賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

次世代へ、美しい日本を

Beautiful Japan. To the next generation

- 2021元日 賛同企業代表者メッセージ -

志村雅之

お祭りと地域社会

中野博美
京都きづ川病院 理事長

ある方に、「地域社会を勉強するにはどうすればいいでしょう?」とお聞きしたら、「柳田國男全集」を薦められ、読みました。中でも私が特に関心を持ったのは「お祭り」の記述でした。柳田國男先生によると、「お祭り」は「祭り」に丁寧語の「お」が付いたのではなく、年に一度の「大祭」を訓読みにした「おおまつり」がなまって「お祭り」になったそうです。ちなみに、「お」の付かない「祭り」は神事、行事あるいは行政職を指すようです。
近代行政以前、お祭りとその準備は地域の自治システムであり教育システムでありました(とても長い話なので途中は全部省略しますが)。お祭りの日に際し、皆は年に一度の収穫と1年間の無事を確認し祝いました。古来人々は「お祭り」という事業を通して、地域の求心力を向上させるとともに団結の要にしたのです。現在は地方公共団体が中核を担っている場合が多いですが、そこに任せるだけではなく地域住民および地域の関係者は、自分の属する地域社会をショーアップするために全員努力をせよ-ということでありましょう!
さしずめ私ども医療施設であれば、本来の役目は医療・介護を通じて地域社会に貢献することでしょうが、その枠にとどまらず、地域を盛り上げることであれば手を挙げてみたいと思っています。

京都きづ川病院

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