「いのち」の連帯

仲谷善雄
学校法人立命館 総長

世界中に蔓延し た新型コロナウイル スによる混乱と模索 の一年を経て、特 別な新年を迎えま した。
感染症は、文明 の根幹である移動と コミュニケーション を阻害し、人々を分断する方向に作用します。コロナ禍 によって、経済・職種・ジェンダー・人種など、さまざま な側面で問題が先鋭化しました。このような先行きを見 通すことが難しい現代においてこそ、世界中が手を携 え、SDGs（持続可能な開発目標）などで掲げられる社 会課題を解決していかなければなりません。何よりも心 強く感じるのは、若い世代を中心にその認識が広まって きていることです。
ローマ教皇は、「人と人、人と自然をつなぐ『いのち』 という観点からの連帯を」というメッセージを発されてい ます。多様な価値観や文化を持つ人たちとグローバルに 連携して、地球規模の課題を解決しようという強い意 志に共感を覚えます。
立命館は、「いのち」の存在を忘れず、建学の精神で ある「自由と清新」の下、2030年を見据えた中期計画 をスタートします。小学校から大学院まで一貫した教育 により、人類に共通する社会課題の解決に向け、社会 共生価値の創造とイノベーションに取り組む「次世代 研究大学」を目指します。
京都から世界へ、地球という環境を次の時代につな ぐ役割をしっかりと果たしていきたいと思います。