立ち止まらずに

村田大介
村田機械株式会社 代表取締役社長

今から80余年前、織機の経糸を制御する機械のメーカー「西陣ジャカード機製作所」を創業者の村田禎介が設立したのが、ムラテック・村田機械グループの始まりです。以来、「機械にできる仕事は機械に任せ、人は人にしかできない仕事をする」をモットーに、自動化・省力化の設備を広く世界に送り出してまいりました。
「機械にできる仕事」と「人にしかできない仕事」の区分は、時代によって変わってきます。文明とはその境界の変移であり、その結果としての「人にしかできない仕事」の結晶が文化、とも言えるのではないでしょうか。
今日、自動車や半導体は言うに及ばす、私たちの衣食住を支える工業製品の生産に自動化は欠かせません。一方で、急速な自動化は、私たちの働き方にも影響してきます。技術が社会を変え、また社会が技術を変えるという相互作用を通じて、人類はさまざまな課題を乗り越えてきました。
当社の企業理念にある「社員ひとりひとりの幸せと、豊かな社会の実現を目指します」という言葉には、私たちの使命と思いが込められています。豊かな社会とは、単に便利な世の中を指すだけでなく、広く文化が栄えることを意味します。
文化首都・京都に根ざした会社として、真に豊かな社会を目指し、たゆまずに歩み続けたいと願っています。