賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

日々の暮らしに「善」を追求し、自らの意志で生きる時代へ

- 2024元日 賛同企業代表者メッセージ -

瀬川大秀

祈りの心と共に
次世代へ守り伝える文化

瀬川大秀
総本山仁和寺第51世門跡

888(仁和4)年、第59代宇多天皇により建立された仁和寺は、歴代皇族の皇子皇孫が門跡を務められた寺院です。2021年、「仁和寺御所庭園」が国の名勝に指定され、仁和寺御所庭園保存整備事業で重要文化財の茶室「遼廓亭」付近の水路の調査を実施しております。
京都市埋蔵文化財研究所の調査により、付近から土塀の石組みの遺構が発見され、18世紀後半(江戸時代後期)に構築されたものであることが分かりました。付近は盛り土であり、茶室・遼廓亭の移築のために整備されたのではないかとの推測がなされました。
17世紀後半には、門前に野々村仁清が御室窯を構え、さらには、尾形光琳・乾山の住居にあった茶室が仁和寺に移築され、そこに人が集い、御室芸術文化が大輪の花を咲かせていったのではないかと考えています。
仁和寺は、真言密教の荘厳さと、御室御所の優雅な雰囲気が融合した独特の文化を有しています。宇多法皇が示された、自らが励み人々のために幸せを祈る「自利利他」の心と共に、今日まで脈々と継承されています。時代が移ろい社会が大きく変化する現代において、長い歴史の中で大切に受け継がれ育まれてきた文化、そして祈りの心を、次世代へと守り伝えてまいりたいと思います。
合掌

総本山 仁和寺

京都市右京区御室大内33
Tel.075-461-1155 
https://www.ninnaji.jp/