未来へつながる
新しい命

川村直行
医療法人仁愛会 川村産婦人科 院長

当院は1953年に先代が開業し、今年69年目を迎えます。地域医療に長年携わっていると、うれしいことに母娘3代にわたり、当院で出産してくださる方も増えてきました。
開業当時から、川村産婦人科の特徴は「脱マニュアル化」。スタッフ全員が来院されるお一人お一人を把握できる規模にとどめておくように、という先代の考えを貫き可能な限りその方のライフスタイルに合った診療を目指してきました。
出産はおめでたいこと、というイメージがありますが全てそうとは限りません。近年、産後うつの増加や、ひいてはそれが虐待につながることが指摘されており、それは核家族化で産後のママが誰にも頼れず孤立するのが原因ともいわれています。そこへ昨年のようにコロナ禍が加わるとますますママたちの不安は増えることでしょう。いま不妊治療への助成に注目が集まっていますが、妊娠出産がゴールではなく、出産後の育児支援が不可欠であると考えます。
当院では心身ともに出産後のケアができるよう産後ケアセンターを併設しています。そこでの合言葉は「ママがハッピーならベビーもしあわせ！」です。まだしばらくはソーシャルディスタンス（社会的距離）を取る必要はありますが、心と心はできるだけ近くに寄り添っていきたいと考えています。
新しい命は確実に未来につながっています。