「観光しやすい京都」の
実現に向けて

若菜真丈
西日本旅客鉄道株式会社 執行役員近畿統括本部京都支社長

京都には、国内外から毎年多くの観光のお客さまがお越しになっています。とりわけ、京都を訪れる訪日客のうち、7割が京都の玄関口・京都駅を経由して観光するといわれ、京都駅は多くのお客さまで賑わう反面、混雑に対する不満が高まっており、地域の皆さまの日常の足であるバスの混雑も目立っています。
京都観光の定番は「京都駅からバス」ですが、山科駅や東福寺駅などから鉄道へ乗り換えて入洛いただく方が便利な観光地がたくさんあります。昨年春と秋の観光シーズンには、山科駅下車のお客さまを対象に、「ICOCA」を使ったポイントキャンペーンを実施し、山科周辺や東山・醍醐方面の誘客に取り組みました。
また、京都駅から滋賀県や「森の京都」、「お茶の京都」エリアへも列車でのアクセスがスムーズですが、これらのエリアは自然やアクティビティー体験など、京都市内の観光にはない魅力も備えています。
今年は東京オリンピック・パラリンピック、来年はワールドマスターズゲームズ、2025年には大阪・関西万博を控えています。今後も、持続可能な観光に向けて、京都駅周辺の駅を上手に活用した移動の提案や広域周遊観光の促進を通じて、過度な集中を緩和し、観光のお客さま、地域の皆さまが快適に公共交通機関をご利用いただくことで、地域課題の解決に寄与してまいります。