コミュニティーの
再生・創造へ

玉置敏浩
三井不動産株式会社 京都支店長

千年以上の歴史を持つ京都はなぜ、街としての活力と魅力を保ち続けているのか。
高度成長期以降、日本中の街づくりは建物の機能優先で地域性がなくなり、どの地域でも個性のない景観が広がり、同時に商店会や町内会などの地域コミュニティーも衰退していきました。
一方、近世以降の京都の歴史を振り返ると、街づくりは物理的な建物や景観を整備するだけでなく、コミュニティーの活力が重要であることを認識させられます。明治期の番組小学校の開設をはじめ、祇園祭や地蔵盆などのお祭りやイベントが地域コミュニティーにより営々と続けられ、北野天満宮では7年後の北野祭の復興を目指して北野祭保存会や北野神輿会が結成され活動を始めています。
三井不動産グループも「残しながら、蘇らせながら、創っていく」というコンセプトを掲げ、人が主役の街づくりを目指しています。京都においても、開発したホテルの宿泊客に地域イベントや京都の伝統文化を紹介するとともに、スタッフ自らも地域のお祭りに参加するなど、地域文化に配慮し、地域コミュニティーとの交流に知恵を絞っています。
2020年、三井不動産グループでは「HOTEL THE MITSUI KYOTO」をはじめ複数のホテルを市内で開業しますが、これからも街づくりを通して、京都のコミュニティーの再生・創造に挑戦していきます。