地域に息づく伝統と
文化を後世に

山口　渉
富士フイルム
ビジネスイノベーションジャパン株式会社
京都支社 支社長

私たち富士フイルムビジネスイノベーションジャパンは、コミュニケーションを通して社会やお客さまの課題を解決することを使命としています。お客さまがより付加価値の高い業務に注力していただけるようDX（デジタルトランスフォーメーション）の支援に力を入れておりますが、創業以来培ってきた複合機の技術を活用して古文書の複製も手掛けています。2009年に活動を始めてはや15年。今では古文書にとどまらず、3Dプリンターを活用して能面などの立体物を作成したり、大きな掛け軸や襖絵を手掛けたりと多岐にわたる印刷物の複製を行っています。
京都には四季折々の行事やしつらえの方法を書いた文書が多数現存します。それらは時代によって修正や加筆がされていたり、文化の変遷を今に伝える貴重な資料となっています。弊社の複製は原本に忠実に、使われている紙の質感や手触り感に至るまでこだわっています。貴重な原本は大切に保管し、複製品は日常で使う資料として、授業で見て触れられる教材としてご活用いただいています。
対話型人工知能（AI）などの発達で一瞬にして「答え」を得られる時代ですが、地域に脈々と息づく伝統や文化も後世に残していかなければならない大切な財産です。当時の作り手の思いとともに、次世代にしっかりと伝えていきたいと思っています。