同じやるなら
楽しく面白くやろう

松尾一哉
大阪ガス株式会社 理事 京滋地区総支配人

「彼は、あるいは彼女は変わったなあ、と言われるようになることが人間としての成長だ」。これは30数年前、私が大阪ガスに入社した当時の社長の言葉です。そこには、全ての社員が仕事を通じて努力を重ね、目標を達成するのはもちろんのこと、同時に企業人としても人間としても見違えるような成長を遂げ、「彼は、彼女は変わったなあ」と周りの人から言われるようになってほしい、そういう思いが込められています。
企業が経営環境の変化を乗り越えて持続的に成長していくためには、お客さまや社会のお役に立つという理念の下で自ら変化し、変革することが必要です。そのための原動力となるのが「人」の力、一人一人の社員の力にほかなりません。「企業は人なり、組織は人なり」というゆえんです。
こうした組織風土を背景に、仕事への取り組み姿勢についても、「同じやるなら楽しく面白くやろう」ということを歴代経営トップは言い続けています。「之を知る者も好む者も、之を楽しむ者に如かず」という論語の言葉と相通ずる考え方です。
要は、仕事をする時間も大切な自分の人生の一部だということ。それを声高な精神論ではなく、楽しく面白い価値観として求めていこう、それが当社の「人間成長の経営」の根本にある精神です。
本年もよろしくお願い申し上げます。