賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

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- 2022元日 文化人メッセージ -

桂 二葉

古典落語にこだわって
とにかくおもろい落語を

桂 二葉
落語家

「京の噺家」桂米二の弟子、桂二葉と申します。荒神口に住んでいた祖母が鴨沂高の前身・京都第一高等女学校の出身で、私は京都橘大の共学化1期生。正社員として1年半勤めたフレスコ烏丸店の青果部では、白菜に付いてたカタツムリをバックヤードで飼い、パートのおばちゃんに迷惑かけながらも楽しく働かせていただきました。毎週火曜日にはKBSラジオ「桂二葉と梶原誠のご陽気に」に出演しています。
子どもの頃、学校の廊下を走っていちびってる男の子たちに憧れていました。先生に怒られてんのに楽しそう。私もアホなことしたい!でも恥ずかしくて勇気は出ず、勉強もできひんししゃべるのも苦手。憂鬱な学生生活を過ごしていました。たまたま大学生の時テレビで見た笑福亭鶴瓶師匠に魅了され、気が付けば落語家を志し、2011年に師匠米二に入門。バイトをしながら師匠の家に毎日通い、家の用事やお稽古、師匠が仕事の時はかばん持ちなど修業生活の始まりです。芸名は師匠が付けてくれるんかなぁと思っていたら、なんと師匠の飲み友達が寄ってたかって考えてくれ、候補の中から「二葉」に。初めは知らんおっさんに付けられて嫌やなぁと思っていましたが、今は気に入ってます。
入門した頃、15分の噺を覚えるのに半年もかかり、師匠には本当に苦労をかけました(白髪が増えはったらしい)。でも、覚えた台詞を言うと「なんかおもろい」と私の知らないところで言うてくれてはったそう。
芸歴11年目。古典落語にこだわってきました。大師匠・桂米朝の本にもありますが、古典落語は長い間男がやってきて男がやるために作られ、研究されてきたもの。女がやると難しいんですよ。でもおっさんが子ども役や女役できるんなら、女だって男役もできるやろうと思っています。また、女は男に比べて「アホ」と距離がある。アホな男を女が演じると違和感があるし痛々しく見えることがあるんです。だから難しいん。でもアホな私ならできる。ずっとそう思い、お稽古に励んでたのがやっと実を結びました。
昨年11月、若手の登竜門NHK新人落語大賞で優勝することができました! 女性初です! アホが大活躍する古典落語「天狗さし」で勝てたのがとてもうれしい!関西の女性落語家はわずか20人程。今までもがいてくださった女性の先輩方のおかげで、今私がシンプルに古典落語をできてるんじゃないかなと、本当に感謝しています。とにかくおもろい落語を!日々精進しております。京都での落語会、ぜひ遊びにいらしてください。

◉かつら・によう
1986年大阪市生まれ。京都橘大卒。2011年3月、桂米二に入門。同年9月、「桂米二不定期落語会」にて初舞台。落語会はもちろん、KBS京都ラジオ「ま~ぶる!桂二葉と梶原誠のご陽気に」(毎週火曜、午前10時~午後2時)、MBSラジオ「サンデーライブゴエでSHOW!」(毎週日曜、午前11時~午後0時35分)などでも活躍中。21年11月、「NHK新人落語大賞」受賞。