賛同企業代表者 文化人 対談シリーズ
経済面コラム 未来を思い描く

未来へ受け継ぐ
〜次世代のメッセージ〜

inherit to the future

- 2019元日 賛同企業代表者メッセージ -

鈴木順也

京都は、持てる資産を
新たな未来の価値へ

鈴木順也
NISSHA株式会社 代表取締役社長

私たちの京都は、歴史、自然、学術、技術、文化など都市としての豊富な資産を有しています。これらは世界の多くの人々を魅了しています。国内外から学びに来る学生が多いことや、観光客が増加しているのはその証です。
しかし、これらの資産はそこに放置しておくだけでは時代遅れになり、新たな価値を生みません。進化させることが必要です。長らく続いている伝統的な技術は、その発展の過程で進化を重ねたからこそ今なお存在しているのです。技術の進化はスペックの高度化だけでなく、その応用範囲や対象市場の拡大によっても可能です。
一方、文化においては、単に古き良きものを保存することに情熱を注ぐ傾向が一部でみられます。文化は人々の経済や生活の根底を支えるものであり、環境変化に即応する面も必要です。私たちの社会が今後も途絶えることなく持続するには、過去の遺産ではなく、未来の資産の創造にこそ思想と行動の重点をおくべきではないでしょうか。
京都と同様に長い歴史の上に成り立つヨーロッパの都市には、持続的な成長への強い課題意識がみられます。それは行政のリーダーシップのみならず、市民の積極的な参画と企業や大学の貢献のバランスの上に実現しており、同時にデータに基づいた冷静な議論とコンセンサス(合意)の形成が土台となっているように感じます。

NISSHA株式会社

京都市中京区壬生花井町3
Tel.075-811-8111 
https://www.nissha.com