「不易流行」の
企業精神

三浦一郎
大阪ガス株式会社 執行役員 京滋地区総支配人

京都には「不易流行」の思想が根付いていると感じます。宗教、芸術、芸能、工芸などに代表 されるように、伝統的な建物や行事を大切にし、文化を守り続ける「不易」の側面を持つ一方で、時代とともにその姿を革新的に変える「流行」の側面も備えています。持続成長を目指す企業も同じで、環境変化に向き合い、「変えてはならないもの＝不易」と「変えるべきもの＝流行」を見極め、変化し続ける存在であります。 　環境変化に対して自ら変わり続けるという点では、当社も明治時代にガス事業を創業して以来、新たなガスの用途開発、機器開発という変化の連続でした。ガスの用途は当初の照明用（ガス灯）から燃料用、発電用へと広がり、都市ガスの原料は石炭、石油から天然ガスに転換されました。またエネルギー機器、設備の技術開発、商品開発にも力を入れ、熱や冷暖房、電力需要を取り込み、家庭用、商工業用分野で事業を拡大してまいりました。 　近年はエネルギー自由化、省CO₂（二酸化炭素）の推進といった変化の中で、従来の枠を超え、新しい領域や事業に進出し、新たな成長の源泉を求めてチャレンジしています。今般のコロナ禍でも、お客さまの生活様式や働き方が変わりつつありますので、われわれ自 身、「不易流行」の精神で変化に果敢に対応してまいりたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。