賛同企業代表者 文化人 特集・未来へ受け継ぐ
経済面コラム

文化がつくる未来

- 2025元日 賛同企業代表者メッセージ -

志村雅之

「後世への最大遺物」

志村雅之
京都鰹節株式会社 名誉会長

「後世への最大遺物」は江戸末期から明治・大正・昭和を生き抜いたキリスト教思想家であり文学者であった内村鑑三氏が1894年に記した書物です。大学時代にこの本に出合い衝撃を覚えました。彼の主張は①経営者は事業を後世に継承していくこと②事業に携わっていなければ財力を次世代に残しておくこと③事業も財力もなければ自分が成し得なかった思想を記して後世に伝えていくこと―の三つです。
幸いにも私は経営者として50年間事業に専念させていただきました。自分の代だけでなく次世代の人に事業を残していくことがどれだけ大切か痛感しています。経営も浮き沈みがつきもので苦しい時や厳しい時は自重し、順調な時は有頂天にならず足元を固めていくことが重要です。2024年12月に弊社はおかげさまで法人設立75周年を迎えました。創業者が16年、2代目が19年、そして私がトップとして40年勤め上げました。会社の寿命は30年と言われますが何とか75年、無事経過しました。これを機に代表取締役を退任し事業を側面から支えていく立場になりました。これもひとえに先代や先輩、また周りの人々のご協力、ご支援のおかげと感謝しています。それ故に後継者は①から③の教訓をしっかりと刻み込み社業の発展に寄与することが肝要だと確信しています。最後になりますがこの紙面も明年より4代目社長に譲ります。長い間ありがとうございました。

京都鰹節株式会社

京都市南区吉祥院石原堂ノ後西町7
Tel.075-671-4124 
http://www.kyoto-katsuo.co.jp/