「京都の町」をお手本に
持続可能な未来へ

林　惠子
京都ブライトンホテル 総支配人

明けましておめでとうございます。今年はこれまでのどの年よりも感慨深く、ホテル開業から34回目の新年を迎えました。ご愛顧いただいてまいりました多くのお客さまに、心より感謝申し上げます。世界が一変した後の2022年。多様な選択肢が渦巻く中に、私たちは小さな舟で再びこぎ出しました。舟は小さく、少し古びてはいますが、目指す先は、34年前から変わることはありません。私たちの教科書はこの京都の町そのものだからです。
「持続可能な」という言葉を発するとき、この町の人々の暮らしが頭に浮かびます。教えを乞う多くの方が、何より大切になさっているのは、日々の暮らしの中に消えることなく根付いている京都の精神に基づいたルーティンワークだと感じています。
例えば、京都の生活文化の一つである「節句」は、ひたすら謙虚に、暮らしの無事への感謝と願いを込めて形づくられてきた先人の知恵そのものだと思います。私たち京都ブライトンホテルは、時代の変容に流されることなく受け継がれてきた「知恵」で未来を描き続けてきたこの京都の町をお手本に、一つ一つ丁寧に、当たり前を見直し、当たり前を磨き、商品やサービスを通して、守り伝える側の役割を少しでも果たしていければと考えています。今日からの未来も、どうぞ変わらぬご指導を、よろしくお願いいたします。