えていきたいと考えている。
平和賞受賞を契機として、多くの人が日本被団協や京友会を温かい目で見、協力的になってきたと感じている。ただ、外国に目を向けると、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻など混迷が続いている。皆さんと力を合わせ、「核兵器の廃絶と恒久平和」を目指して頑張っていきたいと思う。
◉はやし・まさや
1946年岡山県生まれ。広島で胎内被爆。静岡大農学部卒業後、京都府職員として農林水産部、企業局に勤務。在職中に慶應義塾大法学部通信教育課程卒。退職後、府木材組合連合会を経て2014年にNPO法人京都森林・木材塾を設立、代表としても活動。20年から京都府原爆被災者の会(京友会)理事、22年常務理事、24年から現職。


