賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム 未来を思い描く

未来へ受け継ぐ
〜次世代のメッセージ〜

inherit to the future

- 2019元日 賛同企業代表者メッセージ -

瀬川大秀

和の心を世界に

瀬川大秀
総本山仁和寺51世門跡

仁和寺の正月は修正会で始まります。境内に足を一歩踏み入れると、真っすぐ伸びた参道が目に入ります。浄心の参道を進むとゆったりとした境内の雰囲気が伝わり、さらに王朝文化の優雅さと落ち着いた境内の佇まいに心を奪われます。参道のほぼ真ん中にある中門の階段を上がると、左越しに目に入るのが御室桜であり、遅咲きの御室の桜として皆さまに親しまれてます。さらに遠くに目を向けると重要文化財観音堂が美しい線を描いています。
今年、370年ぶりに半解体修理が完成し、いよいよ5月15日から21日まで落慶法要が執行されます。このたびの修理では先端技術を駆使し、堂内の壁画の記録保持を行いました。落慶法要では本尊観音像を近くで参拝していただき、秋には関連行事も計画しています。
仁和寺は仁和4(888)年、59代宇多天皇により建立されました。宇多天皇は自ら落飾され弘法大師のお弟子となり、法皇として仁和寺から人々の幸せを願われました。その慈悲のお心が、何千年の時空を超えてもなお脈々と生き続けていることを、境内の静かな雰囲気が感じさせてくれます。
「歴史は文化を生み、伝えられた文化は人々の心を感動させ、伝統の軌跡は人を引き付ける魅力」を持しています。千有余年の間、人々の努力により守り伝えられてきた伝統文化を大切に、これからも仁和寺より「和」の心を発信いたしたく存じます。

総本山 仁和寺

京都市右京区御室大内33
Tel.075-461-1155 
http://www.ninnaji.jp/