「革新と伝統」

松島正昭
株式会社マツシマホールディングス 代表取締役社長

弊社、マツシマホールディングスは京都で創業して今年で65年、京都においてはまだまだ半人前ですが、一端の歴史があると自負しています。
生き残るために、今でこそ当たり前になっている「多ブランド展開」「奨励金制度の廃止」「全社員とその家族での海外旅行」「海外進出」など、自動車ディーラーとしては当時ありえなかったことを考え、実行し、革新して今があります。
そして今、自動車業界は電気自動車や自動運転、コネクテッド、シェアリングなど、ヘンリー・フォードが馬車を車にしたのと同じくらいの「100年に1度の大変革期」などといわれています。また生き残るために革新していかなくてはいけません。
しかし忘れてはいけないのは、革新の基には歴史と伝統があるということです。革新するための材料もアイデアの種も、過去に自分や先人たちが積み重ねてきた行動の上にあるのです。そこへの敬意なくして革新はないと考えます。
現在、伝統工芸とカーライフの融合を行う新ブランド「Kiwakoto」を立ち上げ、京都の伝統工芸の振興に取り組んでいます。「世界一革新と伝統が同居するまち」京都において、変わっていくであろう自動車とそれを取り巻く環境、変わらないであろう人の情や義理と、そして過去への感謝、その両方を考えながら革新を続け ていきたいと思います。