「誠実報恩」の精神で
新薬開発に挑戦！

北尾和彦
京都薬品工業株式会社 代表取締役社長

　新年おめでとうご ざいます。
　昨年のコロナ禍 は、自分の内側に新 たな問いを投げ掛 けてくれました。そ れは、ウイルスは人 に寄生しますが、自 分自身もいろんなも のに寄生、依存していたのではなかったかということで す。そして、その気づきにより、あらためて自助自立の精 神の大切さが痛感されます。
さて、私どもは千年以上もの長きにわたり疫病との戦 いを続けてきましたが、今はワクチンや治療薬で予防や 治療が可能になり、製薬企業への期待が一段と高まっ ています。昨年は、私どもも製薬企業として患者さんの ために何ができるか、皆で知恵を出し、本社第2工場の 建設や遺伝子検査会社「メドビス」の設立などを進め ました。
今年のえとは「辛丑」で、つらいことが多いだけ、大き な希望が芽生える年になることを示しています。今年 は、転換期の痛みを覚悟して挑戦し、計画したことを一 つ一つ堅実に実行していく年になると思います。以前、 難病患者さんの会で、ご家族から「お薬がまだできなく ても開発中というだけで希望が持てます」というお話を 聞きました。病気で困っている患者さんに一日でも早く お薬を届けられるよう、悠久の都・京都で社是の「誠実 報恩」を実行していく強い意志が試される年だと思い ます。皆さまの今年のご健勝とご多幸を心よりお祈り申 し上げます。