「絆」が救う、
子どもたちの未来

福永晃三
株式会社フクナガ 代表取締役会長

「子どもたちを地域で守り、地域で育てる」。かつて、当たり前に人々が実践してきた価値観が、プライバシー優先の時代にあって著しく変化し、現代の子どもたちは、これまでに予想しなかった新たな危険性と直面しています。
ここ数年、青少年健全育成条例違反や未成年者誘拐事案は多発しており、昨年末に判決が出た新潟小2女児殺害事件や目黒女児虐待死事件は、事実を知るにつけ心が痛みます。また、記憶に新しい大阪女児誘拐事件では、女児が保護された直後に、容疑者宅に別の女子中学生がいたことも判明し、SNSを通じて、面識のない2人が出会う危険性を浮き彫りにしました。大麻薬物の少年検挙数増加にもスマホが拍車をかけています。便利ツールであるSNSに潜む危険性について教育する環境を作ることが急務です。共働き世帯が多い中、親に限らず、学校や地域社会が、単なる禁止ではなく、積極的にあらゆる世代に教育発信しないと、こういう問題は増える一方と考えます。
ネット社会において、子どもたちを正しい方向へ導き、健全育成と教育環境を整えるために、まず、地域の絆や人と人のつながりを見直し、「子どもたちを地域の絆で守る」心の原点に立たねばなりません。京都府少年補導協会の会長として、関係諸機関と緊密に連携し、活動に貢献してまいりたいと思います。