「タネは希望 タネは未来」

瀧井傳一
タキイ種苗株式会社 代表取締役会長

当社は創業以来、「ひと粒のタネから広がる未来の可能性」を信じ、高品質種苗の開発と安定供給に努めることで、世界の食と農業に貢献してまいりました。国内では高齢化と担い手不足を背景とする生産力の低下が懸念される一方で、流動化の激しい国際情勢の下での食料安全保障が一躍注目されるなど、農業を取り巻く課題の解決がこれまで以上に求められています。そのためにも、あらゆるものの機械化やIoT（モノのインターネット）化が進み、激しさを増す気候変動などの環境変化が押し寄せる中、人々の暮らしを支える農業を、日本人が積み重ねてきた経験と知恵に先進技術を加えた、より魅力ある成長産業としなければなりません。
新品種の開発は一朝一夕にはいかず、時には10年単位の年月を要することもあり、急速な環境変化に翻弄（ほんろう）されそうになることもあります。しかし、一粒の種はとても小さなものですが、そこには豊かな実りへの希望があり、優れた種には必ずや食と農を取り巻く課題を解決し明るい未来を作り出す力があると、私たちは信じています。
「タネは希望 タネは未来」
タキイは本年、創業190周年を迎えます。これからもたゆまぬ努力と着実な歩みで、持続可能で豊かな暮らしの実現と農業の発展に努めてまいります。