若者の研鑽
これからも応援していきます

森田嘉一
学校法人京都外国語大学 理事長・総長

私は国際会議などで海外の研究者と長年交流してきましたが、世界的な研究成果を挙げている彼らの多くが、自らの研究とは全く異なる分野の学識も豊富で、人間的にも魅力的なことに幾度となく驚かされてきました。理系の人でも、哲学や文学、歴史、音楽・美術といった芸術分野にまで明るく、また文系の人は、工学や医学、農学といった理系の学問にも深い興味を持っています。理系、文系にとらわれない、彼らのバランス感覚の豊かさには驚かされます。
もとより、京都外国語大学は世界のいろいろな言葉を学ぶ大学ですが、一つの外国語が話せるようになるだけではなく、広い視野と深い教養を兼ね備えた国際的に活躍できる人材を養成しています。国際的知識人とは、広くて深い教養を身に付け、専門の知識にとらわれず、一段と高い視点から、全方位的に今後の世界を見る能力を得ている人物を指します。固定観念に拘束されず、新しい価値観とも柔軟に付き合っていくことができる人物です。
時に迷い、時にもがきながらも、懸命に前を向いている若者の研鑽を、私はこれからもずっと応援していきます。