軽佻浮薄・付和雷同
意志薄弱・優柔不断

柿本新也
柿本商事株式会社 代表取締役会長

昨年10月9日の新聞紙上で岸田首相の所信表明演説を全文拝読して、さすがに見識の高い政策をお持ちの方だと改めて尊敬をいたしました。
冒頭、「私が、書きためてきたノートには、国民の切実な声があふれています」そして、「私をはじめ、全閣僚がさまざまな方と車座対話を積み重ね、その上で、国民のニーズに合った行政を進めているか、徹底的に点検するよう指示していきます」とあります。
第一の政策にある、世界中で次々と変異株が発生するコロナ禍への徹底した対策は当然として、第二の政策である「新しい資本主義の実現」の中で「成長と分配の好循環」および「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとして示されています。成長戦略と分配戦略の中にそれぞれ四つの柱が明記されています。まさに見事な論説ではありますが、私はこれを本当に実現するということは至難の業であると考えています。
第三の政策として、「国民を守り抜く、外交・安全保障」を提示され、新しい経済対策を打ち出しておられるのは分かります。しかし、その後のコロナ対策での「子ども給付」については、年収960万円以下の所得制限を設け、18歳以下の9割が対象になるという、あまりにも短絡的な考えで決定されていないでしょうか。
どうか「軽佻浮薄」「付和雷同」「意志薄弱」「優柔不断」とささやかれることのないよう願いたいものです。