新たな京都観光の
時代へ

玉置敏浩
三井不動産株式会社 京都支店長

2019年までの約5年間で急速に国際化した京都観光産業は、20年から2年にわたるコロナ禍で一気にインバウンドの消滅と国内観光自粛により低迷を続けてきました。年頭に当たってポストコロナの京都観光の在り方を考えてみると、もはや過去の延長線上に答えはなく、今後は宿泊施設が提供するサービスの変革が必要になると思われます。
何といっても京都の強みは千年の都としての文化、伝統工芸、伝統産業であり、宿泊施設には観光と文化を結び付ける役割が求められるようになるでしょう。国内外の宿泊ゲストに京都の伝統工芸や伝統文化の現場を体験できる機会を提供することにより、コロナ前のように観光業が京都に混雑と乱開発をもたらすのではなく、京都の伝統産業の承継と新たな文化創造に貢献することもできるのではないかと考えます。
コロナ禍中の20年11月に開業した「HOTEL THE MITSUI KYOTO」をはじめ、三井不動産グループの京都市内八つのホテルでは、観光と文化の融合に知恵を絞りながら取り組んでいます。今後も国内外の観光客に選んでいただくために、ホテルスタッフ一人一人が京都の伝統文化をリスペクトし、地元京都の皆さまに応援いただけるホテルとなるよう、京都の国際文化観光都市づくりに貢献してまいる所存です。