賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム

次世代へ、美しい日本を

Beautiful Japan. To the next generation

- 2021元日 賛同企業代表者メッセージ -

千 宗室

文化の「温故知新」

千 宗室
裏千家家元

新型コロナウイルスの感染拡大以降、私たちは日常生活においてさまざまな制約を受けるようになりました。茶道界でも茶室内で客同士が距離を取り、濃茶の飲み回しを避けるといった対応を余儀なくされています。保健衛生観念が向上しつつあった明治末、当家十三代家元圓能斎は、めいめいに濃茶を練ってお出しする「各服点」を考案しました。流儀を問わず皆さんに参考にしていただければとの思いから、今までほとんど知られていなかったこの点前の動画を昨年裏千家ホームページ上で公開し、コロナ禍における応用の作法として紹介させていただきました。
他方、若い世代の間ではインターネットを利用したリモート茶会が行われるようになりました。パソコンなどの画面を通じて誰かがお茶を点てる様子を見ているだけではなく、自分も点てて飲むというスタイルは、新たなお茶の楽しみ方として浸透してきています。
戦国の乱世に発展した茶の湯は近代になって明治維新でダメージを受け、その後も戦争や災害など多くの困難を乗り越えてきました。文化は温故知新。どのような時代でも文化が私たちとともにあり、実践できることを見つめ直していきたいと存じております。

裏千家

京都市上京区小川通寺之内上る
Tel.075-431-3111 
http://www.urasenke.or.jp/