大切にしてゆきたい
“かたち”と“こころ”

森田嘉一
学校法人京都外国語大学 理事長・総長

2019（令和元）年秋、新天皇の御即位に伴う国民的行事として、即位礼正殿の儀、饗宴の儀、祝賀御列の儀が宮中において厳かに執り行われました。連綿と受け継がれてきた日本の伝統の“かたち”と“こころ”が内外の多くの人たちに伝わり、学問や文化にまで心を配る日本人の奥ゆかしさを強く印象づけました。同時に、私たちが関わっている教育においても、人格を育み、人間をつくる教育、すなわち教育の“かたち”と同様に“こころ”のありようが何よりも大切であると痛切に思いました。
キャンパスという“かたち”だけは立派に、そして便利になりましたが、教育内容という“こころ”が劣っていては人は育ちません。知識はもとより、人格を育み、人間をつくる教育が欠如していないか。教育にこそ、“かたち”と同様に“こころ”を大切にする姿勢がこの上なく必要だと思います。
国を愛するこころ、ふるさとを愛するこころ、職場を愛するこころ、母校を愛するこころ、先生を尊敬するこころ、そして祖父母や両親に感謝するこころ、子や孫を慈しむこころをこれからも大切にしてゆきたいと思います。