「京都の成長モデル」に
磨きをかける年に

小畑英明
日新電機株式会社 代表取締役会長

明けましておめでとうございます。庚子の年は、これまでの積み重ねの上に立って新しいことが始まる年だそうです。60年前は所得倍増計画が打ち出され、高度経済成長の時代がスタートしました。今年はどのようなことをスタートさせる年でしょうか。デジタル革命と少子高齢化という歴史的な変革が並走する中での新しい成長モデルを創り始める年にしたいものです。
京都には長寿企業が多くあります。長寿企業は絶えざるイノベーションで業態を変えながら長く生き続けてきました。そして、そのことが結果として成長を生み出してきたのです。一方、京都では時代の転換期に必ずベンチャー企業が生まれてきました。ベンチャー企業は、先輩の長寿企業をお手本にして必死にイノベーションを続け、長寿を目指して成長していきます。こうした企業が集まった京都は、ある時は政治の、ある時は経済の、ある時は文化の中心として1200年間成長し続けてきました。この京都の成長モデルは少子高齢化で制約の多い、しかしデジタル革命でチャンスの多い時代の成長モデルになるのではないかと思います。
庚子の年、過去から積み上げてきた「京都の成長モデル」をデジタル革命と少子高齢化が並走する時代のあるべき成長の姿としてさらに磨きをかける年にしていかねばと思います。