思い描く、未来へ
drawing the future of tomorrow
- 2020元日 賛同企業代表者メッセージ -
令和は心の時代
瀬川大秀
総本山仁和寺51世門跡
私たちの生活の中で昔より伝えられた季節の行事は、自然に対して感謝と畏敬の念をもって受け継がれた日本の伝統文化です。最近は時代の流れとともに先端科学やAI(人工知能)などの発展により、新しい価値観が生まれつつあります。時代が変わろうとも、変わらないもの、変えてはいけない大切なものがあります。それは心の分野であり、優しい言葉、思いやりの心など、いわゆる人間性の復興を求めて先端技術では不可能な分野をしっかりと確認することが望まれます。
仁和寺建立を発願された光孝天皇が皇子の時に歌われた「君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪は降りつつ」という歌は、心の優しいお人柄がにじみ出ており、無病息災として珍重された若菜を大切な方のために摘まれたのでしょう。仁和寺の開山法皇であられる59代宇多天皇に引き継がれたその優しい御意志は、仁和寺に脈々と流れる教化の理念と言っても過言ではありません。時代が変わろうとも変わらない相手を思いやる「和の心」を大切にして、後世に伝えていこうではありませんか。
私は1月8日より14日まで、千有余年続いている弘法大師の秘法、東寺灌頂院で厳修される後七日御修法の大阿闍梨として出仕します。この法縁を大切に謙虚に国の安泰、五穀豊穣、さらに皆さまの幸せを心から祈りたく存じます。 合掌
総本山 仁和寺
京都市右京区御室大内33
Tel.075-461-1155
http://www.ninnaji.jp/