温故知新

吉野孝士
日本たばこ産業株式会社 北関西支社長

明治の京都には、村井吉兵衛という「たばこ王」として名を馳せた人物がいました。当時、たばこ製造を生業とする企業は国内に5千ほどもあったそうですが、吉兵衛が営む村井兄弟商会のたばこは、その味はもちろんのこと、海外の文化に精通していた吉兵衛ならではのハイカラでモダンなパッケージデザインが話題を呼び、大変な人気を博していました。このように京都の地では、伝統ある文化が常に新しいアイデアと融合しながら継承されてきました。
今、歴史ある「たばこ」という嗜好品にも、現代の新しいスタイルが生まれています。ＪＴは、多様化する個人の嗜好を尊重し、お客さまが個々のニーズに合わせて選択できる未来に挑戦しています。
たばこ文化の継承は、たばこという嗜好品を扱っている私たちＪＴの使命であります。「故きを温ねて、新しきを知る」。この素晴らしい京都の文化継承を範とし、歴史あるたばこ文化を否定し新しいスタイルで上書きするのではなく、歴史と流行を融合することでこの文化を継承していきたいと考えます。
そのために、新しいスタイル、新しい技術を取り入れながら、今後いっそう多様化するお客さまのニーズにお応えし続けるとともに、たばこを吸われない方も吸われる方も、双方が快適で共存できる社会の実現に向け、2019年も取り組んでまいります。