京の水、そして温泉

岩井一路
株式会社ハトヤ観光 代表取締役社長

平素はハトヤ観光グループをご愛顧賜りありがとうございます。私どもは古くは和菓子屋を営み、1950（昭和25）年に当時の高山義三京都市長による「国際文化観光都市」構想へ共感し、観光業へ転身いたしました。来年2020年には創業70周年を迎えます。2014年に既存施設を建て替えた「京湯元 ハトヤ瑞鳳閣」は、京都駅周辺で初の自家源泉を掘削した温泉を有する宿泊施設として、国内外の人々に広くご利用いただいております。
京都の良質な地下水、近代以降の琵琶湖疏水といった潤沢な水資源は、都が開かれて以来、文化や産業を豊かに育んでまいりました。行政としても京都市温泉観光活性協議会を立ち上げ、ホームページやSNS上で「温泉地・京都」の知名度向上を目指し取り組まれております。温泉には、憩いの場の提供や国内外の方々のおもてなし以外にも、大阪万博のテーマ「医療と健康」や「癒やし・食・遊び」のほか、多くの可能性を秘めております。京都は従来の温泉街ではないからこそ、イメージにとらわれず、全く新しい温泉文化を作り上げることができると考えております。
変えていいもの、変えてはいけないものを熟慮しながら、経営理念「古くして新しい京都を創造する」を念頭に置き、京都と共に進化し、確かな財産を後世に伝えていきたいと考えております。
世界一の温泉地となることを夢見て…。