賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

新たな暮らしの実践へ

Practice of new life

- 2022元日 賛同企業代表者メッセージ -

瀬川大秀

思いやりの心を伝える

瀬川大秀
総本山仁和寺51世門跡

すがすがしい正月を迎え心からお喜び申し上げます。日々早朝に霊明殿「本尊薬師如来」の御前で歴代門跡のご遺徳を偲び、皆さまの幸せをお祈り申し上げております。
仁和寺境内に群生する遅咲きの御室桜の枝先には、小さな小さなつぼみがつき、厳冬に耐えて4月には花を咲かせようとしている前向きでけなげな姿に、「頑張れ…」と声を掛けたくなります。花は与えられた命を輝かせて、淡々と生きています。私たちは自然に学ぶことが多く、大自然の大きな命の表れが私たちの小さな命です。自然は、共に命を共有している仲間として、相手を思いやる優しい心を教えてくれています。
仁和寺は888(仁和4)年に第59代宇多天皇により建立されました。宇多天皇は、弘法大師を尊崇し出家されて法皇となられ、仁和寺に住持されて人々の幸せを祈られました。法皇は「自利利他」の行いを示され、自らが励み人々のために幸せを祈る行いこそ、仏道の実践であると説かれました。その行いは今、社会に求められている心の触れ合いであり、どんなに時代が変わろうとも失ってはならない大切な心の分野です。私たちの日々の生活の中に、生かしていこうではありませんか。
皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、一日も早いコロナウイルスの終息を願っております。
「ありがたや、薬師如来を念ずれば、御室の宮にぞ、朝日のぼらん」 合掌

総本山 仁和寺

京都市右京区御室大内33
Tel.075-461-1155 
http://www.ninnaji.jp/