世界へ羽ばたく
宇治茶街道

福井正憲
株式会社福寿園 代表取締役会長

京都の価値として、王朝文化のみならず、日本遺産「日本茶800年の歴史散歩 京都・山城」を契機とした宇治茶文化も近年クローズアップされています。
また、2023年夏、奈良国立博物館で開催された「聖地 南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―」特別展では、京都・奈良間にあり、福寿園創業の地でもある山城の地が紹介されました。弊社から東に900㍍のところにあった高麗寺は、京都の平安京より2世紀前、奈良の平城京より1世紀前、法隆寺と同時期の7世紀初頭に開かれました。まさに福寿園は「日本茶800年の歴史」が育まれた地、そして「仏教伝来の聖地」にあり、「王朝の都、京都・奈良の間」にあると言えます。
この文化遺産を「福寿園宇治茶街道を行く」というコンセプトでつなぎ、世界の人々に宇治茶と共に体感してもらいたいと思います。弊社はこの地域に①京の茶文化を伝える京都館（京都本店）②宇治茶文化を伝える宇治館（宇治茶工房）③山城茶問屋の文化を伝える山城館（茶問屋ストリート、本社工場）④日本茶文化の未来を開く学研館（CHA遊学パーク）―の四つの拠点があります。
京都府は南部地域を「茶の京都」として推進しており、この四つを結ぶ鉄道、自動車道、自転車道、徒歩道の整備を行政にお願いし、日本茶文化の一大拠点として世界へ発信することを念じています。