継承と発展

大垣守弘
株式会社大垣書店 代表取締役社長

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って緊急事態宣言が発令された折、弊社は書籍流通を「知のライフライン」と位置付け、感染予防に配慮しつつ、可能な限り営業を続けてまいりました。そこには、情報が氾濫・錯綜する中で、読者の皆さま一人一人が自ら考え、判断していただくために役立ててほしいとの願いも込めました。
地域によっては書店の閉店が進み、読者の望み通りに本が手に入らないという実情があります。弊社は「地域に必要とされる書店でありつづけよう」という社是に基づき、できる限り地域の書店を存続させたいという信念を持ち合わせています。
そのような思いから、昨年は、それぞれ地元の書店を引き継ぐ形で広島および岐阜へ出店し、また西東京を中心に展開している書店チェーンの店舗運営業務の一部を受託しました。そして、今年は足元ともいうべき京都に「堀川アート＆クラフトセンター」を立ち上げます。
京都府の堀川団地再生事業として、ものづくりやアートを基礎にした交流や振興の拠点となる場を書店である弊社が運営いたします。
京都の伝統ある文化を継承し、これを未来へ発展させていく次代の担い手が集う場所とするために、当社が創業以来培ってまいりました知恵を集成いたします。
ご期待ください。