自然との対話

松山靖史
株式会社しょうざん 代表取締役社長

鷹峯三山を背景に、敷地のほぼ真ん中に紙屋川の渓谷があり、澄んだ水、そして数百種類の草木に囲まれて日々仕事をしております。こうした環境の下で日々働いておりますと四季折々の変化を肌で感じられるようになり、気候変動におのずから敏感になります。特に春先の新芽の出方、つぼみの膨らみ、害虫、その他まるで樹木医のごとく木と対話し観察しなければなりません。
いま日本はもとより、世界はかつてない異常気象に見舞われています。海水温上昇に伴う台風、豪雨に大型森林火災とわれわれの身近な所で災害が起こっています。
先日、スペインのマドリードで開催された国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議（COP25）において、各国の利害が対立し、足並みがそろわないまま閉幕したことは非常に残念な結果でした。地球人としての危機意識の低さには失望いたしました。各国は温暖化対策よりも経済が最優先で、温室効果ガスの削減には消極的でありテクノロジーで何とかなると思っているようです。このままでは恐らく今年も、世界中において想像を絶する大型の災害に見舞われると予測されます。
未来の子どもたちに美しい地球環境をいかに残すか、いまわれわれに問われているのです。