継承と新生
～京都への恩返し～

玉置敏浩
三井不動産株式会社 京都支店長

京都・二条油小 路町に三井総領家 が邸宅を置き、三 井全事業の統括機 関「大元方」を設置 したのが 1710（宝 永7）年。戦後の財 閥解体により三井 家はこの油小路邸 敷地を手放しましたが、時代の変化の中で再び三井 の元へ戻り、2020年11月、「HOTEL THE MITSUI KYOTO」として生まれ変わりました。「継承と新生」が このホテルのテーマであり、三井家が刻んできた歴史を 伝承しつつ、現代にふさわしい価値の新生を目指して います。
長い間都であった京都には、常に伝統的なものと新 しいものが交錯してイノベーションを起こし続ける風土、 歴史が脈々と息づいています。また京都の生活文化、 知恵には持続可能な社会をつくる上で未来への貴重 なヒントが潜在しています。
三井グループの事業を育んできた、これら京都の文 化、歴史に対して、私たちはホテルの運営を通して恩返 しをしたいと考えています。ホテル宿泊者に対して本物 の京都の伝統工芸・文化を体験していただく機会を設 け、京都の文化や伝統工芸の美しさと価値を世界に伝 え、次の世代にしっかりと受け渡す場所として機能した い。ホテルは単に宿泊する場所ではなく、京都というコ ミュニティーに触れ、京都の文化を楽しく学んでいただ くベース基地となるよう、100年の時間軸で捉え、運営 していきたいと考えています。