賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

新たな暮らしの実践へ

Practice of new life

- 2022元日 賛同企業代表者メッセージ -

黒坂 光

真贋を見極め、
正しく判断する

黒坂 光
京都産業大学 学長

新型コロナウイルス感染症が国内で初めて確認されてから、ほぼ2年がたちました。目に見えない小さな敵は、したたかにも突然変異を繰り返して姿を現し、人類はその都度、対策に追われてきました。まさにウイルスと人類の知恵比べにも見えるこの戦いも、「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」の登場により沈静化しつつあります。
mRNAワクチンは急ごしらえの技術と思われがちですが、30年にも及ぶ研究と開発の歴史があります。多くの研究成果が関連領域研究者の査読を経て、学術誌に公表されてきましたが、その一方で、ワクチンの副反応などに関するさまざまな情報が、SNS(会員制交流サイト)や動画投稿サイト「ユーチューブ」上で取り上げられました。学術論文の知見と科学的根拠に乏しい情報がない交ぜとなり、一般市民に届けられ混乱を招きました。
科学技術はますます高度に専門化し、社会生活にも大きな影響を与えます。来るべき社会を正しい方向に導き、次の世代に引き継ぐには、一人一人が情報の真贋を見極め、正しく判断することが必要です。京都産業大学は「科学的分析により正しい情勢判断を行い、常に独自の見解を持ち、自己の信念を貫く人間を育成する」ことを建学の精神に掲げています。先の見通しが困難な時代にこそ、大学教育が重要です。本学は、建学の精神の実現に取り組み、次の社会を担って立つ人材を育成します。

京都産業大学

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