IT＆AIの京都文化育成

福井正憲
株式会社福寿園 代表取締役会長

京都に文化庁がやってくることは、京都として、京都人として非常に喜ぶべきことであります。願わくは、過去の遺産を守るだけでなく、これからの時代に日本文化の核心である京都文化はどう対応していくべきかという未来への課題を、日本文化のリーダーとして京都人が考え、文化庁と共に歩みたいものです。
博物館的都市としての京都において、景観などを守るべきは当然の使命であり、日常においてさまざまな制約を受けることは当然甘受しなければならないと思います。自分の生活環境について、他の土地と同様に自由気ままに権利を主張するなら、あえて京都に住むべきではないと思います。
これからは、京都の伝統の技、しきたり、「道」にまで昇華した精神文化や技術を、現代のIT・AI（人工知能）時代に生かしていくのが大切です。伝統を守り育てている京都ならではのIT・AI時代の姿があるべきだと思います。
京都の王朝文化は、日本の各地の文化を取り入れ、京都人の価値観で、それを「京物」にして磨き育ててきました。IT・AI時代の京物とは何か、それを京都人が生み育てるべきなのです。外国文化を取り入れた国際都市の東京文化でなく、日本文化として大きく世界に存在感を示す京都文化を醸成したいものです。