賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム 未来を思い描く

思い描く、未来へ

drawing the future of tomorrow

- 2020元日 賛同企業代表者メッセージ -

柿本新也

恋文大賞から
言の葉大賞への10年

柿本新也
柿本商事株式会社 代表取締役社長

シンギュラリティー(技術的特異点)で、労働人口の半分は職を失うという不安が漂っている。
昨年11月の京都新聞「天眼」に佐和隆光氏が興味深い記事を書いていた。現在国内総生産は60%を労働分配率とし、40%は資本を所有する法人に分配される。生産に携わる労働者が仮に半減するなら、労働分配率はおおむね30%に低下し、税収は1.5倍にまで膨らむというのである。2018年の所得税収と法人税収が32.2兆円だから、AI(人工知能)がもたらす税収増は16兆円に及ぶと彼は考えた。そして、この税収の有効な使い道として、第一に教育、医療、介護の無償化と、教員、医師、看護師、介護士の人手不足を補うために使う。第二に学術研究・教育の推進、芸術家育成の支援に充てる。貧困、労働、生産など経済のくびきから解放された人々の関心は、経済を離れ、哲学、文学、芸術、純粋自然科学へと必ず向かうはずだと氏は言う。こうなるとシンギュラリティー以降の世界もまんざら悪いとは言えない。
弊社は2010年に恋文大賞を発案し、現在の手書き文化を模索した。そして5年後の14年には一般社団法人言の葉協会を設立し、小・中・高・大学・一般の5部門で応募をいただいている。第10回を迎えた本年は3万6千通近い応募を受け、ますます手書き文化に手応えを感じているところである。

柿本商事株式会社

京都市中京区寺町通二条上ル
Tel.075-662-0131 
http://www.kyoto-kakimoto.jp/